カナダの国際LGBTQ事情

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カナダは世界で4番目に同性同士の結婚を認めた国であり、移民も比較的しやすいことから多くの同性愛者が移住し、自国では叶わない夢の結婚生活を送っている。6月はPride Monthとして様々なイベントやセミナーも行われるほど、現在ではLGBTQの人に対する理解も広まっている。知っているようで知らないカナダの同性愛に関する事実に注目。

歴史編: カナダでの同性同士の結婚合法化までの道のり

1859年

イギリスのソドミー(反自然的性行為)禁止法をカナダ法規として採用、罰則に死罪を設けて1869年まで厳罰化。1892年には大幅に改定され、男性の同性愛行為はすべて「品位に欠ける淫らな行為」とされていた。

1965年

カナダ最高裁判所が、同性愛者だったEverett Klippertに「危険な性犯罪者」として無期刑の予防拘禁刑を言い渡す。これを受けて同性愛者の権利や人権に対しての注目が集まり、当時のカナダ首相ピエール・ドルドーが同性愛に関する法改正に着手。そして、1969年には同性愛行為が合法化される。

1977年

ケベック州で性的嗜好による差別が世界で初めて法的に禁止される。これにより、雇用、住居、社会サービスなど、公私に関わらず誰もに同じ人権が認められるようになった。続いて1978年には移民法も改正され、同性愛者の移民も受け入れるようになった。

1999年

1977年にケベック州で法的に人権や権利が認められるようになった後もなかなかLGBTQの人に対する理解が深まらず、事件が起きたり、同性同士の事実婚カップルは子供を養子に迎えられないなど、差別的な扱いが市民の声となり、ついにカナダ最高裁判所がLGBTQカップルでも、年金や通院、税金の面で異性カップルと同じ権利を受けるべきだと発表。
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2003年

1999年の最高裁判所の発表を皮切りに、同性同士の事実婚、結婚に関する法改正が検討され2003年6月10日にカナダで初めてオンタリオ州で同性同士の結婚が認められる。それに続き、他の州でも同性同士の結婚が認められ、2005年にはカナダ全土で同性同士の結婚が認められるようになった。

2016年

現在オンタリオ州では出生届に関する法律の改正が検討されている。現状では出生届には“父親(男性)”、“母親(女性)”一人づつしか記載できないようになっており、精子提供を受け、子供を授かるレズビアンカップルなど、同性同士のカップルの間で自身の子供を持つことの足枷になってきた。同性同士のカップルが子供を授かった際には10,000ドル近い費用を掛け、自身の子供を養子縁組として迎えない限り、どちらかが法的に親になることができず、病院や学校などで子供との生活に支障をきたしてしまう。これは異性同士のカップルが直面しない問題であり差別的であるとして長く議論され続け、同性同士の結婚が認められてから10年以上経ってやっとLGBTQの声が政府に届いたようだ。
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世界のLGBTQの人々が”正式”な結婚を求めてカナダを訪れる

現在カナダ以外にも約20ヵ国で同性同士の結婚が認められており、2015年3月には東京都渋谷区で同性カップルに対して「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行するという条例が成立するなど、世界各地でLGBTQの人たちへ対する理解が広まっている。だが、まだまだ差別的な扱いをしている国も多く、多くの同性カップルがカナダへの旅行と合わせて“正式”に挙式を挙げにきているのだ。そう、カナダでは下記条件を満たせば、カナダ国籍または永住権を保持していなくても正式な結婚証明書を発行してくれるのだ。

・18歳以上(16歳、17歳は親の承認が必要)
・31日以内に離婚をした場合、離婚証明書の提出

結婚証明の取得方法は通常と変わらず、City Hallで結婚証明書発行の手続きを行い、Marriage Licenceを発行し(※発行から3ヶ月有効)、2人以上の結婚の証人と一緒に小さなセレモニーを挙げ、牧師に結婚を取りまとめてもらう。正式な結婚証明は後日郵送される。2014年にはPride Monthのイベントの一環としてカサロマで110組のLGBTQカップルの合同結婚式が開催され、カナダ国内のみならず、アジアなど同性同士での結婚が認められていない国からのゲストが参加。他にも一年を通して2人の愛を何らかの形で残したいLGBTQカップルが世界各地からカナダを訪れ、挙式を挙げている。