ハロウィンと聞いて思い浮かべる音楽とは|カナダで出会う音楽の話【第4回】

 唐突で恐縮だが、皆様はハロウィンと聞いて思い浮かべる音楽とは何だろう?

 トロントの街がハロウィンのディスプレイで埋め尽くされる今月、我が家でもパートナーとふとそんな話になった。完全MTV世代の彼は間髪入れず〝スリラー!〟と答えて何故か2人で大爆笑してしまったのだが、いやあのアルバムは20世紀における金字塔のひとつであるということで改めて意見は一致。MJを知らない若い世代の方はこの際なのでぜひ彼の偉大なる軌跡を追ってみていただきたい。

 私自身はというと、毎年ハロウィンに必ず観るミュージカル映画が3本ある。1つは言わずと知れたティム・バートンの『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』。あと2つはカルトミュージカル映画の代表作といわれる『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』そして『ザ・ロッキー・ホラー・ピクチャーショー』である。

 私は元々ティム・バートン作品のファンで一時期はフィギュアなども収集していたのだが、正直『ナイトメア~』のクオリティの高さには参ってしまった。キャラクターやセットのデザインの秀逸さが私の心を鷲掴みにし、ファンタジーとホラーの融合がこんなにも愛おしい物になる事に激しく共感した。しかも登場人物達は昔からのアナログ技法で動いているパペットなのだ!

 『リトル・ショップ~』は1986年に公開された。元々1960年公開のB級ホラー映画を元にしたオフブロードウェイの舞台を映画化したもので、主人公を演じるリック・モラリスはトロント出身のコメディアンである。2003年にブロードウェイでリバイバル上演があり、私もたくさんの子供たちに交じって観劇した。古い劇場と演出が見事にマッチして素敵だったのを今でも覚えている。

 そして『ロッキー・ホラー・ショー』である。この作品は1973年にイギリスで公開された。元々は監督のリチャード・オブライエンにより舞台上演された作品を映画化したのだが、試写会ではあまりのカルトさに観客が途中退席したらしい。2016年にFOXが配給したリメイク版はトロントでも撮影が行われた。現在でも世界中でレイトショーや舞台版が上演されているが、カナダでも舞台版がストラスフォードフェスティバルで上演されていて、来月私も観劇出来るのを楽しみにしている。

 最後にもうひとつ。この3作品をお勧めする理由は何と言っても楽曲の素晴らしさだ。私の娘は『ロッキー~』の挿入曲『サイエンス・フィクション』を子守歌にして育った。今年のハロウィンは奮発して、リメイク版のお屋敷のシーンが撮影されたCasa Lomaに、娘と一緒にコスプレをして行ってみようかなと密かに計画を立てている。


SAYAKA MUSIC STUDIO グリフィス千佳 

 兵庫県神戸市生まれ。モデルを経てライブや舞台を中心に歌手、役者として活躍。2012年に移住、現在はさやか音楽教室で講師を務める。1児の母。