いまさら人には聞けない!東南アジアの人気ヌードル 基礎情報|特集「カナダのアジアンヌードルを食べ尽くせ!麺活特集」

カナダのアジア料理屋は麺料理も豊富!
「あの麺料理って実際何なんだろう?」を解決!

実は歴史が浅いトロントを席巻するベトナムのソウルフード
フォー

つるつるとした米麺が食欲をそそる ©Tranmautritam


 トロントでも一大勢力となっているフォーはベトナムを代表する麺料理だ。実はその歴史は浅く、20世紀初めに出てきた料理だとされている。ハノイ、またはナムディンで生まれたという説が有力だ。1945年頃にベトナム北部から他の地域へと広がり、1975年のベトナム戦争終結をきっかけに世界中に亡命したベトナム人によって多くの国に広まった。

 フォーには大きく2種類があり、それぞれ「フォー・ボー」「フォー・ガー」と呼ばれており、「フォー・ボー」は牛骨ベースのスープで、牛肉が入っている。一方で「フォー・ガー」は鶏ガラベースのスープで、鶏肉が入っている。

現地の出店で食べる場合は食器に要注意 ©Valerius94


 フォーの特徴は米粉と水で作られた麺。ラーメンを食べるように麺をすすって食べたり、器に口をつけるのはマナー違反で、蓮華に具と麺を乗せて食べるのが正しいとされている。家庭料理的なイメージのあるフォーだが、実際は家庭で作ることはあまりなく、現地では外食する料理という立ち位置だ。そのせいか、「フォーを食べる」が「不倫をする」の隠語となっていることもあるのだとか。

冷たい麺を食べたいときはベトナム料理の新定番
バーミセリ

ブンティットヌンがあれば夏バテも怖くない


 ベトナム料理といえばフォーという人が多い中、いまひそかにトロントではバーミセリブームが来ている。バーミセリは元々イタリア料理で使われる麺類であるパスタのひとつを指す。バーミセリは英語読みで正しくはヴェルミチェッリと発音し、「ヴェルメ」はミミズのような長い虫という意味を持っている。麺の形状が似ていることから東アジアでバーミセルというとイタリアのパスタと同じ細い麺、という意味で使われてきた。

バーミセリは生春巻きに入れても美味しい


 ベトナムのバーミセリは米で作られ、フォーとは違って平たくないため、つるつると食べることが出来るので、熱いスープ麺にも冷たい汁なし麺だけでなく生春巻きの具にもマッチ。中でもこの夏おすすめしたいのはブンティットヌンという冷麺。直訳すると焼肉麺になるのだが、焼いた豚肉の他にハーブやミント、レタスやきゅうりをたっぷりと乗せ、最後にピーナッツをトッピング。食欲が落ちてしまった日はブンティットヌンで爽やかに食事をしてみては?

絶妙な甘辛が癖になるエスニック焼きそば
ミーゴレン

甘辛いソースが絡んだ麺は食べ応え抜群©Stu Spivack


 インドネシアをはじめ、マレーシアやシンガポールで食される東南アジアの焼きそば。「ミー」は「麺」、「ゴレン」は「揚げる」を意味している。

 麺は小麦粉でできた中華麺を使用している。現地では人気の定番料理であり、イスラム教徒の多い地域に合わせて豚肉は使われないことがほとんどだ。 

 ミーゴレンの特徴は甘辛いソース。この独特なおいしさには「ケチャップマニス」と「サンバル」という調味料が決め手となっている。「ケチャップマニス」と聞くとカナダや日本でも使われるケチャップを思い浮かべるかもしれないが全くの別物で、インドネシア語では「ケチャップ」はソース全般を指し、「マニス」には「甘い」という意味がある。味は焼き鳥用の甘い醤油ダレに似た味をしている。一方のサンバルは辛味調味料であり、現地では調味料だけでなく付け合わせとしても食されている。

 ちょっと普段と違った焼きそばが食べたくなったらソースを買ってきてミーゴレンを食べてみるのもありかも?

旨辛にハマる人が続出するスープ麺
ラクサ

暑い日こそ食べたくなる旨辛麺 ©InterContinental Hong Kong on Visualhunt


 ラクサはマレーシアを始め、シンガポール、インドネシアでも親しまれているスープ麺だ。日本でよく見かけるラクサの多くはココナッツカレー味だが、ラクサは地方によって味も麺も大きく変わってくる。この麺が食べられる地域にはムスリムも多いため、豚肉が使われていない麺という事で重宝されている。

 ラクサの語源はサンスクリット語で「多くの」を意味する「ラク」とも、ペルシャ語で「麺」を意味する「ラクシャ」とも言われている。味の系統はカレーラクサとアッサムラクサの2種類がある。カレーラクサは海老ベースのココナッツカレー味、アッサムラクサは魚ベースの酸味が効いたスープとなっている。

美味しいラクサを食べるなら現地の人が行く場所に行くのが◎ ©David Mckelvey


 麺は太くてプリプリとした触感の米麺と優しい味がする黄色の卵麺の2種類がある。麺と絡み合ったスープは最初はまろやかな味なのにじわじわと辛くなってくる、まさに止まらない味だ。

じっくりと食材の旨味が染み出したスープが魅力
牛肉麺

漢方類や豆板醤等をじっくり煮込んだ紅焼タイプの牛肉麺


 牛肉麺と書いて「ニューローメン」と読む中華麺料理。台湾には屋台も多く、家庭でも良く作られているソウルフードとなっている。とても歴史のある麺料理であり、一説では唐時代には既に作られていたとも言われている。

スープが澄んでいる清燉タイプの牛肉麺 ©ClieistD

 スープは大きく分けて「紅焼」と「清燉」の2種類がある。「紅焼」は牛骨スープ、醤油、砂糖、酒、ショウガ、ニンニク、ネギなどを長時間煮込んだもので、豆板醤や漢方類等も入っているため少し辛口だ。「清燉」はというと、醤油や辛いもの、漢方類も入っておらず、牛骨ベースのため色は澄み切っていて味もあっさりとしている。 

 使われる麺も多岐に及び、練った小麦粉を包丁で削って湯がく「刀削麺」、日本でいうはるさめのような「細粉麺」、日本のラーメンとは少し違うが「拉麺」、コシのある「手打ち拉麺」、そしてうどんよりは細くて白い「白麺」がある。
 おすすめの食べ方はまず肉を一切れ食べてからスープを味わい、最後に麺を食べるのが◎。じっくり煮込んでできている麺料理だからこそ、肉、スープ、麺をそれぞれしっかりと味わっていただきたい。

辛いものが苦手な人でも食べられるタイ風焼きそば
パッタイ

タイ料理なのに甘めの味付けが魅力

 タイ料理と言えば辛さと香辛料がつきものだというイメージがあるが、このパッタイは辛くない麺料理となっている。タイ語で「パッ」は「炒める」、「タイ」はタイ王国のことを指しているそうだ。パッタイではビーフンというライスヌードルを使っているのだが、こういったライスヌードルを炒めた料理はアユタヤ王朝時代に中国・ベトナムの商人により持ち込まれた。今のような形でパッタイが確立したのは1930年代に入ってからのことだ。第二次世界大戦後は不況に喘ぐタイの失業対策として国民がライスヌードル製造・調理に従事したことからタイ全土で国民食として定着した。

味の決め手にもなっているタマリンド


 もやしやピーナッツ等を始めとした具材をふんだんに使い、味付けにはヤシの砂糖とタマリンド、そしてフアチャイポーが決め手となっている。タマリンドは東南アジア等の熱帯地方で見られる枝豆のような形をしたフルーツだ。その味は甘酸っぱく、少し癖のある味となっている。フアチャイポーは塩漬けした大根で、日本でいうたくあんとは違った独特の塩辛さが癖になっている人も多いとか。