トロント不動産情報 VOL. 33
本文:照岡 敏介 -Toshi Teruoka オンタリオ州政府公認・リアルエステートライセンス保持者
ブリティッシュコロンビア州で話題となっている、“Shadow Flipping ”とは。
トロントとバンクーバーの継続する不動産価格上昇。バンクーバーの今年1月の年間不動産価格上昇率がなんと27%と騒がれる中、カナダの新聞THE GLOBE AND MAILがバンクーバー不動産仲介業者の“Shadow Flipping”を取り上げました。
このShadow Flippingとは、仲介業者がバイヤーAさんに物件を紹介し、その物件売却主と売買契約書に署名をして契約の合意をします。この契約の中には一般の契約より先送りされた名義登録変更日が記載されるとともにAssignment Clause (契約転売の許可)が入れられます。先送りされた名義登録変更日、Assignmentは合法で商業物件の売買には頻繁に使われます。
この仲介業者は契約成立後、バイヤーBさんを見つけバイヤーAさんの契約をバイヤーBに水揚げされた価格でこの契約書を転売します。この作業を仲介業者は契約上の名義登録変更日まで続けます。転売成功ごとに仲介業者には成功報酬が渡される仕組みです。
例えば:バイヤーAさんは物件を$2,000,000で購入、その物件を同じ仲介業者がバイヤーAさんからバイヤーBさんに$2,300,000で転売。バイヤーAさんは何もする事無く$300,000の利益を得て、この利益の一部が仲介業者に、そしてバイヤーBさんからも成功報酬としてコミッションが支払われます。バイヤーAさんは名義変更登録日前の転売なのでLand Transfer Taxなどの支払いの義務も有りません。
このShadow FlippingがTHE GLOBE AND MAILによって公になって以来、ブリティッシュ・コロンビア州の不動産業務を管理するThe Real Estate Council of B.C.とカナダ政府はこの問題解決に即急の対応をしている最中です。
下の表は今年と去年1月のMLS上での平均不動産売買価格と新規売却希望登録数です。