園長先生!気付けば息子も大きくなりました…第73回「褒め言葉と子どもの成長」

「褒め言葉と子どもの成長」

23年前に誕生した「池端ナーサリー・スクール」。その園長であり創設者の池端友佳理さんのそばにはいつも日系三世のご主人・マークさんと現在24歳の健人くんがいた。母親であり、教育者であり、また国際結婚移民をした友佳理さんとその家族の笑いあり、涙ありの人生をシリーズで振り返ります。



毎日子ども達と接していると、一人一人みんな違っていて、様々な個性に触れることが出来、楽しい想いでいっぱいです。それぞれに好きなことも、考えていることも、出来ることもみんな違います。小さな子どもは特に昨日出来なかったことが今日出来ているなど、日々の成長ぶりに驚かされることが多々あります。

何かが出来る様になった時、必ず私達大人は子ども達のことを褒めます。どんな些細な事でも、特に大好きなお父さん・お母さん、先生やお友達から褒められると嬉しくて、子ども達はますます自信を持ち、もっともっと頑張ろうとして新たな挑戦をしたり、一生懸命努力したりします。 

何気なく交わす褒め言葉ですが、先日「子どもを褒めてあげたいけれど、どんな風に褒めていいのか分からない」という相談を受けました。え、褒め言葉が分からない?不思議に思いましたが、聞いてみるとなるほど。褒め言葉というのはなかなかスムーズに出て来ないものですよね。

日常生活の中だけでだと、気が付けばついつい「すごいね」「がんばったね」「えらいね」「良く出来たね」等と、漠然とした言葉で、しかも毎回これらの言葉の繰り返しの様な形で褒めてしまいがちです。もちろん、こういった褒め言葉をかけるだけで子どもはとても喜び、嬉しさでいっぱいになるものですから、心配することなど全くないのですけれど。

子どもが小さい頃は、トイレでおしっこが出来る様になったとか、食べ物を自分の指で上手く掴める様になった、など全てが大進歩ですから、具体的な表現は要らずめいっぱい手を叩いて一緒に大喜びしてあげたり、ハグしてあげたり、と簡単な表現の方が分かりやすいものです。しかし、子どもが大きくなるに連れ、確かに一言付け足してあげるだけで、子ども達にとって分かりやすく理解出来、より一層深く掘り下げて次に繋げられる事もたくさんあります。褒める側も意識して行くうちに褒め方も上手になって行くに違いありません。
 
一番簡単な褒め方は、その時々の様子を具体的に褒めてあげることです。先ほどの漠然とした言葉に「何を」、「どのように」などの具体的な様子を付け加えるだけで、子どもにとって分かりやすく、なおかつ子どもの意識にも鮮明に残りやすい表現に早変わりします。大人にとってはなんでもないどんなに些細な事でも、子どもが一生懸命頑張って得た結果もありますから、結果だけではなくその過程を忘れずに褒めてあげて欲しいと思います。例えばおもちゃのお片づけなどは「お母さんが言わなくてもちゃんとおもちゃを元の箱の中に入れてお片付け出来たんだねぇ〜!えらいね!お母さんも嬉しいよー!」「いろんな色を使ってきれいに上手に描けたねー。本物みたいでびっくりしちゃったよ〜!」などと、具体的な行動を説明しながら褒め、なおかつ嬉しいとか驚いたなどという自分の気持ちも付け加えればなお良しです。

また、お手伝いをしてくれたり、他のお友達に優しく出来たりした時(例:おもちゃを貸してあげた、泣いているお友達に声をかけてあげた、など)は、その行為自体を思い切り褒め、それを自分がどれほど嬉しく思っているか伝えてあげると、次もこうすれば良いんだという指針になります。

「○○ちゃんよりはやくできたねー」などと他の子と比べて褒めることは絶対せず、「この前までけんけんがちょっとしか出来なかったのに、今は随分たくさん跳べる様になったんだね」と、その子の過去と比べて、より一層その子が出来る様になった事柄を褒めてあげてください。  

また、勝った・負けたにこだわった褒め方や叱り方も私は賛成出来ません。これは私自身、分かっていながらも、息子健人が子どもの頃していたアイスホッケーやその他のスポーツで、ついつい感情的になっていたことが多々あり、健人が大人になった今でもその事を覚えているらしく非難されることがあるのです。そう、今でも反省させられるのですよ。

考えてもみてください。大人である私達も未だに褒められれば嬉しく、モチベーションも高まり、次へのやる気に繋がります。感受性の高い子ども達などならなおさらです。私達が使う言葉の一つ一つが子ども達の心を左右する訳ですから、どんな言葉を使うのか、表現をするのか、十分気をつけないといけません。ステキな言葉と表現でどんどん褒めてあげてください。

ちなみに、パートナーの居る皆さん。大人もまた子どもと同じ。上手に褒め合えれば、お互いの関係も円滑にいくはずです、きっと。


池端友佳理ー 京都出身。大阪の大学看護科を経て同大学病院の産婦人科で看護師として経験後、1990年に渡加。伴侶は日系カナダ人三世。一人息子(大学生)の母。1993年に自宅で池端ナーサリー託児所を開設。1999年日系文化会館内に池端ナーサリースクールを設立。園長を勤める傍ら、カナダ唯一の産後乳房マッサージ師として活躍中。