スピードスケーター 斎藤麟法さん × マッサージセラピスト青嶋正さん|プロアスリート対談

 今回対談に登場いただくのは、世界ジュニアレベルの試合に出ることを目標に掲げ、数年間に渡り青嶋先生の「TAD式コンディショニング」を信奉する若きスピードスケーターの斎藤さん。

青嶋: スピードスケート始めた理由は?

Rino: 小さい頃からクルマやスキーなどスピードを感じることが好きで、近所にスピードスケートのリンクがあったのがきっかけで、試してみて一回でハマってしまいました。でもジェットコースターとか自分で出さないスピードは苦手なんです(笑)。

青嶋: どうしてスピードが好きなんだろう?

Rino: スピードを感じると、普段と違う世界に引き込まれる感じがするところですね。スピードスケートは風を切る気持ち良さやコーナーでのスピード感が他のスポーツと違ってたまらない感覚です。

〝いつも悩まされるのがボディサイズの差。カナダ人の大きな選手に体力負けして転ばされた試合も何度かある〟

青嶋: スピードスケートについて説明してもらえますか。

Rino: スピードスケートはショートトラックとロングトラックの2種目があります。僕の種目はショートトラックで、4~6人で5百〜3千メートルを競う競技でスピード感があり、大勢でデッドヒートを繰り広げるのでエキサイティングな競技です。

 競技はコース分けされないので、集団で競った時には相手をブロックしたりされたりと、妨害スレスレの争いになります。転倒してコースアウトしたら失格なので真剣な争いです。

青嶋: 転ばされたら、今度の試合でやり返そうとは思わない?

Rino: 思わないですね。自分は相手を押したり、相手に触らないでフェアに試合をこれまでもしてきたことを誇りに思っています。それが本当の強さだと思うからです。

アスリートとして正しい姿勢だが、勝負に勝つため妨害を避ける作戦は必要

青嶋: 妨害対策として具体的にはどのような対策があるかというと、

①相手の動きを予測して妨害をかわす

②周りをよく見て、常に押されないポジションをキープする

③スタートから飛び出てぶっちぎりで勝つ
 
などが考えられるけど、

〝試合で勝つために、今までマイナス要因に捉えていた小柄なボディサイズをプラス要因に変えるのもアイデアだね〟

そこで、

これまで進路をブロックされた時に不利だと思っていたボディサイズの小ささをメリットと考えてみよう

①コーナリングで遠心力を受けにくいメリットを最大限に活かした早いコーナーリングを身につける

②風の抵抗を受ける面積を少ないことを利用した低い滑りでスピードを上げる

③低い姿勢を利用して進路妨害を交わす練習をする

など考えられます。

Rino: これらを実現するためのコンディショニングを教えてください。

青嶋: 了解!今から言うコンディショニングが上手くいけば、今シーズンの試合はだいぶ期待できるね。

①股関節・ヒザ関節・足首関節周辺を最大限に緩めるコンディショニング
   ↓
 スピードを出すために大きな選手に負けないくらい足を伸ばして、前進力を強化して十分なキック力を確保する。

②大臀筋を中心とした腰周辺の筋肉を最大限に緩めるコンディショニング
   ↓
 風の抵抗を避けることと、押されることを避けるために腰を低くするフォームにする。

③胸骨・肋骨周辺を最大限に緩めるコンディショニング
   ↓
 腰を落として胸を圧迫しても呼吸が苦しくならない対策をとる。持久力をアップする。

④肩首周辺を最大限に緩めるコンディショニング
   ↓
 小柄だとコーナー等で進路妨害されやすいが、首の動きをよくして視野を広げて相手の動きをよく見る。

などが考えられます。

TAD式コンディショニングの効果

青嶋: Rinoくんは数年間に渡り「TAD式コンディショニング」をしてきてどのような効果を感じている?

Rino: コンディショニングで身体が楽になることを実感しています。練習効率上がり、大腿四頭筋・腸腰筋が一番効果を感じやすいですね。コンディショニングすることで、スケートに伸びが出て低いポジションが楽にとれるようになっています。先生に教えてもらってコンディショニングの重要性を実感出来たのが大きいですね。

青嶋: 本人から、その言葉が聞けるのは嬉しい限りですね。何年間もうるさいことを言ってきた甲斐があります。良い体のコンディションになってから、周りの選手の練習をみてどう思う?

Rino:周りの選手は筋トレとか負荷をかける練習は好きだけど、コンディショニングする人はいないですね。

青嶋: きっとそこにRino選手が勝つ、大きなチャンスが潜んでるんじゃないかな?これから周りの選手が真面目にコンディショニングを始める可能性は極めて低いでしょ!

Rino:低いと思います。練習後にコーチからストレッチしておくようにと言われても、鼻で笑っている選手も多いですから。

青嶋: ということは、周りの選手が練習をたくさんして身体に疲れが溜まってくるのに対して、Rino選手は頭を使ってコンディショニングも含めて練習していけば、試合で勝つ確率は上がるかもしれないね。

Rino: はい!青嶋先生のところに通っている理由は、世界ジュニアレベルの試合に出るという目標のために、もっと速く滑れるようになりたいからです。そのためにここに来て自分のできない部分のコンディショニングをして貰う必要があるからだと思っています。

 コンディショニングした後は、明らかに体の動きが違うことを実感しているので、試合前は先生にコンディションをみてもらわないと不安というのもありますね。

青嶋: これからも、試合のお守り役も含めてサポートさせてもらいますよ。