日本とカナダの交流「カケハシ・プロジェクト」セレモニー

 2019年3月5日、日本総領事にて「カケハシ・プロジェクト」のセレモニーが開かれた。出席者は、プロジェクト参加者6名、学校関係者、外務省職員。この日の参加者は、トロント大学附属高校の学生、そしてジャパン・ボウル参加者合計8名のうち6名であった。セレモニーでは、プロジェクトへの参加を通じて滞在した日本での経験について、それぞれの参加者が披露した。

「カケハシ・プロジェクト」とは?

 「カケハシ・プロジェクト」とは、外務省が主催する、日本と北米(カナダ・アメリカ)の間で行われる交流プログラムである。

 このプログラムの目的は三つ。一つ目に、「人々の間での日本・北米の相互の信頼や理解を促し、将来の友好関係・協力関係を築き上げること」。二つ目に、「日本についての理解を(参加者に)促進させること」。三つ目に、「このプロジェクトへの参加を通して、日本の良さを発信してもらうこと」である。

 参加者はプログラムのなかで、日本の経済、歴史、文化、自国との外交関係などあらゆることを学ぶ。そして、おおよそ10日間の滞在で、文化体験をしたり、ハイテク産業を見学したりと日本の理解に努める。帰国後は、自身の体験から日本についての情報を発信することが期待されている。

 今回のセレモニーは高校生参加者によるものだったが、このほかに大学生や社会人向けの同様のプロジェクトも存在する。

例年同様、賑やかに開催されたセレモニー

今年は両国にとって極めて重要な年

 セレモニーは、伊藤総領事の挨拶で幕を切った。

 1月に日本の外交政策についてレクチャーを行った自身の経験を振り返り、日本の出生率の低さなど様々なトピックでディスカッションも実施したと語った。

 そして、2019年は極めて重要な年であると強調した。日本国内では天皇陛下の退位と皇太子さまの即位が行われ、平成が終わり、 新しい元号が定められる。また、G20やラグビーワールドカップ2019、第7回アフリカ開発会議も開催される。浅草やトヨタ自動車などを例に挙げながら「日本は過去の伝統と未来のイノベーションのバランスが取れている国である」と語り、この機会に、国際的なリーダーシップや、「おもてなし」が発揮されることになる。

 一方、カナダと日本両国にとっても重要な年になると強調した。外交が開始されてから今年で90周年を迎える。過去カナダでは日本の文化に関するフェスティバルが開催され、多くの人を魅了してきた。今後の茶道や華道など日本文化に触れられる機会について言及し、参加を促した。

 さらに、参加者への期待も込め、科学領域での日本との共同開発やビジネス交渉、日本文化を極めるなど、日本にかかわれる将来の選択肢について提示した。大学でも日本語を選択したり、JETと呼ばれるプログラムに参加することができる。そして、日本での体験を今後多くの人に語ったり、発信していってほしいと締めくくった。

小さな一瞬がかけがえのない思い出に

 次に、生徒が順番に登壇し、日本での体験を語った。各参加者が語る「日本」は様々だったが、みな日本の良さや日本文化の独自性に遭遇したようだ。お寺や侍の衣装、たこやきなど日本の食文化に触れることもできたという。トヨタ自動車の工場や新幹線などのテクノロジー分野での技術力の高さなどに感嘆する声も多かった。一方で、ベジタリアンの方向けのレストランを見つけるのが大変だったという意見や、大都市の人の多さに圧倒されたというような声も挙がった。

 ほぼ全員の生徒が言及していたのが、ホストファミリーへの感謝の気持ちだった。食事は口に合うか、不安なことはないかなど、常に気にかけて声をかけてくれていたという。加えて、日本人の礼儀正しさに感銘を受けた生徒も少なくなかった。

 参加者それぞれが日本について理解を深め、良い思い出を残したようだ。

日本食が印象的

 閉会の言葉でGarth Chalmers副学長は、日本食と剣道が印象的だったという。日本食については夢中になりすぎてたくさん写真を撮ってしまったというエピソードを披露し、会場を笑いで包んだ。また、若い人たちが海外での経験をすることは極めて重要であり、素晴らしい体験になっただろうと語り、この機会を得られたことに大変感謝していると締めくくった。

美しい経験だった

 続いてSagalina氏は、初めてのアジア渡航ということで不安はありながらも、友人の予言通り、東京はまた訪れたい街になったと話した。これまでにないほどの歓待を感じたという。美しい経験だったと総括し、忘れることはないだろうと語った。

スマートなカナダの学生を日本の皆さんに紹介できて嬉しい

 最後にカケハシ・プロジェクトの実施を委嘱されているアジア太平洋財団トロント事務所のクリスティーン・ナカムラ氏が乾杯の挨拶を述べた。途中、副学長からサポートに関しての感謝の言葉も贈られる場面もあった。

セレモニー終了後のレセプション

 レセプション終了後は、豪華な日本食が参加者に振る舞われた。お寿司や肉じゃが、からあげなどのほか、抹茶のデザートも合わせるとその数約10種類以上。シェフが会場に現れると、「どうやって作るのか」、「コツはあるのか」など様々な質問が飛び交い、参加者たちにも大変好評だったようだ。