トロント大学の学生および日本語学習者によって構成された「カケハシプロジェクト」歓迎レセプションが総領事公邸で開催

日本の様々な顔に触れた十日間

 初めに登壇したのは伊藤恭子総領事。レセプションの参加者に向けて挨拶、そしてカケハシプロジェクトに携わった人に向けて謝辞を述べた後、このカケハシプロジェクトを通して日本の様々な顔を見られただろうと学生に向けて語った。国会議事堂やパナソニック博物館、さらには滋賀県にある彦根城も訪れた学生達。この経験を通して日本文化がいかに多様であるかを目の当たりに出来たのではないかと期待を寄せていた。
 これを踏まえ、日本は常に古き良き伝統文化と革新のバランスを保ってきたと強調。さらに、5月1日に新たな天皇を迎える日本はまさにこれから新しい時代へと移り変わろうとしていると加えた。国際社会においてもリーダーシップを発揮しなければならないと同時に、いまや世界中でも知られている「おもてなし」の心をさらに広める機会ではないかと述べた。

将来の日加関係に貢献してもらいたい

 また、今年は日本とカナダの外交関係が90周年という節目の年でもある。そんな時に日本を訪れた学生達に向けて、今回の日本での経験を糧にしてそれぞれの道を歩んでいってほしいと述べ、さらには将来の日加関係にもぜひ貢献してもらいたいと語った。

日本語への情熱を共有する素晴らしさ

 続いて登壇したのは日本語学習者の一人。日本語弁論大会の優勝者として今回のカケハシプロジェクトに参加した彼女はいまだに驚きを隠せない様子だった。始めた頃はこの大会によって日本を訪れることになるとは夢にも思っていなかったようだ。

 「いざ行ってみると私のように日本語に情熱を持っている学生にたくさん出会った」とこの経験が想像以上に充実したものだったと述べた。八日間の滞在中、英語よりも日本語で話すことが多く、これほどまでに多くの人が同じことに対する情熱を共有していることを目にして驚いたと語った。

カケハシプロジェクトの参加者

言語を学び文化をじかに経験

 さらに、新たな言語を学ぶ利点の一つとして、その言語を取り巻く文化をじかに経験することが出来ると彼女は加えた。通訳・翻訳されたものではなく、その言語を使用することで現地の人が何を話し、何を考えているのかを自ら理解することが出来ると強調。もちろん、日本語を話さずとも日本を楽しむことが出来るが、日本語を話すことによってさらに充実したものになるのではないかと述べた。中でも、北海道大学の学生と交流した際にお互い多くの共通点があったことに驚いたと述べた。「卒業後の進路に対する不安まで共通していました」と語り、会場が笑いに包まれた。

 さらに、自身のホームステイ経験も振り返った。ホストファミリーはあまり英語が話せなかったため、日本語が話せると分かった際には多くを語ってくれたと説明。そのおかげで日本での生活についてより深く理解することが出来たと加えた。共通の言語があったことにより、まるでカナダと日本の間の距離がなくなったかのように感じ、日本を発つ際にはまるで家族の一員になったかのように思えたと懐かしそうに振り返った。

日本から学ぶ知恵・工夫

 続いて登壇したのはトロント大学で国際関係について学んでいる学生。「こんにちは」と日本語で挨拶と自己紹介を述べた後、まず、今回のように刺激的な経験を提供してくれた関係者に感謝の意を述べた。カナダからこれほど遠い国に訪れたことはないとした上で、多くのことを学ぶ機会になったと語った。

 続いて、日本について学んだことを共有。「日本は革新的な国だ」と述べ、その例の一つとして自動販売機を挙げた。「あの機械の中に温かい飲み物と冷たい飲み物が両方あることが素晴らしい」と語り、「カナダにも設置されるべき」と会場の笑いを誘っていた。自動販売機の他にも、トイレに対する驚きを隠せない様子だった。「公共の場にある自分だけのオアシス」と説明。これもまたカナダに輸出されるべきだと加えた。さらに彼女は、日本がいかに場所を有効活用しているかを指摘。カナダよりもはるかに国土が小さいながらも人口が多い日本では、限られた場所を有効活用するべく様々な工夫が凝らされていると語り、これもまたカナダが学べる点の一つなのではないかと述べた。

 また、日本の人はとてもスタイリッシュであり、刺激的であったと述べた。同時に、ホストファミリーをはじめ日本の人が歓迎してくれたこと、そして「おもてなし」の心を身を以て感じることが出来たと振り返った。彼女をはじめ、今回の参加者全員が「日本が大好きになった」と述べ、「必ずまた日本を訪れたい」と強い意志を示した。

クリスティーン・ナカムラ氏

 最後に登壇したのはアジア・パシフィック・ファンデーションのクリスティーン・ナカムラ氏。このプログラムの重要性を指摘した。日本政府により実施されているカケハシプロジェクトには、今までで累計900名以上の学生が参加したそうだ。これを踏まえ、将来のリーダーとなる若者がこのようなプログラムに参加することがいかに重要かを強調。今回出会った人々との繋がりを保ち、将来はカナダと日本を繋ぐ、まさに「架け橋」となってくれれば本望だと結んだ。