「日系文化会館でのコミュニティは私にとって家族のようなもの」STORY.8 マーティー・コバヤシさん×クリスティン・コバヤシさん インタビュー

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父マーティー・コバヤシさん(左)と娘クリスティン・コバヤシさん

マーティー・コバヤシさん×クリスティン・コバヤシさん

創立から親子三代に渡って、理事会やボランティア活動に携わりコミュニティ貢献を続ける


お二人はどのような経緯で日系文化会館の活動に携わられてきたのでしょうか?

マーティー:日系二世である私の父は日系文化会館創立の委員会に属していました。1950年代、ドンミルズ×エグリントンエリアは、ダウンタウンとは違い本当に何もない土地でしたから、こんなところにセンターを設立していいのかと沢山話し合い、不動産をやっていた父は「ここはいつか産業や商業が盛んなエリアとなる」と皆に話したそうです。

その後、両親を含め75の家族が、自分の家を担保に入れて資金を出し合い建物を購入、そうして先代の日系文化会館を設立しました。そのような背景から、私は幼い頃からいつも家族や兄弟らと一緒に日系文化会館へ行っていました。初めてのボランティアは私が9歳の時、1964年に行われた初のバザーです。金魚掬いのブースの手伝いのために、当時はワイヤーとティッシュを使って手作りでポイを作ったのを覚えています。

16歳からは駐車場スタッフのボランティアも長く務めました。1984年には最年少、日系三世としては初めて日系文化会館の理事長に選ばれ、過去には計14期にわたりその役目を務めました。現在もなお、アドバイザーとして理事会での活動を行っています。

クリスティン:まだ赤ちゃんと呼べるほど小さな頃に両親が私をあやめ会(日本舞踊のクラス)に入れたこともあり、お盆祭りなどのイベントにはいつも参加し、自然とボランティア活動も行うようになりました。父と同じく、日系文化会館で育ったと言っても過言ではないかもしれませんね。

三年前にゲーリー・川口さんから声がかかり、理事会で理事を務めています。日系コミュニティは私にとって家族のようなものです。その皆と会えるこの場所で活動できることは、嬉しくもあり仕事のようには全く感じませんね。

マーティー:本当にその通りだと思います。たとえどんなにやることが多くても、一緒に育ってきた人々だから、年次行事のためにボランティア活動を行ったりするのは、とても楽しいと感じられるのです。だからここまで続けられたのだと思います。

1988年のキャラバンにて

2004年に完成した『小林ホール』は、マーティーさんのご両親を称えて名付けられたと伺いました。

マーティー:当初のホールの建築プランは、予算の関係で現在のホールよりも小さなものでした。父が建築家に相談すると、もともと倉庫として使われていた場所を取り壊し、一から大きなホールの建設を提案されました。そして両親は、自分達で寄付を行い大きなホール建設へと動き出すことを決めました。

私の父は不動産業を行った後、ファイナンシャルプランニングの事業を経営していましたが、多くの日系カナダ人の方々が父の仕事を信頼してくださった、その恩返しをしたいと考えたのです。『小林ホール』ではトヨタやソニーといった有名企業の展示会、ガラや映画祭、紅白歌合戦など多くの行事が行われています。父はその完成を目にすることはできませんでしたが、きっと喜んでいると思います。

2016年にはマーティーさんは、その日系コミュニティへの貢献を讃え旭日双光章を受章され、クリスティンさんも伝達式に参加されていました。

マーティー:これまで一世や二世の受章者の姿を見ていましたから、まさか自分が選ばれるとは、本当に光栄なことでした。ここでの活動は全てがボランティアベースですから、純粋に自分が愛する日系コミュニティの人々のために何かやりたいという思いで、全てを楽しんで取り組んできました。それがこのような形で表彰されるとは思いもよらないことでした。

旭日双光章受章時の一枚

クリスティン:父をとても誇らしく思います。理事長としての活動と同じく、父は駐車場スタッフのような裏方の仕事を喜んで引き受けて、雨の日も風の日も一生懸命働いていました。約50年にも渡って、そのように人々に貢献してきた父を見ると、たとえどんなに小さな仕事であっても、人々の役に立てるということを強く感じます。

ボランティアサービスアワードを受賞

今後の展望を教えてください。

クリスティン:私は日系文化会館がみんなのための場所であってほしいと思っています。日本人、日系カナダ人のみならず、多くのカナダ人の方もここを訪れていただいています。ここに来ていただいた方皆さんには、ここで育った人々と同じように「コミュニティとの繋がり」を感じていただければ嬉しいです。

マーティー:新日系コミッティー、日系文化会館、理事会は、互いに手を取り、これまで素晴らしい団結力を見せています。日系カナダ人の方、また移住者の方にとって、日系文化会館は自らのルーツを辿り、深めていただける大切な場所です。共に日本の素晴らしい伝統を、これからも皆で引き継いでいきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

クリスティン:日系文化会館では、映画鑑賞会、お祭り、武道クラスなど非常に沢山の活動やイベントが行われており、きっとどれか皆さんに興味を持っていただけるものがあると思います。ぜひ気軽にここを訪れてください。メディア委員会が色々な行事をお知らせしていきますのでフェイスブックのフォローも是非お願いします。

マーティー:皆さん、とにかくここへ来てみてください。日系文化会館は皆にオープンで、フレンドリー。一度ここを訪れれば、日系文化会館がいかに活気に満ちた場所・コミュニティであるかということがお分かりいただけると思います。

センパイスピーカーシリーズで現トルドー首相と


トロント日系文化会館

(JCCC−Japanese Canadian Cultural Centre)
1964年に会館創立以来、お正月会や四季の祭りなどに代表される様々な文化プログラムを通して多くの人々に日本文化を紹介するとともに、日系カナダ人の歴史体験を伝え、学ぶ機会を提供している。
www.jccc.on.ca/jp/