[第6回] 結婚vs.コモンロー|カナダ・オンタリオ州公認パラリーガルによる日本語法律相談

第6回 結婚vs.

結婚とコモンローの違いが、配偶者の法的権利に与える影響についてご質問いただきました。そこで今回は、結婚とコモンローの違いについてご説明しましょう。

◆コモンローの法的限界

 
婚姻関係と異なりコモンロー・カップルには、相手名義の財産に対する権利はありません。少し複雑ですが、その理由について説明しておきましょう。

結婚とは経済的パートナーシップであり、婚姻中に取得した財産は誰の名義であっても夫婦が平等になるように分けなければなりません(Equalization)。一方、2017年現在のオンタリオ州のFamily Law Actにおいては、コモンロー・カップルにはこのEqualizationは適応されていません。

したがってコモンローを解消する際、子供の養育費、配偶者サポート以外に財産の分配として金銭のやりとりが発生することは稀です。同居中に得た財産は、その名義人のものとなります。

◆コモンローと内助の功

 
しかしコモンロー配偶者であっても、以下のような場合は財産を請求できます。

① 自分の名義になっている場合(Title Holder)
② 同居期間が長く、仕事を辞めて子育てするなどの行為で内助の功として財産作りに貢献した場合(Joint Family Venture)
③ ローン返済の責任者となるなど、その財産に対する義務を負う意志が明らかであった場合(Intention)

近い将来オンタリオ州でも、BC州のように婚姻関係同様の財産に対する権利が、コモンロー配偶者にも認められるようになると考えられています。そのせいか、裁判官の判決は、コモンロー配偶者の共有財産を認める方向性にあるようです。裁判を避けるための方法としてドメスティック・コントラクトの作成があります。

◆ドメスティック・コントラクト ドメスティック・コントラクトとは、配偶者間で交わされる契約です。同居や結婚、そして別居する際に交わされる大切な契約には、大きく分けて以下の3つがあります。

① マリッジ・コントラクト

 
8月号で紹介したマリッジ・コントラクトはドメスティック・コントラクトの一つで、結婚前あるいは婚姻中に離婚の際の財産の行方やサポート・ペイメントについて決めておくものです。しかし、親権や養育費など、子どもに関することを決めておくことはできません。

② セパレーション・アグリーメント

 
夫婦が離婚を前提に別居する際には、セパレーション・アグリーメントを作成し、配偶者サポート、財産分与、親権や面会交流、養育費などが決められます。

たとえ婚姻関係はなくとも、3年以上同居した配偶者には扶養を受ける権利が発生します。また、子どもに対する義務や責任は婚姻関係にあった夫婦と同じです。ですから、同居関係を解消する際にもセパレーション・アグリーメントを作成し、配偶者間の権利と義務を明確にしなければならないのです。

③ コーハビテーション(Co-habitation)・アグリーメント

コモンロー配偶者間でも、同居前又は同居中に同居を解消する場合の互いの権利と義務について決めておくことができます。これがコーハビテーション・アグリーメントです。そのまま結婚した場合、この契約は、特別な手続をとることなく、そのままマリッジ・コントラクトとなります。

コモンロー・カップルのセパレーションは、たいへん複雑です。下記セミナーで詳細をおたずねください。

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野口ひろみ

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