国際結婚と離婚率 | 私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話【第25回】

 これまで私は、国際結婚に憧れている人、国際結婚をしようかどうか迷っている人、国際結婚を決めた人、さらには国際結婚するお子さんのいる親御さんたちに向けて、国際結婚する前に知っておきたい様々なポイントを発信してきました。

 これらのメッセージの大半は、オンタリオ州の婚姻制度に関する情報や国際結婚した方やそのご家族たちの声で、国際結婚に対する私個人の考えをお伝えすることは、避けるよう心がけてきました。それにはこんな理由があります。

 私は、国際結婚も他の結婚同様、どれ一つとして同じものはないと思っています。それぞれ育った環境や家族構成、価値観や性格、そして未来の展望や優先順位の異なる二人の結婚生活は、国際結婚であろうとなかろうとそれぞれがユニークなものだと思います。ですから国際結婚をひとくくりにして語ることのないよう注意を払っています。

 それでも国際結婚を体験した大勢の方々のお話を聞いていると、繰り返し語られるテーマに出会います。また国際結婚は日本人同士の結婚より離婚率が高く、インターネット上で国際離婚の体験談が語られることも少なくありません。そこで今回は「国際離婚の原因」を紐解こうとしたブログポストを紹介しましょう。

国際離婚原因はどこに?

 ドイツに住むこの男性ブロガーは、ボン大学で博士課程を修了しつつある歴史家で、社会評論など様々なポストの中の一つとして、体験者が語る国際離婚原因を「相手」と「種類」の二つの軸で整理することを試みています。

 さて、ここでまず注意したいことは、これらの国際離婚原因は、あくまでも体験者の主観ですので、原因に「自分」が含まれていないことです。ですが、離婚原因になったと考える相手は、自分との関係でのみ浮き彫りにされるのですから、決して自分を棚に上げているわけではありません。

 さらに特筆したいのは、ここにある具体例の大半は、日本人同士の離婚原因として頻繁に挙げられるものであるということです。

 それでは、このブロガーが分析する「国際離婚の離婚率の高さの原因」を紹介しておきましょう。

①言葉の壁や国民性の違いは、実は個人差

 結婚当初、夫との行き違いの原因は「言葉の壁や国民性の違いだ」と考えていた女性たちが、後にそれが「相手や相手の家族独自の問題だった」と気づくことを擁護し、ブロガーは次のように結んでいます。

「そもそも、言語もおぼつかない状態で、相手の家族から「これがこの国では普通だ」みたいなことを言われれば、その考え方や習慣がその家族・配偶者特有のものであってもその国に一般的なものと考えてしまうのは不思議ではありません。」 

 国際結婚体験者の中には頷いている方も多いのではないでしょうか。

②異文化だから相手が理解できない…わけではない

 国際結婚の難しさを異文化のせいにするのはあまりにも簡単です。しかしどんな結婚生活も、互いを理解し合う努力を惜しまないことと、両者の違いを十分に認識した上で家族になる覚悟をすることが必要ですね。この理解と覚悟がなくては、親とのつきあいや子育てなどで新たなハードルが迫った時、乗り越えるのが難しくなります。

 つまり、互いの性格や人間関係、人生観など、結婚にとって一番大切なことを見極める前に結婚してしまうことが、国際離婚の離婚率の高さにつながっているのではないか、とこのブロガーは訴えています。
 
 以上、国際結婚する前にじっくり考えて欲しい大切なメッセージが含まれていると思います。もちろん「結婚する前に」と言い換えていただいてかまいません。


国際離婚経験者のピアサポートグループAPJW(NPO)

apjw.info


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野口洋美 心理学名誉学士(HBA)、コミュニケーション学修士(MA)

オンタリオ州公認パラリーガル、国際離婚経験者のピアサポートグループAPJW(NPO)理事
別居や離婚を経験することになった日本女性の相互支援(ピアサポート)団体(web:apjw.info)の代表として、自立に向けての様々なテーマで勉強会を毎月開催。国際離婚関連の執筆多数。離婚駆け込み寺(日加タイムス)、ひとり親のつぶやき(mamma、日系ボイス)など連載。2014年、国際離婚とハーグ条約をテーマにヨーク大学にて修士論文を発表。法律通訳としても活躍中。