TORJA注目!Mama Earth Organics

(左)ママアースポスター(右)あまり市場に出回らない古来種のじゃがいもとラディッシュ

(左)ママアースポスター
(右)あまり市場に出回らない古来種のじゃがいもとラディッシュ

www.mamaearth.ca
ホームページでは各品目の特徴、生産者、レシピ、野菜の保存方法などが紹介されている

残留農薬や遺伝子組み換え作物の健康への影響は気になるところ。しかし、有機野菜を売っているお店は限られている。また、輸入された有機野菜も本当に有機なのか不確かだ。ここでは、近年増える地元の有機食材の配達サービスの中でも、Mama Earth Organicsを紹介したい。

有機野菜を新鮮なうちに地元農家から直接メンバーに適正な価格で提供することを目的に、2007年にHeatherさんと元人権擁護弁護士のご主人Alexさんによって立ち上げられた。農家と契約する際は、継続可能な農法で育てていることだけでなく、味が最優先されている。そのこだわりぶりはオーナーのHeatherさん自らが毎週契約農家へ出向き、味や鮮度を確認している等徹底している。

優先事項は1.味、2.鮮度(根菜以外は収穫後24時間以内に届けられる)、3.地元の小規模農家で有機栽培されていること、4.本物であること(チーズやパン等加工品が質の高い材料で伝統的な方法で作られているか)で、この条件に合わないものは取り扱わない。配達は地域によって月曜から金曜のいずれかの曜日に決まっていて、週に1回か隔週で利用することができる。最初に登録料10ドルがかかり、その後は合計30ドル以上のものを注文すれば無料で玄関先まで配達してくれる。野菜と果物以外にも乳製品や瓶や缶に入った重い調味料や豆類等も宅配されるので便利だ。一つずつ好みのものを組み合わせてもよし、30〜60ドルで予め野菜と果物がセットされたバスケットを選ぶもよし。2ドルの追加料金でバスケットの中身をカスタマイズすることもできる。必要ないときは配達を一旦止めることもできる。鮮度や味に満足できなかったら返金も可能だ。地元の農家や小規模事業主を支援することはトロントの食糧供給システムや地元経済の発展につながるという信念のもと顧客を獲得し続けるMama Earth Organicsは社会的環境的に意義のあることを事業化してもビジネスは成功するという例を示している。ここでは、広報担当のEmmaleaさんに詳しい話をうかがった。

-どのように契約農家を選んでいますか?

環境に負荷の少ない持続可能な有機農法について私たちと考え方を同じくしていること、収穫物の鮮度と質を基準に選んでいます。地元の有機農家の数が限られているため、常に新しい農家を探しています。

-有機栽培の認証を取得するにはたくさんの手間と費用がかかるため、取得を断念する小規模農家が多いと聞きました。御社では認証を受けた農家とだけ取引をされているのでしょうか?

残念ながら、それが現実です。ですので、良い関係を築けていて信頼できる農法を確立している幾つかの農家については認証がなくても取引しています。また、認証を申請中でまだ取れていない農家とも仕事をしています。このような場合、認証がある場合と同じコストを農家は負担しなければなりませんが、まだ認証済みの農家と同等の値段を付けてその埋め合わせをすることはできません。

さつまいもの出来を吟味するHeatherさん

さつまいもの出来を吟味するHeatherさん

生産者とのコミュニケーションを大事にしている

生産者とのコミュニケーションを大事にしている

-カナダでは有機農法にはどのような制限や条件が設けられていますか?

たくさんの規定があります。政府は許容される農薬や肥料の最低値を定める以外に、環境に配慮したどのような取り組みが実践されているのかを定めています。個々の認証機関もそれぞれの基準を設けており、多くの場合が政府の基準よりも更に厳しい内容になっています。といいますのも彼らの認証は政府の基本指針を維持しながら農家に対して更にレベルの高い条件を課すことができるからです。ですので、同じ作物でも利用する認証機関によってはオーガニック度が高いということがあります。

-地産地消を推奨されていますが、どのぐらいの割合がオンタリオまたは国産の農産物ですか?

バナナ、アボカド、オレンジ等の定番は常に輸入品に頼っていますが、夏から秋にかけては取り扱い品の8割が地元産です。冬は農家の保冷室に貯蔵してあるりんごや根菜類とビニールハウス栽培のレタス、トマト、キュウリ等に限られ、ほとんどがアメリカや気候の温暖な国からの輸入品です。地元の有機農産物に対する需要がそれほど高くないため、冬の間に確保されている地元産の野菜の数はわずかです。冬にLocal Basket($35)を利用するお客様は地産地消を徹底しているほんの一部です。

-オンタリオで生産されている主な遺伝子組み換え作物について教えてください。

弊社が特に注意しているのは、大豆とトウモロコシです。広範に栽培されているため、コストを投じて特別な予防対策を取らない限り、隣接する農家の土壌は二次汚染されてしまいます。他にはヒマワリやキャノーラ等があります。

-アジア野菜はどのようなものが取り扱われていますか?

チンゲン菜、オクラ、白菜、かぶら(ハクレイ)、大根等です。ゴボウは以前はありましたが、あまり人気がなかったので今は取り扱っていません。

-なぜオーガニックは値段が高くなるのでしょうか?

農家は認証機関に毎年費用を払わなければいけませんし、種も通常のものより高くなっています。また、農薬を大量に使い、毎年特定の作物を育てている畑が近くにある場合、有機農法の畑に害虫が集中し、収穫量が減ってしまいます。どの作物が有機の条件の元でよく育つのかを把握できるようになるまで農家は試行錯誤を繰り返しますので、最初のうちは収穫量、作物の大きさや見た目がかなり劣ります。従来型農業を行う大規模農家やそのサプライヤーは政府や農業省から助成金を受けています。徹底して純粋な有機農法を行う場合は規模を大きくすることが難しく助成が受けられないため、どうしても価格面で不利になってしまいます。例えばイチゴを例にとると、オーガニックのイチゴを育てるのは至難の業です。あらゆる害虫がイチゴを好みますので、一般の農家は強い農薬を使うことになります。有機農法の基準で使用が認められている農薬は害虫が既に耐性を持つようになったため効果がありません。ですので、オーガニックのイチゴを栽培する際、農家は非常に大きな経済的リスクを負うことになります。農家はそれぞれのノウハウから得られた輪作、混植(栄養の摂取や害虫の防除で互いに助け合える植物や穀物をそばに植えること)、カバーで覆う等の対策に頼って害虫を抑止するしか方法がありません。もし、害虫にやられてしまった場合、種、植付、雑草除去等にかけた全ての投資を失う大打撃を受けてしまいます。このようなリスクを負ってまでイチゴを育てる農家は限られているうえ成功率も高くないため、需要は非常に高く、価格は自然と上がってしまいます。

-特に害虫に狙われやすい野菜や果物を教えてください。

甘さが虫を誘うのでしょうか、たいていの果物は野菜と比べて害虫に弱いです。ですので、まともな品質のオーガニックの果物を確保するのは難しく、できたとしても価格が上がってしまいます。野菜に関しては個別の農家によって異なります。害虫のせいでじゃがいもを育てるのは無理という農家がある一方で、全く問題なく生産できている農家もたくさんあります。レタスは特に害虫の影響を受けやすく、ケールやカラードグリーンのような濃い緑の葉物野菜は受けにくいようです。

過去の秋のバスケットの中身

過去の秋のバスケットの中身

すぐに売り切れてしまうイチゴ

すぐに売り切れてしまうイチゴ