白ふくろうのネタ探し #5 トロントのハイウェイってなんか変!? 『有料道路編』

トロントのハイウェイってなんか変!? 『有料道路編』

2016年国勢調査でカナダの人口がついに3500万人を超えたようです。もっとも、住民登録がないカナダの場合この人口という定義がどんなものかよくわかりませんけどね。調査票が各世帯に送られ、現時点でそこに住んでいる人をすべて記入せい!という方法ですので、後ろめたいことがある人は回答しないでしょうし、そこに書かれたことが正しいかどうかも確かめようがないのではないでしょうか。

そうそう言いたいのはトロントの人口。この調査によるとGTAの人口は600万人弱だそうでカナダ全土の約6分の1。経済の中心地であり仕事のチャンスも多いので、今後ますます人口が増えるようです。

でも仕事はトロント市、住んでいる所は市外という生活スタイルがどんどん増えているように感じます。するとトロント市内まで通勤する必要がありますよね。その交通の足となるのが道路と公共交通機関。そこで、今月は道路について歴史なども踏まえてご紹介します。

数か月前、トロント市議会で決議がなされました。それはトロントのダウンタウンに入る2つのハイウェイ、ドンバレーパークウェイとガーディナーエクスプレスを有料化しようというもの。理由はその維持修繕費。この2つのハイウェイの利用者はトロント市に通勤する人たちが多く、彼らの多くはトロント市民ではない。とすると、2つのハイウェイの維持修繕費をトロント市民の税金だけで負担するのはおかしくないか?利用する人に一部負担してもらってもいいのではないか、と考えたようです。

賛否両論ありましたが最終決議で賛成となり、どのように料金を徴収するか、そのシステム施設費はどう捻出するか、そしてオンタリオ州政府からの承認が得られるかどうかが懸念として残りました。特に、最大の懸念はオンタリオ州政府の承認でしたが、1月下旬、オンタリオ州政府の見解はNO!その代わり別途交通インフラ予算を貰えることになったそうです。結果としては、よかったように思いますが、白ふくろうはトロント市の考え方、いいと思いますけどね。

オンタリオ州のハイウェイは、オンタリオ州が管理するものと各市町村が管理するものがあります。オンタリオ州が管理するものは通常400番台の番号が付けられ、南北に走るものに偶数番号、東西に走るものに奇数番号が付されます。ただハイウェイ427だけは先にハイウェイ27という道路があり、それとほぼ平行して走るために、混乱しないように例外的に427としたそうです。

そこで今回のハイウェイ有料化のお話。

日本では高速道路は有料という考え方が定着していますが、カナダでは有料道路は非常に少ないですね。トロント近郊では407ETRという有料道路がトロント地域の北側を迂回するように走っており最近東に延長されました。今は民営化されていますが、もともとはその番号からも分かるようにオンタリオ州が設置したハイウェイでその計画は1950年代からあったようです。

この407ETR開通に当たっては、笑うに笑えない話があります。

開通に当たり、特に注目されたのが世界で初めて導入となる全自動入出管理システム。入出口で車両ナンバープレートを写真撮影、走行した距離と時間帯別に設定されたキロあたりの料金レートで、そのプレート登録者に自動的に請求する完全無人化システム。頻繁に使用する人はトランスポンダーという発信機をリースし、自動的に登録アカウントに記録することもできます。ゲートもなく、入口、出口で停まる必要がないので、かなりのスピードで入っていくことが出来ます。

第一期区間ハイウェイ410-404間が完成し、どのくらいの利用者があるものかと数か月、試用期間として無料開放しました。

最新ハイウェイが無料で利用できるとなれば、北米最悪と言われているハイウェイ401を使っていた人は当然のように利用。結果、当初の予想を大きく上回る利用データとなり、これを見て喜んだのがシステム会社。早速、オンタリオ州政府に対し、「この利用データだと課金システムが対応できないかもしれませんぜ。システムの能力を倍にしたほうがいいでっせ」と悪魔のささやき。このささやきに乗ったオンタリオ政府はシステム処理能力の倍増を決定、それが完了するまで試用期間を延期、利用者は大喜び(自分も利用しました)。

数か月後システム能力も倍増し、さあ!開通だ!!としたところ、「有料なら使わんわ」と利用者が激減。オンタリオ州政府としてみればシステム投資に大金を使い、正式開通は遅れるし、利用者は予想を下回るし、と散々な目に会い、結局1998年にオンタリオ州政府は407を売却する羽目になりました。

いい目を見たのは、システム会社だけ。え!どこの会社かですか?あの国際ビジネス何とかという世界的な超大手会社です。

ありゃ、もう紙面が無くなってしまいました。来月は、トロント市のハイウェイについてご紹介します。



whiteowl

白ふくろう

1992年音響映像メーカー駐在員として渡加。8年の駐在の後、日系物流会社に転職、休眠会社を実業会社へ再生再建。2007年より日系企業団体事務局勤務、海外子女教育・日本語教育にも関心が高い。2009年より、ほぼ毎日トロントやカナダのニュースをブログ(カナダはいいぞ~。トロントはもっといいぞ~)で配信している。