第3回 この夏1歳になる女の子と4歳の男の子の二人育児に奮闘するAさん|カナダの出産・育児体験インタビュー『ママ友トーク』

 トロントは子供に優しい人が多い街。2歳の娘を連れていると、毎日の様に「可愛いね!」「お名前は?」「何歳なの?」と話しかけられます。電車内で赤ちゃんが泣いても、居合わせた人が笑顔であやしてくれますし、急に電車が混んでしまった時に、周り中が協力してストローラーを通してくれたことも一度や二度ではありません。

 とはいえ、子育ては重労働。家庭の事情もそれぞれです。比較的パパが時間を取れ、頼れる親族等が近くにいれば別ですが、そうでない場合は基本ワンオペになってしまいます。


Layla(以下L): カナディアンのパパは子育てに協力的で、おっぱいからの授乳以外なんでも出来るイメージですが、ご主人はいかがですか?

A: う~ん、残念ながら旦那の場合はそこまでじゃないなあ(笑)。うんちのおむつでも替えるし、何でも出来ることは出来るのです。ただ、在宅仕事が多い自営業なので、能力はあっても時間がない。仕方ないのは頭では分かるのですが…家の中にいるのに手伝ってもらえないのは、しんどい時もありますね。いっそ不在なら諦めもつきますが、視界に入るぶん、余計に腹立たしいというか(笑)。

L: 分かります!うちは主人が研究職なので、論文を書いたり発表の図を作ったりデータ整理をしたり、どうしても家での作業が出てきます。

 考えをまとめている時に中断したくないのは分かりますが、家事ならマルチタスクは当たり前。

A: そうです!洗濯機をまわす間に食事の下ごしらえ、掃除しながら頭の中で食料や日用品の足りないものをチェック、家を出る時間を逆算して乾燥機に洗濯物を放り込んで、手が空いたらオンラインで注文を…と思ったら子供がお漏らしして急遽パンツを手洗い!なんて日常茶飯事ですよね。

L: 出会いから結婚後も含めて10年以上トロントにお住まいですが、生活していてどうですか?

A: 住めば住むほど、トロントは住みやすく感じます。勿論、医療も教育も税金も、不満は沢山あるけれど、子育てしながら暮らすストレスレベルがとても低いのは確か。

 日本にはよく帰っていますし、友達から日本の子育てを取り巻く話もよく聞くのですが、やはり子連れに対してピリピリした雰囲気を感じたり、行動が制限されることが多いように感じます。便利で何でもあるし、時間通りできちんとして良い面もありますが、トロントのようにどこへ行っても子連れに寛容とは行かないですね。

 特にトロントでは、どこに行っても周りの大人が当たり前のように小さな子供をあやしてくれるのが本当に有り難いです。人との距離感が近くて「サポートするよ!」という気持ちがしっかり伝わってきます。

L: 家族での外出やレジャーの様子はどんな感じですか?

A: 義実家があるサンダーベイでは、祖母に可愛がってもらっていつも息子も楽しそうですし、私も一瞬ワンオペから解放されます。人の力を借りて子供が手を離れる時間がちょっとあるだけで、気分的に全然違いますよね。

 あと、先日は家族でマーカムまで苺狩りに行ってきて楽しかったです!旦那がひょっこり平日に休みを取れる時は、家族での時間を楽しんでいますよ。

L: 私も日本では、両親とは離れたところで暮らしています。ご両親と会えるひと時は、パパがいなくてもいいリフレッシュになりそうですね。

A: 本当に!母の手料理を味わって、子供も親戚の子供たちに遊んでもらって、日頃の苦労から解放される唯一の時間です。私も友達に会えるし、食べ物も美味しいし、買い物に行っても何でもあって、日本最高!と帰る度に思います。

 それでも毎回、トロントに帰ってくる度に、自分のホームに帰ってきたなあとほっとしている自分がいます。もう日本・トロント、どちらも自分にとって「帰る」場所になっているんですね。日本は便利で快適ですが、ここで家庭を築き子育てしてきた私には、トロントがいつの間にかはっきりと「故郷」になっていたんだなあと思います。

 日本は日本で良いところが沢山あるし家族に会えるのは嬉しいけれど、子供を社会全体で見守って、喜ばしい存在として受け止めてくれるこの街で、温かい気持ちで子育て出来ることに心から感謝しています。

L: トロントの人々の子供に対する優しい眼差しは、異国で孤軍奮闘するママには本当にありがたいものですね。Aさん、ありがとうございました!

Layla

 2018年春よりトロントへ。初めての海外生活はもの珍しく面白いことばかり。カナダ新参者目線で子育てやダウンタウンの生活について綴ります。犬猫と紅茶大好きアラフォーママ、趣味は料理とピラティス。