カナダに駐在する大手日系企業のビジネスマンと留学生が、 就職・転職そしてキャリアについてディスカッション

学生団体PORTAが主催する「座談会」がトロント日本商工会の協力のもと、今回で第8回目を迎えた。毎回好評を博している同イベントはゲストに招かれた駐在員の生の声や経験を聞ける貴重な場であり、また少人数制だからこそ聞きたい質問や疑問をじっくりと話すことができるようになっている。

 座談会にはワーキングホリデーや語学留学者、そしてトロントで学校に通っている方等、様々なバックグラウンドを持っている方が参加し、それぞれが真剣に将来のキャリアについて考えている。

 2月8日に行われたセッションでは、JVCケンウッドの内田美里さん、マツダカナダの野口真希子さん、そして三菱重工エアロスペースの中里巡也さんが参加。3名はパネルディスカッションの他、3つのグループに分かれ、駐在員一人一人が30分間ずつローテーションをする形で各グループを回り、全員が聞きたいことをしっかりきけるよう座談会は勧められた。

パネルディスカッション

“好調に見えるトロントの経済も、しっかり見極める必要がある”

 座談会の冒頭にはトロント商工会専務理事の伊東義員氏からGDPから見たカナダの経済状況、そして今後の展開、オンタリオ州の主要産業、更には一歩深いトロントの経済に関する話があった。カナダはGDPの伸び率からみると現時点ではG7の中でトップではあるが、オンタリオ州の主要産業でもある自動車産業が今後NAFTAによって受ける影響、そして移民によって増え続けるトロントの人口と不動産価格の一方でなかなか上がらない給与等を踏まえると今の経済状況が良いとしても今後はどうなるかは読めないため注意が必要だと述べた。

左:商工会専務理事の伊東さん 右:JVCケンウッド・内田美里さん

“JVCケンウッドの内田美里さん、マツダカナダの野口真希子さん、そして三菱重工エアロスペースの中里巡也さんを招いて、キャリアについてディスカッション”

 伊東氏からの冒頭挨拶の後はパネルディスカッションに移り、挨拶と企業紹介の後、参加者たちが埋めた募集フォームで寄せられた質問の中から今の仕事に就いた理由、海外で働いてみて印象深かったこと、そして日本人としてカナダで働く中で感じたメリット・デメリットを3名がそれぞれの経験を踏まえて赤裸々に語ってくれた。

左:マツダカナダ・野口真希子さん 中:三菱重工エアロスペース・中里巡也さん 右:PORTA代表の鈴木さん

 ローテーション形式の座談会に移ると、参加者たちはビジネスのフォーカス、エンドユーザーについて等のより具体的な業務内容や事業内容、現地採用に至るまでの経緯といった一歩踏み込んだ質問だけでなく、海外で働くための英語はどう勉強していけばよいか、そして海外で働くのに求められる英語力、コミュニケーション力について等今後を見据えた質問が寄せられ、座談会では活発な意見交換が行われた。

 PORTA代表の鈴木さんは毎回企画をする中でどなたを招くかに関しては参加者の声を聞き、伊東氏の協力を得て進めているという。今回はメーカーと一口に言ってもB2CやB2B、そして業界によってさまざまな会社があることを参加者に知ってもらう目的があったそうだ。イベントは終わるごとにポジティブな反応が多い中、今後も駐在者とどう関係をつなげていければいいかなど、積極的な質問をされることもあるそうだ。今後は日系企業に勤めるカナディアンを招くなどしてターゲットをより広めた活動をしていきたいと語ってくれた。

 座談会終了後、PORTAの田崎さんは参加者の年齢層によって働くことに対するイメージの理想と現実のギャップを感じる回もあるため、イベントを通じて良い意味で現実を知り、役立ててもらえばと語った。その中で今回は座談会中も話が途切れずに盛り上がっていたため、真剣に今後を考えている人が集まった印象を受けたという。今後は未定ではあるが、日本人に限定せずに日系企業で働きたい方向けのイベントを考えていると意気込みを語ってくれた。

“日本に帰ってからその成果が認められるようなカナダでの時間を過ごしてほしい”

 長年トロントにいるこのような若者や団体を支援している伊東さんからは若い人達に頑張ってもらうことで社会はつくられていくため、今後もできることには日系企業と足並みをそろえて協力していけたらと語った。また、ワーキングホリデーでカナダに来ている方に向けては英語力を身に着けるのは勿論、ボランティアをするなど何か1つのことに絞って徹底的に向き合い、社会に貢献できるような活動をするなど、日本に帰ってもその成果を認められるような形でカナダでの時間を過ごしてもらいたいとアドバイスをもらった。最後に、これから社会を作っていく若い世代人たちには上司からのプレッシャーに負けず、自分の意見をしっかり言える気概をもってほしいとエールを送り、この座談会を締めくくった。

真剣に話を聞く参加者の皆さん


学生団体PORTA Toronto
facebook.com/porta.toronto

次回講演会は、3月22日(木)開催予定