楓の森の歩き方 第19歩
飛来する鳥たち
暖冬のように思えた今年の冬も、厳しくも美しい冬景色となってきましたね。3月に入りましたが、まだまだ厳しい冬の寒さは続きそうです。今回はこの寒さの中でもしっかりと美しく生きている鳥たちをご紹介しましょう。そして耳を澄ましてみてください、春の訪れを告げるような音が、木々の合間から聞こえてくるかも知れません。
近年、冬のフクロウに出会うためのウィンターウォークに多くの人が参加するようになってきています。森の中で野生のフクロウが『ホー ホー ホー』と静かな優しい声で鳴く声を聞いたことがありますか?
ここ南オンタリオでは6種類のフクロウを観察することができ、オンタリオ州全体では11種類ものフクロウが生息しています。
フクロウは、そのひっそりと佇む風格から「森の賢者」や「森の狩人」などと言われ、カナダでも親しまれています。
その中でもバードウォッチャーたちの憧れのフクロウが、この時期アラスカやカナダ北部から南オンタリオに越冬のため南下してきているのを知っていますか?
雪のように真っ白で美しい白フクロウ(Snowy Owl)です。ハリーポッターシリーズで、主人公ハリーが飼っていたフクロウのヘドウィグが白フクロウです。
南オンタリオに下ってきた白フクロウは、捕食しやすい広い場所で獲物を狙うためにじっと留まっています。主に農地や飛行場、沼地などで観察することができます。
白フクロウは他のフクロウと比べても大きく、全長は50㎝〜65㎝。翼を開いた翼開長は140㎝〜165㎝ほどもあります。
南オンタリオで出会える冬の鳥と言えばもうひとつ、ベニヒワ(紅鶸:Redpoll)を紹介します。北部に餌がなくなってきたら、餌を見つけるためにここ南部に群れで飛んできます。この鳥は比較的小さく、トサカの部分が赤く、胸の部分が薄いピング色なのが特徴です。
今朝、裏庭へクロスカントリースキーに出た時に、群れをなしたヒメレンジャク(姫連雀:Cedar Waxwing)たちと出会いました。木の上で愉しそうに話をしながら、冬の太陽で暖まっていました。秋には私の家のベリー畑を訪れ、その後ナナカマドの実やセイヨウネズの実を楽しみに戻ってきます。
これから春にかけて、木々のどこかからトントントンとリズミカルな音が聞こえてくるかも知れません。その音の方向へ耳を澄ませて、目を凝らして音の主を探してみてください。軽快なリズムで木を突つくキツツキたちに出会えるかも知れません。キツツキたちは、枝や幹にくちばしで穴をあけて器用に木の中の小さな虫を食べていますよ。
さぁ、暖かくしてお散歩に出かけましょう。
木々や電波塔、広い場所での鉄塔の上などを注意深く見てみたり、木々の合間で耳を澄ましてみてください。あなたの日常に中に今まで出会えていなかった鳥たちを見いだすことができるかも知れません。鳥たちとの素敵な出会いがあなたにも訪れますように。
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Holly Blefgen (ホリ―・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
写真/アートワーク/レイアウト : 尾西 知樹 翻訳: 瀬川 貴子