街全体がレインボー!多様性を育むトロントの一大イベント Pride Toronto 2019|特集 カナダ「LGBTQ+」

毎年多くの参加者でにぎわう『LGBTQ+』の祭典「Pride Toronto」。 今年イベント情報や多くの人が参加する「プライドパレード」の魅力に迫る。

 毎年多くの人々が駆け付け、DJライブやダンスのパフォーマンス、マーチングなどが夜通し大盛り上がりを見せる「Pride Toronto」。その伝統は古く、今年6月開催の「Pride Toronto 2019」で39回目を迎える。6月23日(日)開催のイベント最大の目玉「Pride Parade」を含め、今年も数多くのイベントや魅力が盛りだくさん。

「Pride Toronto」って???

★世界中で注目される社会的・芸術的なイベント

 「Pride」イベントは今やアメリカの各都市やロンドン、パリなど世界中の都市で行われている。トロントで開催される「Pride Toronto」もその一つで、『LGBTQ+』コミュニティの多様性や歴史、そして勇気を祝うために人々が集うイベントである。最近では性やジェンダーの問題に切り込むだけでなく、街の景色がレインボー色に染まるなど、文化的でアーティスティックなイベントとしても世界から注目されている。


▲レインボーに光る「TORONTO」の文字

レインボーカラーのバス

★自身を表現し交流を広げる場所

 このイベントはもともと、『LGBTQ+』コミュニティの存在やそうした人々が直面している課題を社会に発信し支えていく目的で企画されたものである。一方、参加者側としても、そうしたコミュニティを理解・サポートし、アイデンティティを確立して差別に立ち向かうという意図があるようだ。また、参加することで自分自身を自由に表現でき、同じコミュニティの人々の間で交流が広がっているという肯定的な声も数多いという。


▲仮装を楽しむ人々


▲ダンスしながらマーチング

「Pride Toronto」のレガシー

夜も多くの人々でにぎわう

①多大なる経済効果

 昨年のイベントの参加者が交通機関や宿泊施設を利用したり、チケット・フードを購入したりして行った消費活動によって、なんとオンタリオ州の6億8100万GDPに貢献した。イベントは『LGBTQ+』コミュニティを支えるのに加え、オンタリオの経済活動を潤している。

②国や年代を超えて集う参加者

 「Pride Toronto」には、トロントニアンのみならず、アメリカや世界中の地域から人々が集結している。参加者の年齢層も未成年から65歳以上の人々までさまざま。3回以上の参加の人が6割を占めるなど、リピート率も高い。

③ジャスティン・トルドー首相も参加

沿道に手を振るジャスティン・トルドー首相

 2016年、2017年のイベントでは、ジャスティン・トルドー首相が夫人とともにイベントに姿を見せた。顔にレインボーカラーのメープルリーフのタトゥーを施し、沿道に向かって「Happpy Pride」と叫びながら手を振っていたようだ。


▲頬にレインボーのペイント

「レインボーカラー」の秘密

たなびく旗

 「Pride」期間では、街のいたるところでレインボーカラーの旗を見かける。では、なぜこのイベントでレインボーの旗が用いられるようになったのだろうか。

 一説によると、「オズの魔法使い」の劇中で歌われたJudy Garlandの“Over the Rainbow”という歌からきているという逸話もある。しかし、本当の起源は1978年にSan Franciscoで行われた「Gay Freeedom Day Parade」である。当時は8色もあったが、翌年にピンクと水色が消滅し、現在の6色(赤・オレンジ・黄色・緑・青・紫)となった。それぞれの色の意味するところは諸説あるが、赤=Life(生命)、オレンジ=Healing(癒し)、黄色=Sunlight(光)、緑=Nature(自然)、青=Harmony(調和)、紫=Spirit(魂)とするThe Gilbert Baker Estateの説が有力である。

カナダが本当の意味で“多様”になるまでの長い道のり

★様々に分類される『LGBTQ+』のアイデンティティ

 俗に言われる『LGBTQ2+』だが、GayやLesbian、Bisexual、Transgenderだけでなく、QueerやTwo-Spiritedなど、様々なアイデンティティを持つ人々が含まれている。その人々が辿ってきた道は険しいものであったことは想像に難くない。

★社会に受け入れられるまで

 『LGBTQ+』の人々は長く社会に受容されていなかった。1974年にトロントで最初にゲイの権利をサポ―トするためにQueen Stでマーチング「Pride Week」が行われたが、1977年に少年が殺害される事件が起き、次第にコミュニティの抵抗運動も激しくなっていく。1980年になると George Hislopがトロント、オンタリオ州で初めてとなる議員に。1990年代になり、社会の波を受けトロント市が正式に「Pride」イベントを行うようになる。1995年にはトロント市長として初めて、Barbara氏がイベントに参加。2005年には、世界で4番目に正式に同成婚が法で認められるようになった。

「Pride Toronto 2018」レポート

★大盛り上がりのイベント

パーティの模様

 レインボーカラーの旗が掲げられると、それを皮切りに開催期間中にはAGOでのプログラミングやオーケストラによる演奏、トロントアイランドパーティーなどのイベントが行われた。


▲コミュニティのマーチングの様子


▲旗を振る沿道の人々


▲レインボーカラーのフードも提供される

 イベント中は歌やディスコのステージパフォーマンスが目白押し。そして毎年注目を集める「Pride Parade」では、独特な衣装に身を包んだ多数のコミュニティ団体がマーチングを行い、沿道の参加者たちもカラフルな衣装に身を包んで歓声を上げたり旗を振るなどしていた。

マクドナルドもレインボーに染まる

レインボーカラーのフードも提供される

 レインボーカラーを基調としたストリートフードやグッズのほか、マクドナルドなど多くの企業もレインボーを基調としたデザイン製品を提供。

 イベントを通じて参加した人の数はなんと260万人にのぼる。InstagramなどのSNSでも話題を集め、「#pridetoronto2018」や「#prideto」などのハッシュタグで写真や動画などが多数アップロードされた。

★『LGBTQ+』を支えてきた人々や団体が表彰される

表彰されたCasey House

 2019年4月には、『LGBTQ+』を支えてきた昨年度の団体や個人の表彰者が発表された。昨年は「AIDS活動運動」の35周年記念ということで、差別に苦しむHIVやAIDSの患者さんを支えてきた病院「Casey House」が「2018 Honored group」に輝いた。

今年の「Pride Toronto 2019」の見どころ

★「ストーンウォールの反乱」から50年

ストーンウォールの反乱

 今年は、ニューヨークのゲイバー“StoneWall Inn”で警察による襲撃を受けたことを発端とする一連の抵抗運動“Stonewall Riots”(ストーンウォールの反乱、1969年6月28日)が起きてから、50年を迎えるという。また、『LGBTQ+』の運動が生まれて50周年の節目ということもあり、今年のイベントは特に注目だ。運動により命を落としたアメリカのゲイリベラル運動家Marsha P Johnson氏の生涯にスポットライトが当てられる見込みである。

★「Pride Parade 2019」 23日(日)2pm – @Church and Bloor St

 「Festival Weekend」とよばれる21日~23日にかけては、「Trans March」や「DJ Station」、「Family Pride」、「Drag Ball」、「Dyke March」などなど、まだまだ数多くのステージが開催予定。その中でも毎年一番の盛り上がりを見せる「Pride Parade」では、既に200以上の団体がParadeに参加を表明している。Church and Blooor通りからYoung通りを下りYoung and Dundas Squareへマーチングが行われるようだ。

その他編集部注目のイベントスケジュール

①The Freedom Party

 1日(土)7pm-1am @Museum of Comtemporary Art
 rainbow railroadとコラボして行われるイベント初日のパーティ。

②Opening Ceremony

 4日(火)12:30pm- @Toronto City Hall
 City Hallに旗が掲げられるイベント。旗が空に上がる瞬間はインスタ映え間違いなしだ。

③Cabana Pool Party

 13日(木)6pm-11pm @Cabana Pool Bar
 湖の畔のバーで、夕日が沈む街並みを眺めながらダンスを楽しもう!イベントには、RuPaul’s Drag All StarのグランプリMonet X Changeを筆頭に、様々なDJが参加する。

④Till Sunset Island Party

 16日(日)1pm-9pm @Artscape Gibralter Point
 8時間にわたりDJサウンドでパーティ気分ではっちゃけるならここはマスト!BBQやお酒、ダンスなども楽しむことができる。濡れてもいい服装で参加しよう。

⑤TR/ST

TR/ST

 23日(日)6pm-8pm @Fido South Stage
 少しダークでゴスロリチックな雰囲気を楽しみたい方は必見!ポップがミックスされたDJサウンドを楽しむことができる。イベント前には、Drag Queenによるダンスステージも披露される。

⑥Final Party

 23日(日)2pm-10pm @TD Main Stage
 イベントの締めくくりとして外せないのがFinal Party。軽快な音楽に身を包んで夜を踊り明かそう。ショーにはブラジル出身で世界的な活躍が目覚ましいDragのインフルエンサー「Pablo Vittar」も姿を見せる。

Pablo Vittar

詳細情報

Pride Month: 6月1日(土)~6月30日(日)
Festival Weekend: 6月21日(金)~23日(日)
     ※「Pride Parade」は6月23日(日)
開催場所: Church/Wellesley Village & locations across Toronto

・公式HP・Facebookで詳細をチェック!!
http://www.pridetoronto.com/parade/
https://m.facebook.com/PrideToronto/videos
・ガイドブック
https://issuu.com/pridetoronto/docs/prideguide2019_final5_web