MIRAY’S STORY #20「トロントジャズフェスティバル」

こんにちは、シンガー・ソングライターのミレイです!2013年にインディーズでデビューしEPをリリース、現在トロントを拠点にしています。日系社会においては2006年のJCCC紅白歌合戦に出演以来、新企会、Matsuri Festivalなど多方面で活動しています。連載コラムでは私の音楽だけではなく、日本からカナダへの道のりやニューヨークでの修行道中など盛りだくさんお話したいと思います。


あー暑い!今年の夏は一段と暑いですね!そして湿度も今まで以上で、カナダらしくない夏のようです。今はリオのオリンピックで周りはどこも大盛り上がり。カナダを応援しつつも、やはり自然と日本選手に注目してしまう自分がいて日本のコメンテーターの話が聞けたらなぁと密かに思う今日この頃。

でも今回は以前お伝えしたジャズフェスティバルについてです。そこで突然ですが最近トロントのジャズフェスは果たして「ジャズ」なのか、と疑問の声がニュースや周りの音楽家達からよく聞かれるようになりました。なぜならジャンルがロックやオルタナティヴなどがラインアップによく見られるからです。もちろん、様々な観客を呼び寄せるために幅広い人気を持つアーティストを目玉にするのは当たり前なのですが、果たして「ロックアーティストを目玉にしてジャズフェスと呼んで良いのだろうか?」とニュースでも取り上げられる程。
この記事について取材を受けたミュージシャンの友人は「最近は新しいスタイルのフュージョンや若手ジャズアーティストなどがどんどん増える中、トロントジャズフェスはそれを広めるどころか、逆方向に行っている気がする。」と言っていました。それに頷く人は決して少なくありません。彼が言う「新しいスタイル」はファンクやソール、R&Bヒップホップ、ハウスやエレクトロポップなどのフュージョンジャズです。

特に今年グラミー賞を受賞された人気ラッパーのケンドリック・ラマーのアルバムはラップとジャズのインプロビゼーションをうまく融合させた新しいスタイルに世界中が注目するようになり、他にもジャズ調のスタイルのポップが少しずつだけどアンダーグラウンドから目立つようになりました。そうなのです。今まさに変化の時なのです。結果、この話題をきっかけに来年からはトロントジャズフェスにもっと若手のヒップホップやR&B系などを増やす事を検討しているそうです。

さて、今年のトロントジャズフェスは一番自分が注目していたミュージシャンが来ていてワクワクしちゃいました。ずっと前から「来年絶対トロントにきてくれ!」と願っていたミュージシャンがやっとトロントで演奏が決まった時はもう嬉しくて嬉しくて(笑)。(確か彼のアカウントに「トロントにはいつ来られるんですか?」的なツイートをした記憶が・・・笑)

その彼の名前はラムジー・ルイスです。彼はまさにレジェンドの中のレジェンド。よくホテルの中で聞こえるクリスマスソングのピアノ演奏はおそらくラムジーです。
彼はアース・ウィンド・アンド・ファイヤーの生みの親モーリス・ホワイトとトリオを組んでポピュラー調のジャズを広めたまさに元祖!

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彼の一番有名な曲は恐らくアース・ウィンド・アンド・ファイヤーとコラボの「Sun Goddess」(太陽の女神)。
ラテンジャズの雰囲気と詩のないスキャットのハーモニー。このとってもユニークな曲はどの音楽家にとっても衝撃だと思います。彼のジャズはとても馴染みやすくさりげないポップ感があって聴きやすい、そんなところにとてつもない魅力を感じます。

ラムジーのコンサートでは12歳の天才ジャズピアニスト「ジョイ・アレクサンダー」も演奏されました。おじいさんのラムジーにまだ幼いジョイ。なんとも面白いライナップでした。しかもジョイのトリオは皆子供が演奏していて、でも目を瞑ると演奏しているのがまさか小学生だとは思えない程の演奏ぶりでした。もっと驚いたのがジョイは自分でピアノを学び、1日の練習はわずか1時間ちょっとらしいです。天才ってこういう事なんですね(笑)。

でもジョイのバンドの後にラムジーを聴き比較するとやはりジョイのピアノには幼さがあり、ラムジーは落ち着いた大人の雰囲気が圧倒的に感じられました。そのコントラストも聴けてまた良かったです。合間合間にあるラムジーの曲の裏話はファンにとってはたまりませんでした。ドラムもベースも老いたラムジーの力加減に合わせた弾き方はコントロールがとてもしなやかで、あれほどバランスの良いトリオを生で聴いたのは久々でした。

10月の初めにニューヨークのブライアントパークでザ・ルーツ主催の大きなコンサートが行われる予定です。ナイル・ロジャースやジョン・メイヤー、ディアンジェロなど名だたるミュージシャンやアーティストが演奏し、サプライズゲストも数々登場するらしいのでこれも目が離せませんね!


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神奈川県鎌倉出身、親戚にグラミー賞受賞者を持つ音楽家族の元、幼少からドラムとタップダンスを始める。カナダ移住後ジャズやロックバンドでドラムを演奏、吹奏楽部でクラリネットを演奏。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験。ヨーク/シェリダン大学デザイン科専攻卒。在学中にジャズ、ゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属。現在デザイナー&シンガー・ソングライターとして活動中。世界的ドラマーのレニー・ホワイトにも曲を絶賛される。ボニー・ピンクやホリー・コールなどのジュノ賞ノミネートプロデューサー:マーク・ロジャーズと共に新曲作成中。
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