ようこそお茶の世界へ お茶の時間 #10
カフェインは敵か!?
お茶の仕事で、毎日トロントのお客さんに接していて驚いたことは、実に多くの人が年齢を問わずにカフェイン入りか、そうではないかを気にしているなあ、ということでした。普段、カフェインのことを全く気にしたことのなかった私も、最近はお客さんの影響か、飲む前にふと考えることもあります。ある夜など、寝る前にお茶を飲み、「カフェイン」という言葉を思い出した途端に眠気が吹き飛びましたが、やはりこの場合ただのプラシーボーでしょうか…。
カフェインには、興奮作用や利尿作用の他に、倦怠感や頭痛に対する効果がある一方で、摂取しすぎると、疲労感が増したり、集中力が欠如したりなどの症状がでることがあるので、「何れにせよほどほどに」ということでしょう。
さてここで、緑茶に含まれているカフェインは、実際どのような影響をもたらしているのでしょうか?まず挙げられるのが苦味の成分。ですから緑茶からカフェインを取り除いてしまうと、独特のすっきりとした味わいに変化がもたらされてしまうのです。美味しい緑茶とは、苦味、渋みそして旨味のバランスがよいもののことなので、やはりカフェインは緑茶にとっては大切な成分ですね。
今月のお茶 「玉露を味わってみましょう」
緑茶の中でも最高級とされている玉露。濃厚な味わいの中にある絶妙なバランスを楽しんでください。ここでは、「玉露の淹れ方」をご紹介します。
1 小ぶりの急須にお湯を注ぎ、そこから茶碗に注ぎます。
2 急須に茶葉を入れます。2人分なら、小さじで2杯ほど。
3 1で茶碗に注いだお湯を急須にいれて、2分ほど待ちます。
4 お茶の色が均一になるように、回し注ぎ*をします。急須にお湯を残さず、最後の一滴まで注ぎましょう。
*回し注ぎ: 例えば端から1、2、3として3つの茶碗にお茶を淹れる場合、まずは1から3の順番でお茶を注ぎます。そして、残りのお茶は3、2、1と今度は逆に注ぎます。こうすることで、お茶の濃さや色が均一になるのです。
Maya Racine
Tea Association of Canada公認のティーソムリエ。日本、ジャマイカ、フィリピン、スイス、イギリスと人種も文化もまったく異なる国での在住中は、旅行会社と航空会社に勤務。カナダはモントリオール、カルガリーでの生活の後、ついにトロントへ。何か新しいことを始めてみようと、お茶の世界へ飛び込んだ。お茶は楽し。