【TIFF19】9.5開幕!メリル・ストリープからトムハンクス、マット・デイモンまで!今年のトロント国際映画祭、注目の話題作はこちら!|トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部

 今年もトロント国際映画祭(TIFF)の時期がやってきました。今月の「トロントと日本を繋ぐ映画倶楽部」では、映画祭特集としてTIFFの上映ラインナップや今年の見どころをご紹介します。

第44回 トロント国際映画祭
2019. 9/5 – 9/15
公式サイト: tiff.net

今年のラインナップの傾向

 昨年からTIFFでは、#MeTooや#TimesUpの流れを受け、女性の映画製作者による作品ラインナップを重点的に増やしているように感じていました。その流れが加速したのが今年のラインナップではないかと思います。女性の映画製作者のみならず各国言語の各国映画を増やし、さらなる多様化を図った結果が、今年のラインナップに顕著に表れています。

 これまでも、Contemporary World CinemaやDiscoveryといった上映部門では多種多様の各国映画が上映されていましたが、Gala Presentations(GALA)やSpecial Presentations(SP)といった上映部門は、北米・欧州資本の大作映画が中心でした。ところが今年は、GALA・SP部門も、女性監督の作品をはじめとした多様なラインナップとなっています。

 これまでの肌感覚で、TIFFのチケットの売れ行きは有名監督や俳優が携わる北米映画に偏っていた印象があります。北米映画が少し影を潜めたように思える今年の多様な上映ラインナップにより、数少ない北米映画の大作にさらに人気が集中し、チケットが取れなくなるのでは?という点が少し気になります。そんなわけで、気になる作品は早めにチケットを確保しましょう。

注目の話題作

The Laundromat

Special Presentations

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
主演:メリル・ストリープ、ゲイリー・オールドマン、アントニオ・バンデラス

 パナマ文書の流出により明らかになった金融犯罪や汚職事件の顛末を描く。『オーシャンズ11』シリーズや『トラフィック』のスティーヴン・ソダーバーグ監督の新作が、『インフォーマント!』以来10年ぶりにTIFFに登場です。

Joker

Gala Presentations

監督:トッド・フィリップス
主演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

 社会から黙殺された男がバットマンの宿敵ジョーカーとなるまでを描く、ジョーカー誕生の物語。『ハングオーバー!』シリーズのトッド・フィリップス監督の新作はDCコミックス映画で、ホアキン・フェニックスの演技も話題です。

Jojo Rabbit

Special Presentations

監督:タイカ・ワイティティ
主演:サム・ロックウェル、スカーレット・ヨハンソン

 ヒトラーが空想上の友人であるドイツ人少年の自宅に、ユダヤ人少女が隠れていて…という風刺コメディ。『マイティ・ソー/バトルロイヤル』の監督で有名なタイカ・ワイティティ監督が、本作ではヒトラー役を演じています。

Ford v Ferrari

Gala Presentations

監督:ジェームズ・マンゴールド
主演:マット・デイモン、クリスチャン・ベール

 1966年のル・マン24時間耐久レースで、フェラーリ陣営に挑んだ米自動車技術者チームを描く伝記映画。『LOGAN/ローガン』や『17歳のカルテ』のジェームズ・マンゴールド監督による、疾走感あふれる実話の映画化です。

Motherless Brooklyn

Special Presentations

監督:エドワード・ノートン
主演:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ウィレム・デフォー

 トゥレット障害を持つ私立探偵が、師でもある友人の殺人事件を解決しようとする。ジョナサン・レセムの同名小説の映画化。エドワード・ノートンの19年ぶりの監督作で、トム・ヨークが提供する新曲も話題です。

Knives Out

Special Presentations

監督:ライアン・ジョンソン
主演:ダニエル・クレイグ、トニ・コレット、ジェイミー・リー・カーティス他

 富豪の小説家が殺されて容疑者多数、の事件を刑事が解決しようとするミステリー。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督の新作は、オールスターキャストの殺人ミステリーです。

Color Out of Space

Midnight Madness

監督:リチャード・スタンリー
主演:ニコラス・ケイジ、ジョエリー・リチャードソン

 ニューイングランドに暮らす一家を隕石が直撃し、狂乱に苛まれてゆく。H・P・ラヴクラフトのSFホラー短編小説の映画化で、『マンディ/地獄のロード・ウォリアー』など、このジャンルでの活躍が目覚ましいニコラス・ケイジが主演です。

Pain and Glory

Special Presentations

監督:ペドロ・アルモドバル
主演:アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルス

 年老いた映画監督が、不透明な先行きや、厄介事を抱えながらも成功を収めてきた環境に立ち向かう話を、ペドロ・アルモドバル監督自身を投影するように描く。スペイン映画で、スペイン語音声での上映です。

Parasite

Special Presentations

監督:ポン・ジュノ
主演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク

 富豪の家庭に雇ってもらおうと画策する一家の話で、格差社会を描くスリラー&コメディ。ポン・ジュノ監督による韓国映画で、韓国語音声での上映です。今年のカンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールを韓国映画で初めて受賞しています。

Dads

TIFF Docs

監督:ブライス・ダラス・ハワード

 ブライス・ダラス・ハワードが実父ロン・ハワードとともに、ウィル・スミス、ジミー・ファロンら有名コメディアンの逸話を通して現代の父親像に迫るドキュメンタリー。女優ブライス・ダラス・ハワードの長編監督デビュー作です。

Beneath the Blue Suburban Skies

Contemporary World Cinemas

監督:エドワード・バーンズ
主演:ジェニファー・イーリー、エドワード・バーンズ、ブライアン・ワイルズ

 妻であり母である田舎暮らしの女性が、単調な日常やストレスから抜け出すことを願う。軽妙な会話劇で人間関係を描き続けるエドワード・バーンズ監督の新作が、7年ぶりにTIFFに登場です。

A Beautiful Day in the Neighborhood

Gala Presentations

監督:マリエル・ヘラー
主演:トム・ハンクス、マシュー・リス

 ジャーナリストがテレビ番組のホストに取材を重ねるうち、彼の人柄に影響を受け人生が変わっていく。昨年のTIFFで上映された『ある女流作家の罪と罰』(Can You Ever Forgive Me?)も好評だったマリエル・ヘラー監督の新作です。

The Two Popes

Special Presentations

監督:フェルナンド・メイレレス
主演:ジョナサン・プライス、アンソニー・ホプキンス

 2013年に就任したフランシスコ法王と、退任したベネディクト16世の、カトリック教会の行く末をかけた会談を映画化したもの。『シティ・オブ・ゴッド』や『ナイロビの蜂』などで知られるフェルナンド・メイレレス監督の新作です。

Western Stars

Gala Presentations

監督:ブルース・スプリングスティーン、トム・ジムニー
主演:ブルース・スプリングスティーン

 ブルース・スプリングスティーンが最新アルバムを演奏し、人生に思いを馳せる私的なコンサート・フィルムを、ブルース・スプリングスティーン本人とトム・ジムニーが共同監督したドキュメンタリー映画です。

My Zoe

Platform

監督:ジュリー・デルピー
主演:ジュリー・デルピー、ダニエル・ブリュール、ジェマ・アータートン

 シングルマザーとして生きていくことや深い悲しみについての物語。ジュリー・デルピー監督・脚本・主演の第7作目となる本作は、TIFFのコンペティション部門であるPlatform部門でワールドプレミア上映です。

(注)この記事の一部は、著者が自身のTwitterアカウント(@twitMIEX)に投稿した内容を改稿して作成しています。
Photo license: Courtesy of TIFF

みえ

 大阪在住の映画好き。好きな監督の日本未公開作見たさに日本語字幕なしの輸入DVDを見始めたのが約20年前。さらに、未公開の最新作見たさに約10年前からトロント国際映画祭に行くようになり、映画三昧の今に至る。