[第7回] ADRってなに?|カナダ・オンタリオ州公認パラリーガルによる日本語法律相談

Alternate Dispute Resolution(ADR)とその種類

ADRの日本語訳は「裁判外紛争解決」なのだそうです。その名の通り、ADRは、裁判に代わる対立の解決方法として多くの人々に利用されています。ADRの種類としてセトルメント(示談)、ミィディエーション(調停)、アービトレーション(審判)の3つがよく知られています。

◆セトルメント(示談)

訴訟に代わる解決策として最も浸透しているのが、示談交渉でしょう。当事者同士による話し合いや代理人による交渉によって歩み寄り合意に達するのが、セトルメント(示談)です(示談交渉を代理人に依頼する場合の注意点については、本誌2017年7月号をご参照ください)。

さて、示談交渉がうまくいかなかった時、訴訟を選ぶかADRを選ぶかが、次のステップとなります。

◆ミィディエーション(調停)vs.アービトレーション(審判)

ミィディエーションでは、当事者が選んだミィディエーターを介して、当事者が共に同意できる解決策を話し合います。この場合、双方が納得できる決定であれば、必ずしも法を当てはめなくても構いません。また当事者は、ミィディエーターの立会いで話し合われた決定を拒否することもできます。

一方 、アービトレーションでは、法令や判例に基づいて解決策が言い渡されるため、当事者はこの決定に従わなければなりません。これは裁判の判決と同様ですね。ですからこれを、プライベート・トライアルと呼ぶこともあります。

ADRの特徴

当事者が完全に受身の立場に追いやられてしまう裁判と違い、ADRのプロセスでは、当事者の意志がある程度尊重されます。しかしまず、当事者双方が、ADRを行うことに同意しなければなりません。

また、一方が他方を恐れている場合のように当事者同士に冷静な話し合いが期待できない状況では、ADRの採用はふさわしくありません。しかし、両者の間で基本的なコミュニケーションが可能な場合、 訴訟と比べ、ADRには以下のような長所があります。

1. 解決までの時間が短縮できる
2. 手続に関する書類や決まりごとが少ない
3. 当事者の都合に合わせて日程が調節できる
4. 費用が裁判ほどかからない可能性が高い

いかがでしょう。訴訟と異なり当事者の事情や状況によってカスタムメイドが可能なのが、ADRなのです。 次回から数回に分けて、ADRのプロセスを紹介します。次回は、まずミディエーションのプロセスについてです。ご期待ください。

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野口ひろみ

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