ナイアガラの滝は世界遺産ではない!?|特集「カナダの“なぜ”に迫る」


ナイアガラの滝って世界遺産だよね?こんな疑問をふと思った事があるはずでは!?
しかし、残念ながら答えは“世界遺産ではない”!

ナイアガラの滝はカナダとアメリカの国境にある滝で、カナダ側のカナダ滝とアメリカ側のアメリカ滝とアメリカ側のルナ島とゴート島の間にあるブライダルベール滝の3つで構成されており、北米で最も水量の多い滝と言われる。

また、世界三大瀑布の1つで世界的に規模の大きい有名な滝だが、同じく世界三大瀑布である「イグアスの滝」と「ビクトリアの滝」は世界遺産に登録されている。

では、なぜ「ナイアガラの滝」は世界三大瀑布の1つであるにも関わらず、世界遺産に登録されていないのか!?

理由その1
滝の水がコントロールされている


 ナイアガラは観光名所として多くの観光客が訪れる場所だが、昔の滝は現在よりももっと下流にあり侵食によって今の位置まで移動したという。侵食が進むと将来的に滝がなくなる可能性があるため、侵食を防ぐために現在は水の量をコントロールしている。以前は年間1メートルずつ上流へ移動していたが、現在では水のコントロールのおかげで年間3センチに抑えられているという。

 また、水力発電所をつくり、カナダとアメリカの電力供給に活用し、世界最大の電力供給源として、様々な産業に影響を与えている。夜になるとナイアガラの滝はライトアップされるが、そこで使われている電気も水力発電所の電力が活用されている。

 世界遺産登録の条件として、産業開発などに関わらず自然本来の形でなければならないという点があり、「ナイアガラの滝は人工でコントロールされているうえに、水を水力発電に利用し各産業にも影響を与えているという点が登録該当外として挙げられる。

理由その2
滝周辺にカジノなど娯楽施設があるため


 ナイアガラ地域は観光業も盛んであるため、カジノやテーマパークのクリフトンヒルといった観光向けの娯楽・宿泊施設が点在する。ユネスコの登録基準として、“自然美=景観美を示す場所、地形と地質=歴史の段階を示す場所、生態系=独自の生態系を表す場所、生物多様性=絶滅危惧種の生息地域を指す”を満たすことが挙げられており、「イグアスの滝」や「ビクトリアの滝」はこの4つの評価基準をクリアし登録されたが、「ナイアガラの滝」は滝の周辺が観光客用に開発され娯楽施設が多く、自然が損なわれているため条件を満たしていないと言われる。

理由その3
国境間にあるため、登録への過程が困難


 カナダ・アメリカ間の調整が難しいという指摘もあるが、「イグアスの滝」はブラジル・アルゼンチン・パラグアイの3国の国境間にあり、「ビクトリアの滝」もジンバブエとザンビアの国境間にあるが、どちらの滝も世界遺産に登録されている。

 国境間にある場合、両国がともに申請をする必要があるとされるが、「ナイアガラの滝」の場合は、アメリカ側が申請をしていないため登録には至っていないという。

 ナイアガラの滝は世界的にも有名でスケールの大きい滝なので、世界遺産だと思っている人も多くいるみたいだが、登録基準は結構厳しく、あくまでも自然の美しさを人工的ではなく、美しいまま残していることが重要なようだ。