国際晩婚のススメ | 私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話【第31回】

 カナダを訪れるワーキングホリデーの女性たちの多くは、国際結婚にあこがれて婚活に励む、というのはあながち作り話ではないようです。「結婚相手を探しにカナダに来ました」と話す日本人女性を紹介したことがありますね。

 さて、今回はもう少し上の世代に焦点を当ててみましょう。三十代後半、いわゆるアラフォー世代の国際結婚についてです。

アラフォー留学

 ワーキングホリデービザは、若者が働きながら海外経験を得るために設けられたビザなので、三十代には申請資格がありません。ですから三十代でカナダに長期滞在したいと思ったら学生ビザに頼ることになるのです。これがしばしば耳にする「アラフォー留学」の実態なのかもしれませんね。

 もちろん、海外で学位を取得することが目的という方もあるでしょう。しかし、アラフォー留学は、海外に転機を求める大人たちにとって日本脱出のための手段でもあるのです。

 さて、この女性たちにアラフォー留学を決心したきっかけをたずねると「仕事に疲れた」「ステップアップしたい」「人生をリセットしたい」などと答えます。環境を大きく変えることでリフレッシュし、新しい何かを見つけようということなのですね。

結婚適齢期のプレッシャー

 一方、二十代後半でワーキングホリデービザを取得してカナダを訪れる女性も少なくありません。この世代に渡航の動機をたずねると、「ステップアップ」「リセット」「リフレッシュ」など、アラフォー世代とよく似た単語が登場します。

 しかし、他にも二十代の女性がしばしば口にする言葉に「婚活」や「運命の出会い」があります。「同級生や後輩の結婚式に出席するのがしんどくなった」と語る女性もいました。

 日本に今も根強く残っている「結婚適齢期」という観念は、二十代後半の女性たちに大きなプレッシャーを与えるようです。「カナダに来てよかったと思うことは、まだ結婚しないのって言われないことです」と話す人もいました。

 このように、カナダに滞在することで結婚適齢期の呪縛から解放されながらも、やはり結婚相手との出会いを求める、というのがこの世代の特徴なのかもしれません。

運命の出会い

 二十代の女性は、ワーキングホリデーを「海外体験」とみなし「運命の出会い」がない限り日本への帰国を前提としています。これに対し、アラフォー留学の女性の多くは、カナダに移住することを視野に入れており、婚活という言葉を口にすることもめったにありません。

 しかし彼女たちは運命の出会いに背を向けているわけではありません。ただ、結婚というものから少し距離を置き、客観視しているのかもしれません。以下はあるアラフォー・ブロガーの結婚に対するコメントです。

〝なんかヘンな余裕というか、べつにひとりでも困らないかもと思ってました。ただ、結婚というのにはさほどこだわってはいないけれど、今後の人生を一緒に歩きたいパートナーはほしいなぁって思いませんか。やっぱり一生ひとりで生きるのはさみしい、誰かと人生を一緒に歩いて行きたいって。〟(原文のまま)

 このブロガーは、カナダで運命の出会いをし「国際結婚はアラフォー女性にこそ適している」という持論を展開する国際晩婚経験者です。

晩婚と伴侶

 「晩婚の方が、一生連れ添える伴侶を見つける可能性が高く、それには日本人男性ほど相手の女性の年齢を気にしない欧米人男性の方が適している」というのがこのブロガーのメッセージです。

 たしかに、二つの世代の女性たちの結婚に対する考え方には違いがあるようです。二十代が「結婚したい」と望んでいるのに対し、三十代は「伴侶を得たい」と願っているのです。ブロガーはこう続けます。

〝わたしは三十歳前後のころが一番結婚に焦っていました。もう、だれでもどんな人でもいいから結婚してほしいみたいな変な方向に進んでいました。〟(原文のまま)

 周りが重圧をかける結婚適齢期の女性たちにとって、結婚願望は当然のことでしょう。しかしそんな彼女らの思いも時が変えてくれるようです。
 結婚そのものを望みがちだった女性たちが、時を重ねて求めるようになったのは、結婚というステイタスではなく一緒に時を過ごす伴侶なのですね。国際晩婚、素敵です。

参照:http://mirabelle.tokyo/348/


kokusaikekkon160601

野口洋美 心理学名誉学士(HBA)、コミュニケーション学修士(MA)

オンタリオ州公認パラリーガル、国際離婚経験者のピアサポートグループAPJW(NPO)理事
別居や離婚を経験することになった日本女性の相互支援(ピアサポート)団体(web:apjw.info)の代表として、自立に向けての様々なテーマで勉強会を毎月開催。国際離婚関連の執筆多数。離婚駆け込み寺(日加タイムス)、ひとり親のつぶやき(mamma、日系ボイス)など連載。2014年、国際離婚とハーグ条約をテーマにヨーク大学にて修士論文を発表。法律通訳としても活躍中。