MIRAY’S STORY #17

こんにちは、シンガー・ソングライターのミレイです!2013年にインディーズでデビューしEPをリリース、現在トロントを拠点にしています。日系社会においては2006年のJCCC紅白歌合戦に出演以来、新企会、Matsuri Festivalなど多方面で活動しています。連載コラムでは私の音楽だけではなく、日本からカナダへの道のりやニューヨークでの修行道中など盛りだくさんお話したいと思います。

Chapter 17 「プリンス」

4月21日は自分にとって本当に衝撃的な日でした。
その数週間前に彼はトロントでコンサートを行い、チケットを買えなかった事を悔やみながら「また次に来た時は絶対に見に行くわ!」と自分に言い聞かせていたのを覚えています。
今でもまだ信じられないというのが心境。プリンスのカリスマ的存在は、どのアーティストにとってもなんらかの影響を与えていた事に間違いありません。特にソングライターの観点からして彼の生み出したスタイルや音楽なしでは今のポップやR&Bのカタチは存在しないといっても過言ではありません。

私がプリンスの曲を初めて聞いたのは彼が歌っている曲ではなく、彼のカバーを歌っていたマライア・キャリーの「ビューティフル・ワン」でした。小学生の頃この曲を聴き、後々プリンスの曲だった事に気づきました。やはり日本ではプリンスよりもマイケル派が多く、内容も色々とスキャンダラスなだけに、実際の彼の曲を聴くようになったのは高校に入ってからだったでしょうか?当時ドラムのレッスンを受けていて、先生が「この曲をやってみましょう」と言われて習ったのが「Sexy Mother******」でした。色々な意味で衝撃でした(笑)変わった歌だなぁ・・・どんな人なんだろう・・・と思いながら少しずつ彼が作る曲に興味を持ち始めたのです。

大学時代は学校に通う時や勉強している時のBGMは必ずプリンスが流れ、周りの同級生は流行りのポップやEDMなどを聴く中「ミレイの音楽テイストって古いねw」とかも言われてたのを覚えています。(古くて何が悪い!笑)でも彼の音楽は時空を超えていると思うし、最近の音楽にだって彼の影響が滲み出ている。ジャスティン・ティンバーレイクやアリシア・キーズ、ファレルなど現代のアーティストが作る音楽や歌い方のインスピレーションの素はプリンスのスタイルを知る人にとって一目瞭然。彼の曲はとにかくオリジナリティーに満ち溢れていて、どの曲も変わっていて、しかもそのほぼ全てがDIYでセルフプロデュース。ドラムからピアノからギターまで全て自分で演奏。こんな方彼以外に存在するのでしょうか?

奇抜なイメージ以外にも彼の音楽業界に対するスタンスはとてもシビアでYouTubeでは彼の動画が殆ど見れないようになっていて、ネット上誰でも「タダ」で聴けるというのが大嫌いで、「」という存在、そしてその作品をとにかく大事に大事に守り続けてそれを世に伝えようと必死だったのが痛いほど伝わりました。人によってはそれは「欲」に満ちていると思われがちでしたが私はそうではない事、このままではいけない事、音楽に対する価値観のシフトが現代の音楽家・アーティストにとってどれだけ打撃を受けているか。プリンスはそれを10年以上前から予告していたのですから凄いですよね。

彼が亡くなって以来、私は心の中にポッカリと穴が開いたような感じに見舞われ、中々そのショックから抜け出せません。プリンスロスでしょうか。今更になってこんなにも大きな存在だったんだと驚かされます。27種類の楽器を軽々と弾きこなし、パフォーマンス以外にも密かに様々なチャリティーにものすごく力を入れていた事を知り、また更に違う一面を死後に知ってとても寂しく思います。

今考えて見るとプリンスはものすごくスピリチュアルな人だったんだなぁと思えてきます。後々宗教に入っていたのは知っていたけど、よく「アーティストは第六感が優れている」というのを正に象徴する場面があちらこちらに見えてきます。型にはまる事を誰よりも嫌い、本当の自由とは何なのか問いかける。メディアのレビューや動画回数の価値観。同じプログラムで作られる音楽のクオリティー。レーベルのコントロール。真実や本物を語るものは閉ざされる社会。今になって載せられているインタビューを見れば見るほどこの人のいう事は全て的を得ていて無駄な事を一つも発さないプリンス。かっこよすぎます。

あっという間にこの世から去ってしまったプリンス。噂によるとまだリリースしていない曲が何千にもなるとか。彼の存在は亡くなっても彼のスピリットは私たちの心の中に永遠に残るでしょう。そしてこの突然の死をきっかけに彼の考えや価値観がより多くの人達に広まっていく事を願います。
合掌
RIP Prince!


mirays-story-01-03Miray
神奈川県鎌倉出身、親戚にグラミー賞受賞者を持つ音楽家族の元、幼少からドラムとタップダンスを始める。カナダ移住後ジャズやロックバンドでドラムを演奏、吹奏楽部でクラリネットを演奏。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験。ヨーク/シェリダン大学デザイン科専攻卒。在学中にジャズ、ゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属。現在デザイナー&シンガー・ソングライターとして活動中。世界的ドラマーのレニー・ホワイトにも曲を絶賛される。ボニー・ピンクやホリー・コールなどのジュノ賞ノミネートプロデューサー:マーク・ロジャーズと共に新曲作成中。
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