東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い 第54回

トロントの日本食レストランでも良く見かける、岩手県の銘酒である南部美人。実は南部美人の蔵は2011年3月11日の東日本大震災で被災した蔵のひとつだ。南部美人の5代目である久慈氏は震災直後から日本酒を通じて地域復興に様々な取り組みを行ってきた。TORJAでは久慈氏が体験したこと、復興に向けての取り組みなどを寄稿してもらった。

2016年11月22日、午前5時59分ころ、福島県沖を震源とする、マグニチュード7.4の地震が発生しました。朝早くから家中の携帯が大きな音で鳴り響きます。

そうです、地震警報です。その後、大きな揺れがやってきました。

震源地の福島県は震度5弱を計測。私たちの住む岩手県は震度3でしたが、今まで経験した震度3よりも、体感的にはもっと大きな揺れに感じました。

いつもなら、震度3くらいでは地震警報は携帯から鳴らないのですが、マグニチュードがとても大きな数字だったことから、地震警報が鳴ったようです。

この地震は、なんと東日本大震災の「余震」だそうで、東日本大震災から5年以上も経過しているのに、まだ余震が来るのか、まだ余震に怯えなければいけないのか、とすごくつらい気持ちになりました。

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ニュージーランドなどの大地震でも余震は10年以上経過しても来るようで、東日本大震災はまだまだ終わらないのだと、あらためて痛感しました。

そして今回、このマグニチュード7.4の地震によって、東北の沿岸部、そして千葉まで津波警報と津波注意報を発令されました。

沿岸部の皆さんには避難の指示が出て、朝早く、寒い中、高台へ一斉に非難する映像が新聞やテレビで流されました。

仙台には1.4メートルの津波、久慈市にも80センチメートルの津波が後程到達しました。津波が川を上っていく様子も映し出され、規模は東日本大震災よりは小さいのですが、あの時の映像を思い出した方々が大勢いたと思います。

この余震は、東日本大震災後、最大の規模だそうで、テレビも地震特番に切り替わり、しばらくは津波から逃げてください、とマスコミ各社が全力で呼びかけをしました。

そして、一番心配な、福島原発は福島第2原発の3号機で使用済み核燃料プールの冷却設備が一時停止しましたが、水漏れや放射能物質の漏えいは無かったようです。

福島県が震源となると、ここが一番心配で、何もなくて本当に安心しました。

岩手県の学校関係では、沿岸部の小学校が54校、中学校が29校、高校が13校など、岩手県内の公立学校100校が休校になりました。

この地震で、津波警報の出た沿岸部では、避難をする車が渋滞をおこし、東日本大震災の時の教訓が全く生かされなかったようです。

あの時も、車で避難した人々が渋滞に巻き込まれ、そこを津波が襲い、大変な被害になった教訓を、また同じ車での避難を選択することでおこしてしまいました。

確かに足の不自由な人や、どうしても車じゃないと間に合わない地域に住む人は車での避難が正しいのですが、近くなのに車で避難する人たちが多いと、そういった遠く、つまり海に近いほうの人たちが渋滞に巻き込まれてしまい、大変な被害をおこすことを東日本大震災で経験しているはずです。

まだまだ余震が続きます。警戒の度合いをさらに上げて、注意して生きていきます。


オンタリオ取扱い代理店:
nanbu-bijin-sakeOzawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。
南部美人
http://www.nanbubijin.co.jp



kuji-kousuke-sake本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授
久慈 浩介