感動をありがとう!2019年シーズン波乱の幕開けとエース2人の横顔|特集 トロント・ラプターズ

 まずヘッドコーチを昨シーズン最優秀コーチ賞のドウェイン・ケーシーからニック・ナースに交代し、さらにカワイ・レナードとスリーポイント・シューターであるダニエル・グリーンと引き換えに、ラプターズを長年率いてきたデローザンがトレードされるという衝撃のニュースからスタートした2019年シーズン。ラウリーも怒りを露わにしたこのトレード劇、マサイ・ウジリ球団社長は、 デローザンへ「君を移籍させることはない」と語っていたとも言われる。そしてかつてのスター選手ヴィンス・カーターも「デローザンはラプターズ史上最高の選手だ」と公言していた。そんなデローザンと引き換えに、一年契約という条件でカワイ・レナードを獲得したこのトレードが功を奏すかどうかはファンの間でも大きな話題となった。

 見事にNBAファイナルを制したラプターズだが、デローザンのトレードに憤慨していたというラウリーに、カワイの方から「君が怒っていることは知っている。でも一緒にうまくやっていこう」と声をかけていたというストーリーや、ウジリ球団社長がチャンピオンに輝いた記者会見で、「ケーシー元HCとデローザンに敬意を」と語った瞬間は喜びとともに多くのファンがきっと救われた気持ちになったことだろう。

カワイの去就から目が離せない

 様々なファンからのメッセージが飛び交う中で、一番多くのサポーターが口にしていたのはカワイ・レナードに再契約してもらうこと。一年の契約になっており、2019年FAになる。そのため彼は自由に移籍先を決めることが出来る。今回ラプターズに優勝をもたらした彼にはトロント市民として是非ラプターズと再契約してほしいところだ。ちなみに移籍先の候補としては彼の出身地であるロサンゼルスがあげられている。ロサンゼルスにはレブロン・ジェームズ率いるロサンゼルスレイカーズ、ロサンゼルスクリッパーズの2チームが存在する。オフシーズンの一番の注目となっている話題。すでにレブロン・ジェームスが彼にコンタクトをとっているという噂もある。

カワイ・レナード(Kawhi Leonard)

 チーム一の得点数、リバウンド数を誇る。米国カリフォルニア州ロサンゼルス出身で4人の姉と共に育ち、アメリカンフットボールで活躍するスティーヴ・ジョンソン選手を従兄に持つことでも知られている。

 カリフォルニアのキャニオン・スプリング高校からリバーサイドのマーティンルーサーキング高校へと転校してからスター選手へと成長していったカワイ選手。高校最終学年になるとカリフォルニア州で一番の高校生バスケットボール選手に贈られる“Mr. Basketball”賞に選ばれる。10代で父を亡くした彼の右腕にはお父さんの冥福を祈る“R.I.P. Dad”というタトゥーが彫られている。

 2012年にはNBA オールルーキーファーストチームに選ばれ、新人賞にも輝いた。2015年から3年連続でNBA最優秀守備選手賞を受賞。1シーズン中のNBAファイナルMVP、オールスターゲーム出場、最優秀守備選手賞の受賞はNBA史上まれに見る快挙で、マイケル・ジョーダン氏、アキーム・オラジュワン氏に続く3人目の偉業。私生活では2016年に第一子となる長女が生まれ一児のパパ。

 普段笑顔を見せない彼も優勝インタビューでは「優勝するためにラプターズにきた。チーム全員がMVPにふさわしいよ」と満面の笑みで応じていたのが印象的だった。

カイル・ラウリー(Kyle Lowry)

 米国ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。子どもの頃に両親が離婚し、母と祖母に育てられる。母は幼い子ども二人を育てるために仕事をかけもちし、フィラデルフィア北部のスラム街には近づけないよう気をつけていたという話も。

 子どもの頃から運動神経が良く、ある時、当時のカーディナル・ドウアティー高校バスケットボール部のアシスタントコーチの目に留まったことからユースリーグに参加、のちに同高校へ進学することに。2004年にはペンシルバニア州高校最優秀選手賞を獲得。「Rivals.com」では5つ星リクルートとして絶賛されるなど、注目選手となる。ビラノバ大学に進学すると1年生からビッグイースト・オールルーキーチームに参加し、フィラデルフィアでトップ5に入る大学バスケットボール選手に贈られるビッグファイブ新人賞に選ばれるなど活躍を続ける。

 2009年ヒューストン・ロケッツへの移籍を経て2012年からラプターズでプレー。2016-2017シーズンには60試合に出場し、自己最多となる各試合22.4ポイントの得点をあげる。2016年に開催されたリオ・オリンピックではアメリカナショナルチームの一員として金メダル獲得に貢献。

 私生活では同じ高校でバスケットボール部に所属していた女性と結婚し、二人の息子がいる。2013年には夫妻で“Lowry Love Foundation”を設立し、恵まれない境遇にあるフィラデルフィアやトロントの人々の生活改善を実現させるための活動もしている。