トロントからロスアンゼルスへ!アメリカ大陸横断旅行記!<ピッツバーグ編1—落水荘>

日本へ帰国してから一ヶ月が経ちました。Ayaです。帰国は10月4日、ちょうど初秋の日本でした。初春から初秋のベストシーズンだけのトロント滞在となり、厳しい冬をこれから過ごす友人達の防寒具の購入の話や寒そう(!)な写真を見るとちょっと淋しくなりますが、人一倍寒がりの私は日本の冬で良かったんだ、と思います。

 少し間が空いてしまいましたが、<ニューヨーク編>の続きをご紹介していきます。どうぞお付き合いください!今回の旅の全日程は、トロントからロスアンゼルスまで。トロント→ニューヨーク→ピッツバーグ→シカゴ→グランドキャニオン→ロスアンゼルス、そして日本へ帰国(10/4帰国済み)。

 ニューヨークをAMTRAKで出発後、約10時間で次の目的地ピッツバーグに到着しました。AMTRAKは遅れる、というもっぱらの情報でしたが、ここまでは定刻通り。安心したのも束の間、ピッツバーグ滞在、いえ今回の旅の一番の目的である「落水荘」へ行くための早朝の列車が3時間の遅れ!この後は噂通り、遅れっぱなしです・苦笑。でも驚いたことに誰も苦情を言わないんです、これが。真夜中の到着がほぼ夜明けの到着になっても!国土が広いアメリカでは、車での移動がメインで列車は皆あまり利用しないとのこと。「落水荘」までのハイヤーの運転手さんは、3時間も駅で待たされていたのにチャージもとらず、謝る(私のせいではありませんが)私に「だから良い列車の開発が行われないんだ、日本にはものすごく速い列車があるんだろう?」と全く気にしていませんでした。私も「落水荘」行きの旅程がタイトなだけで、あとの旅程は別段急ぐこともなかったため、ピッツバーグでの洗礼で一気に慣れてしまいました・苦笑。

 「落水荘」Fallingwaterは、<ニューヨーク編>でご紹介したグッゲンハイム美術館、日本では、旧帝国ホテルの設計で知られる建築家フランク・ロイド・ライト(1867−1959)の哲学が最も具現化されたアメリカ建築最高傑作のひとつです。ピッツバーグ在住のデパート経営者カウフマン氏のために設計されました。1935年にライトによる設計が行われ、最終的に1939年に完成しています。1938年1月には米タイム誌の表紙を飾ったそうです。

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瑞々しい木々の葉が重なり合う豊かな自然の奥深くに「落水荘」はありました。Bear Runと呼ばれる小川がその足元を流れていきます。駐車場やVisitor Centerが現在では整備されているので、一旦その自然は中断されてしまいますが、「落水荘」に向かって歩く時、豊かな自然の奥深くに分け入っていくように感じます。周囲の自然との調和が最優先されたこの邸宅は、設計者ライトの意図によって、コンクリート壁にオークル(黄土色)、鉄骨にチェロキーレッド(赤茶色)の2色しか使われていません。また、ふんだんに使用されている石盤は、全て近郊で採掘されたものだそうです。強調された水平軸と垂直に交差するこの石盤は、「落水荘」がまるで地中から突き出しているかのような錯覚を起こさせます。

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 事前に申し込んだIn-Depth-Tourでは、1階の裏口から真っ先にキッチンへ通されました。そのスケール感は、昭和の団地さながらです。天井高には本当に驚きました。キッチンを通って、ダイニングルーム、メインルームへ案内されたのですが、「落水荘」の部屋の中で最も開放感のあるこの2つの空間でさえ、天井がかなり低いことにすぐ気がつきます。最も低い天井高で約197cmだそうです。水平軸を強調するために、ライトは最小限の天井高に抑制したのではないかと個人的には考えるところです。
全室を通して、ほぼ全てライトによってデザインされた備え付けの棚、デスク、椅子、照明などを通しても、いかにライトが自身の哲学のもと、「落水荘」をまとめあげていったかが伺われます。低い天井高に合わせるように、低い位置を基準とした家具で構成されたメインルームは、日本の居間を思い起こさせます。カウフマン夫妻とその息子カウフマンJr.(ライトの徒弟でもあった彼は、棚など一部をデザインしています。)は、1963年まで「落水荘」を使い続けますが、ゲストルームを含め、ストイックとも言えるその室内は、誰でもリラックスできる、という訳にはいかないように思いました。

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2階のメインテラスは、Bear Run川に大きく突き出し、3階がセットバックしているため、1階のメインルームとほぼ同じ広さが確保されています。広々としたテラスに出ると、まるで自分が自然の中に浮かんでいるような感じがします。下から「落水荘」を見上げると、滝の上に佇んでいるかのように見えるのですが、その佇みの中に自分が居る、という感覚でしょうか。随所で採光のための工夫がありながらも、やはり暗めに感じる室内から、自然へ向けて開放しているような、そんな意図のように思えました。

また、もともとの岩盤を活かし、メインルームの床に組み込んだり、木を切らずにコンクリート梁を迂回させたり、といった自然と共存する工夫がなされていることも記憶に残っています。

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 「落水荘」は旅行者には難易度が高い場所です。というのも、ピッツバーグから車で1時間半、とありますが、これはレンタカーまたはツアーなどを利用した言わばDoor to doorの最短の場合だからです。自然の奥深くに位置する「落水荘」へ、私のように車無しの個人で訪ねるには、ピッツバーグから再度AMTRAKに乗り、コネルスヴィル駅→現地ハイヤー→落水荘、となると思います。プランでは、ピッツバーグ午前5時20分発→コネルスヴィル午前6時59分着、車で約40分、午前8時45分からのIn-Depth-Tourにゆとりを持って到着、という予定でした。列車は3時間遅れたので、午前8時20分過ぎの出発。これではツアーに間に合わないので、一旦ホテルに戻り、「落水荘」に午後のツアーへの変更をお願いするメールを入れました。運転手さん含め、「落水荘」もAMTRAKの遅れに快く対応してくれたので無事見学できましたが、こんなトラブルはお勧めしません。ご興味を持たれたれた方、「落水荘」へは、ピッツバーグ発の日帰りバスツアーかレンタカーをお勧めします!(「落水荘」では、幾つかの見学ツアーが用意されています。人気ツアーは定員次第売切れとなりますので、事前予約をお勧めします。)

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■Youtube www.youtube.com/watch?v=AUq5E8Wf0FQ
■Fallingwater HP www.fallingwater.org

次回、<ピッツバーク編2−市街>をご紹介します。