日本人による日本人のための法律相談 ー 第5回 ディメンド・レターとその効用

第5回 ディメンド・レターとその効用

賃貸や雇用の場などの日常で思いもよらぬトラブルに巻き込まれた時は、誰でも頭を抱えてしまいます。滞在先の海外で大家や雇用主と揉めてしまったらどうすれば良いのでしょう。ワーキングホリデーや就学など滞在期間に限りがある場合は、法手続きを始めることもできず、泣き寝入りを強いられることも少なくありません。

そこで今回は、限られた時間内でも効果的にトラブルに対処できるディメンド・レターについて紹介します。

◆ディメンド・レターとは

ディメンド・レターとは、もちろん相手に賠償(こちらに与えた損害をつぐなうこと)を求めるものです。けれども「お互い歩み寄って和解しませんか」ということを文書で示すことで、相手の態度を軟化させることを目的とするもので、必ずしも訴訟を前提とするものではありません。

ディメンド・レターでは、自分が置かれている立場を明確に伝えた上で、トラブルを迅速に解決に導くための和解案を示すことができます。つまり、相手を責め立てるのではなく、示談を促すことがディメンド・レターの最大の目的なのです。

◆ディメンド・レターの書き方

ディメンド・レターには、決まったフォーマットはありません。しかし次の4点は外せません。①賠償を求めるに至った事実、②どのような賠償行為または賠償金を求めるか、③いつまでに賠償を行うか、④期限内に賠償がされなかった場合、どのような結果がもたらされるか。「あなたは私に対してこのようなダメージを与えました。けれども、〇〇ドルを〇〇日以内に支払ってくれるのであれば許してあげますよ。でも支払ってくれなかったら裁判所に訴え出ますよ」ということが書かれていれば、ディメンド・レターとしての役割を果たすことができます。

◆ディメンド・レターの重要性

ディメンド・レターは、相手に賠償を求めるだけのものではありません。裁判になったとき証拠となるものなので、できるだけビジネスライクな文章を用い、マナーを守った紳士的な内容であることが大切です。

ここで相手を侮辱したり無理難題を押し付けたりしては、元も子もありません。あえて冷静な姿勢を保ちたいものです。賠償請求の内容も、客観的で誰にも納得できる公平なものでなければなりません。

また、いきなり訴訟を起こすのではなく、ディメンド・レターで和解を求めたという事実は、法廷ではたいへん有利です。示談交渉を試みたにもかかわらず、和解に応じなかったことのペナルティとして、裁判費用の一部を相手に支払わせることも可能となるのです。

◆代理人からのディメンド・レター

ディメンド・レターは、自分で書くこともできます。しかし、法律の専門家が代理人となって作成するディメンド・レターは、自分で書いたものよりずっとパワフルです。

代理人を雇って正式な内容証明の文書を送ることは、それだけで相手に「私は真剣ですよ。きちんと向き合ってもらえなければ、訴訟も辞さない覚悟ですよ」というメッセージを送ることができるのです。

さらに法律を後ろ盾として効果的な示談条件をアドバイスしてもらうこともできます。理不尽な場面に遭遇したとき、法律の力は驚くほどの力を発揮します。「あなたのこういう行為は、明らかに法を逸脱したもので、私にはそれを正す法的権利があるのです」と理路整然と訴えることで相手を交渉のテーブルにつかせることが、ディメンド・レターの目標です。

ディメンド・レターについてもっと知りたい方は、下記セミナーにご参加ください。

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