[第12回] アービトレーション 2|カナダ・オンタリオ州公認パラリーガルによる日本語法律相談

 裁判に代わるプライベート判決機能としてのアービトレーション、今回はそのプロセスを紹介しましょう。

◆インテイク

 アービトレーションの最大のメリットは、判決を委ねる人を自分で選べることでしょう。裁判当日初めて裁判官と顔を合わせるのに比べ、心理的負担が減りますね。

 さて、インテイクとは、判決に携わる者が事の背景やこれまでの経緯を知るための面談です。同時に依頼者も、大切な判断を任せたい人かどうかを見極めることができます。

 残念なことに、この面談を担当者(アービトレーター)自身が行うことは義務付けられていません。しかし、アシスタントではなく事前に当人と面談できるかどうかは、人選の際の大切なポイントかもしれませんね。

 こうして選んだ人に依頼する際には、何を決めてもらいたいかを明記した契約書を作成します。この時、当事者双方を含む三者が署名しなければ契約は成立しません。

◆代理人の役割

 ミディエーションに代理人を同行しなかった場合、話し合われた内容を持ち帰り弁護士からアドバイスを受けなければなりません。このインディペンデント・リーガル・アドバイス(ILA)は、同意書が法的に有効であるための必須条件です。ILA無しで署名された同意書は、後に裁判で覆される可能性を残します。

 一方、 アービトレーターの判断は拘束力のある判決です。判決プロセスは、裁判と同様に展開され、当事者は、証拠を用いて自分の立場を主張しなければなりません。証拠は、文書のみならず証人を必要とする場合もあります。

 この複雑なプロセスに挑むためには、代理人は欠かせないでしょう。知識と経験に基づいた説得力で、依頼人の主張をアピールするのが代理人の役割です。

◆アービトレーター

 アービトレーターは、提出された証拠を検証し、どちらの主張に正当性があるかを判断します。裁判官同様、双方から示された証拠や前例を検証し判決を下すのがその責任です。

 さて、アービトレーターには、当事者があらかじめ契約書で願い出たことを決定する権限があります。言い換えるなら、契約書にない項目について決めることはできません。これは、契約書作成時の注意事項の一つと言えるでしょう。

 アービトレーションは、判決に至る時間が短縮できることもその魅力の一つです。類似案件の経験を持つ代理人との二人三脚をお勧めします。

 以上は、アービトレーションに関する一般情報に基づいた著者の私見です。それぞれのケースに関しては、必ず弁護士にお尋ねください。


野口ひろみ

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