日本全国75種類以上もの銘酒が揃う 小沢カナダが「日本酒イベント」開催

 小沢カナダは9月24日、飲食業界関係者に向けた「Ozawa’s Saké Portfolio」と題した日本酒のイベントを開催した。

 会場には日本から蔵元の方々も参加し、新潟「久保田」「八海山」、奈良「春鹿」、岩手「南部美人」、静岡「若竹鬼ころし」、北海道「男山」、京都・カリフォルニア「松竹梅」、京都「玉乃光」、山形「楯野川」、高知「司牡丹」など日本全国の地酒や梅酒、焼酎などが豊富に取り揃えられた。

 また、当日は酒サムライとしても著名なティモシー・サリバン氏と新川智慈子氏による日本酒セミナーもそれぞれ行われ、数多くのレストラン関係者で賑わった。

地域密着型企業として30年以上にわたり、多くのレストラン・飲食業界関係者と歩む

 小沢カナダは、静岡県産のお茶の輸入からスタートし、今では日本食材や機器の輸入を手がけるほか、日本酒・ウイスキー・焼酎などの輸入でも長い間トロントを中心にカナダでの日本食材・日本酒の販売振興をリードしてきた。

 2012年には日本酒業界の数社とともに日本酒の知識と販売振興のためにSIO(Sake Institute of Ontario)を結成し、カナダ最大の日本酒イベント「Kampai Toronto」やセミナーなどを開催し、日本酒の歴史やその魅力を啓蒙している。

 そのほか、昨年は「愛媛県フードフェア」を開催し、愛媛県産の柑橘類や野菜などの食材を活用した料理と愛媛県の地酒のペアリングを提供するなど、日本各地の食材のカナダでの販売拡大にも努めている。

イベントに参加した「楯野川」の小畑直美さん

〝フレンチやイタリアンなどではまだまだ日本酒は基礎から。ワインと同じように楽しんでもらえることを伝えたい〟

「現在蔵元社長は6代目ですが、大学を卒業して会社を引き継いだ時に、倒産の危機を迎えていました。どうやって立て直すべきか考え、2010年からその一つのチャレンジとして、他社との差別化を図るために、大吟醸で勝負しています。

 現在はヨーロッパや東南アジアにも進出し、カナダでは7年目です。日本食レストランが増えて日本酒の需要も増えています。ただ、日本食レストランに対する知識レベルは上がってきていますが、フレンチやイタリアンなどの全く違うジャンルではまだまだ日本酒は基礎からだと思います。ワインと同じように楽しんでもらえるというところを伝えていければと思います」

「久保田」をブランドにもつ朝日酒造の遠藤好一さん

〝料理とのペアリングを提案し、白人層のファンを増やす〟

「久保田はすでに中華系の方々に認知されており、カナダ市場はアクセスしやすかったです。ただ白人層にはアメリカと比べるとまだまだなので、日本酒単体では浸透が難しいので、お料理と合わせて説明し、広げていく活動をしています。久保田は食事とのマッチングが良く、スムーズですっきりしているタイプは焼肉などと合いますし、柔らかいタイプはお寿司などのデリケートなお料理にしっくりくると思います」

「南部美人」を説明してくれた酒サムライの新川智慈子さん

〝日本酒の飲み方に幅を!酒ハイボールとお燗の魅力を提案〟

「南部美人は一口飲んだ時においしく、ビギナーが笑顔になる太陽のようなお酒です。わかりやすい味が特徴で、基本的に薫り高くフルーティ、トロピカルで香り高いです。それと同時にローカルのお米を大事にしているので、お米の丸みもしっかり残っていてバランスがあります」

新たな日本酒の飲み方として酒ハイボールを提案

「酒ハイボールは、蔵元が昔からしている飲み方です。香り高い吟醸系は開けてから匂いが落ちてしまうともったいないので、復活させるにはハイボールにして檸檬を加えたり、ファンキーになったアロマを復活させてくれます」

熱燗こそ一手間かけるのが文化

「皆さんには、飲み方の幅をもって欲しいですね。カナダは寒いので、お燗はすごく合うと思います。 燗酒はひと手間かけて美味しくいただくホスピタリティの文化です」と語ってくれた。

「玉乃光」深井優吏さん

〝土地土地に合わせて商品を選定していくことが次のステップ〟

「この6~7年間で「Kampai Toronto」などBtoCのイベントを通じて日本酒が啓蒙されてきて、付加価値のある良い日本酒が人気だと感じています。高級酒などはここ数年でカナディアンや富裕層に需要が増えてますね。中国では我々のブランドは有名ですが、白人層やミドル層に向けて、土地土地に合わせて商品を選定していくことを考えています。もっと日本酒の認知度を上げるために、これからも手に取りやすいプレイスメントを増やすことが重要だと思います」

トロント総領事館伊藤尚峰領事

「多くの飲食業界関係者の方がいらっしゃっていて驚いています。セミナーでの日本酒の製造過程や歴史の説明に対し多くの質問が寄せられていたことから、日本酒への関心度がますます高まっていると感じました。我々領事館はいかに日本酒の魅力を伝えていくかのみならず、どのような料理と合うかなども発信していければと考えています。

 小沢カナダさんはカナダ現地で30年以上続く企業です。日本とカナダを日本食材・日本酒というコンテンツでつなげてさらに発展をしていく試みを行っています。イベントをはじめ多くの活動をされていますし、蔵元さんとも常に新たな提案を行っています。我々総領事館もこのような企業をさらにサポートとしていきたいと思っています」

JETROトロント酒井拓司所長

「日本酒を豊富に取り揃えたセクションがあるLCBOが扱うお店がマーカムやスカボローにでき、日本人や中華系に広く浸透しているので、これからさらに非アジア系の方々にももっと認知されることを期待しています。

 今年からカナダでは食品規則が変わり、食品メーカーを取り巻く環境が変わってきています。その中でお酒は規則の範囲外なので、中小の酒蔵・メーカーにとっても参入しやすいと思いますので、ぜひ多くの蔵元にカナダに来ていただけるよう取り組んでいきたいと思います」

小沢カナダ社長 小沢彰太郎さん

小沢彰太郎さん(中央)

小沢彰太郎さん(中央)

ー小沢カナダ単独開催となる「日本酒トレーディングショー」ですね。

 多くの関係者の方々に感謝の気持ちです。メーカーの方々も日本からお越しいただきました。カナダでの日本酒マーケットが広がっているのは皆さんのおかげだと実感しています。拡大した新オフィスに移転して1年半の区切りといういい機会に開催することができて良かったです。

ーLCBOでも日本酒の取り扱いが大きくなるなどカナダにおける日本酒市場は拡大しています。貴社のこれまでのご尽力も大きいと思います。

 小沢カナダに入社し、自分ができることは何だろうと考え、日本酒に力を入れていくことを掲げました。そのほか日本のウイスキーなども含めて、今までに紹介されていなかった日本全国の素晴らしい銘酒を紹介したかった想いがありました。

 7年前には「SIO」を同業の皆さんと発起し、日本酒マーケットの拡大に取り組んできました。今後もさらなるアピールをしていきたいと考えています。

ー本日も豊富な品揃えですが、これだけの種類の日本酒を取り扱っているのも貴社の魅力だと思います。

 ありがとうございます。社員一人ひとりが協力してお客様の嗜好をリサーチし、蔵元の方々もカナダ人の好みにあうお酒を提案してくれていることが支えになっています。

小沢カナダ 小沢健宏さん・小沢寿美子さん

ー今回のイベントを迎えられて心境はいかがですか?

 夢のようなイベントで、実現することができてこんなに嬉しいことはないです。今まで開催したくても場所など様々な問題があったので、今回社員が一丸となって開催することができて本当によかったです。

ー日本酒の認知拡大は、貴社のこれまでの貢献が大きいですね。

 いま世界で求められているものはお酒だと感じています。日本の文化でもあります。小規模でもいいので、できれば今後も開催したいと思っています。

ーさらなる日本酒市場の拡大における今後の課題を教えてください。

 もっともっと日本酒を多くの現地の方々に飲んでもらうことです。例えばまだまだ柚子のお酒を知らない人もたくさんいます。そういった特有のものも紹介していけるようになればと考えています。

Ozawa Canada Inc.

https://ozawa.ca

トロント本社
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