カナダで生活する社会人に聞く「今だから思う20代の時に知っておきたかった・経験しておきたかったこと」

今だから想う
20代の時に知っておきたかった・経験しておきたかったこと。

学校を卒業し、社会で働くと日々の忙しさに追われ、時があっというまに過ぎたことに気づくときがある。仕事探し、自分探し、就活、骨休め…夢や目標にむかってカナダで頑張る20代の皆さんは今の自分をどう思っていますか?今回TORJA編集部では、カナダで生活し、社会にでているプロフェッショナルの方から起業家や駐在員の方に世代を超えて、今だから思う20代の時に知っておきたかった・経験しておきたかったことを聞いてみた。

質問
1. 現在のお仕事内容とカナダでのワーク・スタイルを教えてください。
2. 今までの人生を振り返ってきて満足ですか?その理由を教えてください?
3. 20代はどのように過ごされましたか?(生活面/仕事面)
4. 20代の時に知っておきたかったこと、体験してみたかったことを教えてください。
5. プロフィール

knowledge-and-experience-03サンダース宮松敬子さん

カナダ在歴41年。
長年カナダの社会現象を調べ続けているノンフィクションライターが語る20代で体験しなくて良かったこと。


1. ノンフィクションライターとしてカナダのニュースを各種媒体を通して発信しています。また作家としてカナダの社会現象を長い時間を掛けて調査し、現在までに3冊の本を上梓。去年5月末にトロントからヴィクトリアに国内移住し、平穏な暖冬の地には何も起こらないかと思っていましたが「人の住むところ必ずニュースあり」を実感し書き続けています。物書きの信条である「事象を必ず斜めから見る」ことを忘れないようにしています。

2. 生活すべてに渡って自分の目線をしっかりと据え、やりたい夢を育んで来たので大満足と言えます。人生最高の出来事は現在の夫に出会い2人の子供に恵まれたこと。とはいえ、もちろん山河ありで「晴天の海路日より」ばかりでなかったのはどなたとも同じ。子育て中に10年間日本経済新聞トロント支局に勤務して報道の何かを学び、支局閉鎖でフリーランスに。希望は「死ぬまで書き続けること」で、目標は86歳までホワイトハウスの名物記者だったヘレン・トーマスさんです。

3. 「井の中のカワズはいや!」という思いが幼少の頃からあり、あらゆる可能性を検討し外国行きを狙っていました。20代は$1=¥360の時代で旅費を貯めるのも容易でなかったですが、フラワーデザイナーを夢見てNYのデザイン学校に行き卒業。そこで恋に落ちるも成就せず帰国し、フラワーデザイナーと英会話の教師の掛け持ちをして生計を立てました。日本で知己を得た英語教師夫妻がカナダ人だったことで興味を持ち30歳で来加しました。

4. 時代が全く違うため今この質問に答えるのは難しいですね。そこで問いを「20代で体験しなくて良かったこと」にすると「若気の至りで結婚し家庭に縛られなかったこと」です。学生時代超優等生だった友人たちは年相応に結婚しましたが、今は老々介護に日々を費やし、体の不調を訴えながら「好好婆」になっています。私はそんな人生に全く興味がなく、20代で外国に飛び出し広い世界を見たこと、それに次ぐ人生を自分の足でしっかりと歩いて来た事が今に繋がっていることを嬉しく感じています。

5. サンダース宮松敬子(フリーランスの著述業) / カナダ在歴: 41年 / 経歴: 横浜生まれの横浜育ち。トロントに移住以来40年当市に住みノンフィクションライターに。カナダで1番温暖な町ヴィクトリアに国内移住し「何事にも興味を持つ」を信条に生きている。


knowledge-and-experience-02松尾千佳さん

カナダ在歴13年。
2児の母であり自然派化粧品の自社ブランドのオーナーとして育児・家事・仕事をこなしながら、あらためて想うこと。


1. 2007年にChons Inc.を設立して以来、自社ブランドChons Naturals(チョンズナチュラルズーアロマセラピーと自然派化粧品)の商品開発と販売をしています。ノースアメリカや日本のエステサロン、マッサージサロンや小売店へ商品を卸すほか、オンラインストアから一般のお客様へも商品販売をしています。また依頼があればセミナーや執筆活動なども行っています。私は2児の母でもあるので、育児・家事・仕事をうまくバランスを取りながらやっていくのが日々の課題です。

2. 満足はしていないですね(笑)。私は良く言えば向上心が強く、悪く言えば無い物ねだりなのだと思います。生活をより充実させ、もっと幸せに毎日を過ごすためにはどうすればいいのかということを日々考えています。ですが頑張り続けていると疲れが溜まってしまいますので、あえて「自分が今どれだけ恵まれていてどれだけ幸せか」を考えるようにし、今の状況に満足するよう自分に言い聞かせるようにしています。

3. 20代の頃は、自分の好きなことは何なのか、そしてどういう人生を歩んでいきたいのか、模索を続ける時期でした。そのため、生活面においても仕事面においても、とにかくやりたいと思ったことはどんどんトライしていました。就職、退職、留学、そしてカナダで生活を続けていくという決断、国際結婚など、人生の大きな岐路が次々とやってきて、その時なりに精一杯悩み、自分に相応しいと思う道を選んできました。20代は私の人生の方向性を決める重要な時期だったと思います。

4. 20代の頃、私は焦り過ぎていた気がします。早く良い仕事を見つけて安定した生活を送りたいとか、何となく早めに結婚しておかないといけない気がしていました。ですが今思い返してみると、20代はこれからいくらでも人生を切り開ける、可能性が無限にある時期です。焦って決断を下すのではなく色々なことにチャレンジして自分について学び、本当に納得のいく道が見つかるまでじっくり考えれば良いのではないかと思います。

5. 松尾千佳(Chons Inc. /オーナー) / 経歴: 2000年東京大学農学部応用生命科学過程卒。会社勤務を経て2002年に渡加。ナチュラルヘルスプラクティショナー、アロマセラピスト、コスメトロジストの資格取得後、アロマセラピーと自然派化粧品のブランドChons Naturals(チョンズナチュラルズ)を立ち上げる。2007年Chons Inc.設立。(www.chons.com)


knowledge-and-experience-01中山淳雄さん

カナダ在歴1年。
数々の大企業を渡り歩き、現在はモバイルゲームの開発スタジオの責任者として駐在。世界を相手にするトップビジネスマンが今想う、20代。


1. モバイルゲームの開発スタジオの責任者で、どんなゲームが当たっているかのマーケティング・企画立案から、世界中のゲーム会社に営業を行ってビジネス機会を探りつつ、優秀な人材の採用・アサインから財務・税務など会社運営に必要なところまでひととおり。カナダにあわせた9時-18時勤務はいいものの、日本本社とのやりとりで21-24時もがっつり営業時間。とはいえ、家族と過ごせる時間はカナダにきて圧倒的に増えました。

2. 満足です! わりと毎回色々違うことをやってチャレンジし続けられており、「飽きない人生」というモットーに沿った人生になってきてるなあと。人生を振り返って、きちんとストーリーが起承転結につながっていて、無駄になった飛び石みたいなものがないことが、満足できている理由です。なんだかんだで子供2人に恵まれたことが一番幸福度数を上げている気もしますが。

3. 前半は大学教授を目指して、勉強・論文ばかり。人生における「灰色時代」でしたが、当時の超絶悲惨な生活があったことで4冊の本を出版する筆力が築き上げられました。後半はゴリゴリのリクルート営業で浜松町・田町・品川のビルは上から下まで全部飛び込み営業してました。毎月の目標達成と表彰を追いかけつづけるサイクルが楽しく、人にも恵まれ、すごく楽しい時代でした。この前半後半で地道に築いた力を使って、30代にMBAとったり3回転職したり、かなり「浮いた」人生になりました。

4. 「7大陸の最高峰を登頂」「サハラマラソン走破」「ドーバー海峡横断」とか今絶対無理だろうなということをやってみたい。でもこれやっていたら今のような人生は選ばなかったでしょうね。あと「起業」は一度経験しておいたほうが良かったなと。カナダ人はポイポイ起業してますし、自分でも近い仕事をいまやってて思いますが、大企業の仕事より圧倒的に面白い。どっちの世界も体験できるとよいので、学生の敷居が低いうちの起業は結構大事ですね。

5. 中山淳雄(BANDAI NAMCO Studios Vancouver/Studio Head) / 経歴: 大学院卒業後、リクルートスタッフィング、DeNA、Deloitteを経て現在はゲームスタジオを運営。


knowledge-and-experience-04大木啓之さん

カナダ在歴、14年。無我夢中でガムシャラに働き、稼いでは海外へと行くチャンスを自分で作ってきたヘアサロン・オーナーが過ごした20代と今想うこと。


1. ケンジントンマーケットに位置している、チュラサロンでオーナーをしています。スタイリストとしてではなく、裏方とでも言うのでしょうか、マネージメントの仕事が主な仕事内容ですね。オープン当初は色々な所に足を運び、ライセンスやその他材料等、集めるものが沢山ありましたね。今は業務に必要な物を買い出しに行ったり、ペーパーワークをしたり、店に出たりと忙しくさせて頂いてます。

2. 70〜80%は満足していますね。僕の年代では海外で生活するというような事は夢のまた夢の様でした。その為、庶民的/一般的に言うとしたら、高卒後にすぐ島国、日本を離れ海外生活が可能となった事や、世界語とも言われる英語が若いうちから環境と共に体全体で慣れて話せるようになった事、プラスして自分の中の世界が広がり友達も沢山出来た事ですかね。ただ、残りの20〜30%は経験と年齢があがるにつれて、あれもやりたい、これもやりたいという今度は別の新しい「夢」を実現させたいという「欲」なのでしょうかね、増え続けてきます(笑)ので、まだ100%満足には至ってませんね。皆さんもこんな事あるんじゃないですか?

3. 半分くらいが海外生活でしたかね。でも貧乏暇無しです(笑)無我夢中でガムシャラに働き、お金を稼いでは海外へと行くチャンスを自分で作っていました。僕の時代はワーホリが「カナダ、オーストラリア、そしてニュージーランド」と3カ国のみの選択でしたが、20代でカナダとニュージーランドに行き、ホテルでの勤務や大手、車会社での翻訳•通訳も経験しました。学生として、やはりカナダとアメリカで英語はもちろんの事、カナダ建築の2×4(ツーバイフォー)、ログハウスの設計やインテリアデザイン、アメリカではホテルマネージメントも学びましたね。

4. 知識不足でしたね。高卒後の18歳から海外へ飛んでしまった為、日本人として恥ずかしながらですが、日本語の語学力が弱かったり、母国、日本についての知識がなく、外国人の友達やホームステイ先に日本の事をうまく説明出来なくて後悔しています。語学力も手に入れたかった1つです。父親も若い頃には北欧で生活をし、ヨーロッパでのヒッピー旅行生活をしていました。子供の頃には片言の色々な語学を遊びながら学び、多様な外国語を若いうちに同時に学ぶ事を進められましたが、なんせ貧乏暇無し、無我夢中でしたので、全て忘れてしまい残念でした。 現在カナダ、トロントに滞在していますが別の語学が出来ていたなら、また生活のスタイルが変わっていたでしょうね。30代頃には「大学」にも通ってみたいという希望、海外生活を既に始めていたので「手に職」があれば、得意とする何かを持っていれば。。。と何度も考えました。経験としては、専門学校等に通い「手に職」となる何かを学びたかったですね。

5. 大木 啓之(Chura Hair Salon / オーナー) / 経歴:10以上前にバンクーバー・チュラへ入社後、約5年前にバンクーバー本店社長と共同経営のトロント店をオープン。同時に指圧マッサージ師としても活躍中。