音楽メソッドRCM (Royal Conservatory Music)|カナダで出会う音楽の話【第3回】

 楽しい夏休みが終わり、新学期が始まった。2018年の夏、皆様はいかがお過ごしになられただろうか?あらためて9月に新しく入学された方、新社会人になられた方、カナダに無事に入国された方、おめでとうございます。

 そして保護者の方々の中には、年度が替わった際にお子様を新しい習い事に通わせる方も多いであろう。日本人の親御さんは教育に熱心な方が多く、子供達は日本語学校を始め何かしらの習い事で毎日忙しい。しかもそれぞれを楽しんでいるようで、本当に頭の下がる思いである。

 当音楽教室でも夏休み中だった生徒さんがレッスンを再開されたり、新しくレッスンを始められる方がいらっしゃったりと9月は何かと賑やかだ。生徒さんの元気な姿や歌声、頑張って練習して来てくださる姿勢からは、私どもとしても学ぶことがとても多く、いつも音楽の素晴らしさを再認識させられる。

 実はカナダではRCMという音楽メソッドが主流でレッスンが行われている。日本では鈴木式やカワイ音楽教室、ヤマハ音楽教室などがあって、当音楽教室の講師陣もはるか昔はカワイやヤマハの生徒だったりしたのだが、北米では殆どの方がこのRCMというメソッドに基づいて音楽教育を受けている。

 レベルもプレップを経て1から10まであり、試験を受けて合格すればレベルが上がっていくシステムだ。試験は年に数回、地域によって会場が異なる。ちなみに合格最低点は60点。試験内容は技能試験、理論、初見、聴音などがあり、レベルが上がるにつれて歴史や理論のエッセイなど筆記試験も加わる。確かレベル8くらいから教えることができるはずだが、それとは別にRCMの音楽講師の資格試験もちゃんと設けられている。しかもレベル9辺りからOSAPなどの奨学金システムもオンタリオ州に申請出来るらしい。音大や音楽関係の仕事の際に受ける試験やオーディションでは、かなりの確率でRCMのレベルがいくつかということが判断材料になったりすることから鑑みても、カナダではRCMのメソッドを勉強しておいて損はないのかなとは思う。

 テキストも楽器ごとに分かれていて、それぞれの楽器ことにさらにテクニカル、セオリー、エチュード、レパートリー、初見や聴音などが揃えられている。最近は新しく声楽も加わったらしい。イタセリツクセリである。練習曲はクラシック音楽がメインではあるがコンテンポラリーやジャスなどもうまくレベルごとにアレンジされていたりして実によく考えられている。ちなみにテキスト1冊のお値段は大体18ドル位である。

 とはいえ、難しいことはさておき、まずは楽しく音楽に触れて感じていただく事が大前提。音楽は音を楽しむと書きます、と昔習った先生もおっしゃっていた。音楽を教えるという事は、そのものの可能性と素晴らしさを生徒さんと共有させていただき、音楽に対する愛を一緒に育んでいくということではないのかなと、新学期になり私自身も心新たにしている次第である。


SAYAKA MUSIC STUDIO グリフィス千佳 

 兵庫県神戸市生まれ。モデルを経てライブや舞台を中心に歌手、役者として活躍。2012年に移住、現在はさやか音楽教室で講師を務める。1児の母。