年末年始に寄り添う音楽|カナダで出会う音楽の話【第7回】

 新年、明けましておめでとうございます。読者の皆様においては良き新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。昨年は色々とお世話になり本当に有難うございました。お陰様で無事に新年を迎え、本年も益々精進する所存で気持ちも新たにしております。どうぞ当音楽教室をはじめ、何卒ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。 

 お正月はやはり日本人にとって特別なものだ。海外在住組の私にとってもそれは同じで、本当にささやかではあるがおせちをこしらえたり、ここぞとばかりに春の海をはじめとする由緒正しい日本のお正月音楽を自宅でかけたりして、気分だけでもお正月を味わっている。筝曲や雅楽などを聴くと、毎日リビングでネコを追っかけ廻しているような娘も、微妙におしとやかになりいつもより神妙な顔つきでお雑煮などをつっついたりするのだから面白い。音楽の持つ影響力は意外とこんな身近なところで実感できたりするのだ。

 お正月でなくても幼い頃に覚えた歌や楽曲は、いくつになっても忘れないで口ずさみ、奏でることができる。だから文化や慣習を継承するという意味でも、子供達にはぜひ日本語の曲を唄い続けていただきたいと思う。今の時期なら「ゆきやこんこ」「お正月」など、日本には四季折々に合わせたシンプルで美しい旋律と歌詞の童謡や唱歌がたくさんある。そしてそれらの日本の音楽を次世代に伝えていくことは、海外在住組にとって大切なことではないだろうか。

 カナダにも何か年末年始に特化した音楽があるかも…と、トロントで生まれ育ったパートナーに訊いてみた。すると彼はすぐに「オールド・ラング・サイン」と答えた。この曲は日本では「蛍の光」の原曲として知られ、卒業式でよく歌われたり、お店が閉店する時にかかったりする曲だが、原曲はスコットランド民謡で、世界中でカウントダウンイベントやお祝いの席で歌われたり演奏されていて、確かねずみの夢の国でも使われていた記憶がある。あまりにも定番中の定番だったので他に何かないか訊くと、数秒考えてプリンスの「1999」と云われた。2000年という時代が変わったミレニアムニューイヤーイブにやたらとかかっていたそうだ。あまり詳しくは訊かなかったが何かきっと思い出があるのだろう。

 クラシック音楽では、ベートーベンの第九や、ウィーンフィルハーモニーオーケストラのラデツキー行進曲など、胸躍る壮大な楽曲が各国で演奏される。他にも大小関わらず、ライブハウスやニューイヤーコンサートやイベント、舞台やテレビなど、新年をお祝いする人々の心は今も昔も、国や人種そして宗教をも超えて共通だ。そしてそこには、どんなジャンルや形であれ、いつも必ず音楽がある。皆様はこの年末年始、どんな音楽に触れられただろうか。


SAYAKA MUSIC STUDIO グリフィス千佳 

 兵庫県神戸市生まれ。モデルを経てライブや舞台を中心に歌手、役者として活躍。2012年に移住、現在はさやか音楽教室で講師を務める。1児の母。