Immigration law is all about someone’s life 33回

Temporary Foreign Worker Program 見直しへ

外国人の就労について、連日ニュース等で大きく取り上げられていた内容ですので既にご存知の方も沢山いらっしゃるかと思います。今回の改定が発表される以前のTemporary Foreign Worker Program(“TFWP”) の「穴」を利用して外国人労働者を大量に雇用し、安い賃金で就労させ、カナダ人や移民の人達の職を奪っていた悪質な雇用主が多数発覚しました。このような事例が多く見られるようになったため、ESDCの大臣はやむを得ず飲食業など特定の職種のLabour Market Opinion (“LMO”) 発行を一時停止していました。

2014年6月30日にEmployment and Social Development Canada (“ESDC”) の大臣が一時停止を解除し、TFWPの徹底的な見直しへ入ること、そして現時点での新たな変更内容を発表しました。

■変更内容

LMOは廃止となり、今後はLabour Market Impact Assessment (“LMIA”) という名称へ変更となりました。LMIAは従来のLMOに比べてとても厳しくなり雇用主・外国人労働者共に様々な条件を満たすことが必須となります。変更についての詳細は右記をご参照下さい。

  1. LMIAの申請料の値上げ外国人労働者一人に対して、1,000ドル(以前は一人に対して 275ドル)
  2. 今後はLMIAを審査する際の基準として、州の賃金レベルを用いて、低賃金・高賃金カテゴリーを定める(以前はNOC/職種コードでの審査)
  3. 募集に対し厳密に何名募集があったか、面接を行ったか、何故カナダ人・移民の人達を雇わなかったかを明確に説明できること
  4. 同じ雇用主の元で就労しているカナダ人・移民の人達の解雇や勤務時間削減を禁止
  5. 失業率が高い地域では、飲食業、ホスピタリティーなどの低スキル・未経験者向けの職種に対するLMIAの申請を禁止
  6. 低賃金カテゴリーの外国人労働者はその店舗全体の10%を超えることは禁止
  7. 低賃金カテゴリーの外国人労働者の就労期間は1年間とする
  8. 高賃金カテゴリーの外国人労働者の採用にあたり、今後どのようにカナダ人や移民の人達の雇用に力を入れていくか、研修や指導は行っていくのかなどの詳細を説明したTransition Planを提出
  9. より正確な情報に基づく審査を行うため、Statistics Canadaの協力を得て4半期毎に求人調査を実施し、1年毎に賃金調査を実施
  10. 外国人労働者を雇う雇用主の4人に1人は毎年政府より(条項を全て守っているか否か)政府の検査・視察が入る
■雇用主に対する厳格な罰則

政府は新しくTFWPの管理に関わる機関を新たに設け、ルールに違反する雇用主を検挙するために予算を投じて更に力を入れていくと発表しています。悪質な雇用主の一般公開、告発窓口の設置、クレーム対応ウェブサイトの設置、また悪質な雇用主に対して最大でも$100,000の罰金を科すことができる制度を導入しています。

■今後

現大臣は「カナダ人或いは移民の人達の職を守るため、最終的にはTFWP自体をフェードアウトしてその存在をなくしたい」という意思を見せています。この案に反発している党派もありますが、大多数がTFWPを厳しくすることには賛成しているようです。

今後外国人労働者を雇いたいという雇用主、またカナダで雇用主限定のWork Permitを取得されたいという外国人労働者にとって今回の発表内容は大切な情報です。しっかりと理解し、LMIAを申請できるかできないか、また外国人を雇うこと以外にも道はあるかどうか、再考する必要があると言えます。


aya-kawakita-profile川喜多 綾
カナダ政府公認移民コンサルタント
Aya K. Immigration Services Inc.代表
移民法以外にも様々な法律を学んだ後、有名移民弁護士事務所にて実務を学ぶ。移民コンサルタントとしての国家資 格取得後、2009年に起 業。お客様とご相談しながら、ビザや移民取得に向けたプランを提案。個人のみならず、大手日系法人のクライアントも多い。
Website: www.ayak.ca
Email: aya@ayak.ca
Phone: 416-890-4303