日本とカナダの文化の違いや共通点を学んだ未来の女性リーダーたち Bishop Starchan School カケハシ・プロジェクト報告会


5月3日、カケハシ・プロジェクトを通じて2月に日本へと派遣されたBishop Starchan School(BSS)の女子高校生8名が派遣を通じて学んだことを発表する報告会が行われた。この報告会にはBSSの学校関係者は勿論、400名の生徒が集められ、来賓として伊藤恭子総領事やアジア太平洋財団トロント事務所クリスティーン・ナカムラ所長らが招かれた。

日々感謝の姿勢を忘れない日本人からの学び

 報告会ではまず来賓を歓迎する挨拶が行われ、生徒たちからは「こんにちは、元気ですか」との挨拶があった。

 まず派遣された生徒の1人でもあるフェイ・ロマニンさんはカケハシ・プロジェクトを通じて日本で貴重な時間を過ごすことが出来たと語った。このプロジェクトの目的は日本に対する理解を深め、日本人にもカナダのことを知ってもらうこととし、その目的通り滞在中は日本を様々な面から学ぶことが出来たとした。その学びは日本で日常的に使われている先進的な技術であったり、伝統、食べ物、更には教育方法の違いまでと多岐に及ぶ。

 次に登壇したのはBSSの生徒代表も務めたステファニー・チャンさん。彼女は今回の派遣で最も印象的だったのはホームステイだと語った。生徒たちは8日間の滞在の内、半分は東京、そしてもう半分は宮城県の南三陸町で過ごした。ホームステイ先の家族との交流を通じ、2011年に起こった東日本大震災の爪痕や復興の軌跡を感じることができるシンボルに足を運び、普通の旅行ではまず学ぶことが出来なかったことを経験することができた上、日本人の精神的な強さを強く感じたと述べた。

左:報告を行う生徒達 右:挨拶を行う伊藤総領事

 ナターシャ・セグレディさんは東京で過ごした4日間について、電車をはじめとする日本の交通システムの違いにとても驚いたと述べた。システム自体は勿論だが、駅や電車内でのマナーが国民全体に浸透していることを目の当たりにし、日本人のお互いを思いやる気持ちに触れたそうだ。

 最後に、ジャクリーン・ジンさんは今回のプロジェクトでの日本からの学びはどんな人生にも辛いことや楽しいことがあり、その捉え方や乗り越え方、そして日々感謝の気持ちを持つことが大切だということだと語った。この貴重な機会を一回で終わりにするのではなく、今後BSSでは着物ワークショップを開催するなどして日本文化を学ぶ機会を作っていきたいとし、今後も日加交流を深めていくことに積極的な姿勢を見せた。

 BSSの生徒からの報告は集まった生徒たちの「ありがとうございます」で締めくくられ、続いて伊藤恭子総領事が登壇。伊藤総領事は学校関係者や生徒達に謝辞を述べ、自身がトロントで初の女性日本総領事であることや女子高に通っていたことに触れ、女性が高等教育をうけていく重要性を強く訴えた。昨年がBSSの創立150周年、2018年は日加修好90周年、そして明治維新150周年の節目であることに触れた。明治維新以降、日本は戦争や地震と言ったこと様々なことに直面しつつも常に伝統と先進性を重んじてきた。この伝統と先進性の調和は日本とBSSの共通点でもあるとした。2週間弱という短く、そして少人数の派遣となったカケハシ・プロジェクトではあったものの、生徒達には今後機会があれば日本に足を運んだり、トロントで開催される日本関係のイベントに参加したりしてほしい語り、生徒たちの今後の活躍に大きな期待をしていると語った。

 来賓が退場する際はジャクリーンさんが伸びやかな声で「さくら」を歌い上げ、とても厳かな雰囲気の中報告会は幕を閉じた。

 今後も彼女たちが日本での学びをトロントで共有し、日加間の理解や交流が更に深まることに期待したい。

言葉が違っても変わらない価値観がある
ジャクリーン・ジンさん

南三陸で生徒たちが作ったまゆ細工


 南三陸でのホームステイでは、自分がずっとこの街に住んでいたのではないか、と思ってしまうくらいの歓迎を受けたことがとても嬉しかったです。伝統工芸でもあるまゆ細工に挑戦したのですが、とても難しかったです。それでも、職人さんが優しく、根気強く見守って指導してくださったおかげで日本の伝統に自分が触れることが出来たことがとても良い経験になりました。コミュニケーション自体は英語よりも身振り手振りやグーグル翻訳を介することが多かったのですが、私たちの教会でも大切にされているPositive、Kindness、Respectという価値観が言葉の壁の有無に関わらず、日本でも大切にされている共通の価値観であることがとても感じられました。

日本は様々な顔を持っているマドレイン・ピーターソンさん

前列左からナターシャ・グレインさん、ジャクリーン・ジンさん、マドレイン・ピーターソンさん、後列左からフェイ・ロマニンさん、レイラ・ウィンストンさん、ニキ・ウィンストンさん

 東京と南三陸という2か所での滞在を行ったのですが、その中で感じたのは日本は行くたびに違う体験ができる国だということです。次に足を運ぶ機会があれば是非別の場所にも行ってみたいです。聖心女学院での授業にも参加させていただいたのですが、日本とカナダの女子高の共通点や違いを知ることができた貴重な機会になりました。彼女たちの英語エッセイを手伝ったのですが、コミュニケーションの違いや授業スタイルの違いといったことにも気が付きました。このプロジェクトで出会った聖心女学院の生徒達とは連絡先の交換もしているので、またどこかで会うことが今から楽しみです。