エキスパートに聞く!トロント市場における日本酒の認知度は?

Zoltan Szaboさん (Wine Writer & Sommelier)

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15年ほど前に私が初めてトロントの雑誌でドリンクプログラムを担当した際、日本酒は人気ではなかったし、読者の知識も少なかったです。しかし今は様々な日本酒が市場に出回り、多くの人が日本酒を楽しむようになりました。

特に若い年代にも飲まれているのが嬉しいです。さらに現在ワインソムリエの試験に日本酒が含まれており、世界的に日本酒が認められてきた証だと思います。今後は日本酒の味はもちろん、日本酒の文化や歴史、作り方などの背景も知識として広まっていくと思います。

David Beauroyさん (Wine/Sake Trade)

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これまでにトロントの日本酒市場は拡大してきていますが、まだまだ発展していくと思います。日本食ビジネスが増え、居酒屋が増えることで寿司以外のあらゆる日本食と日本酒を一緒に試せる機会が増えているのがきっかけでしょう。

さらに西洋系のレストランでも、現在のトレンドで日本酒を含めた様々な国のアルコール類を置くようになってきているため、一気に興味を持つ人が増えていくと思います。

Tod Stewartさん (LCBO Operations Analyst for Private Ordering)

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しばらく前に私が初めて日本酒を飲んだ時は熱々の飛び切り燗のようなもので、当時は美味しいとは思いませんでした。私がきちんと日本酒を飲み始めたのはここ1、2年のことですが、その間にも日本酒の種類は大きく増え、質が良くバラエティー豊かな日本食が増えたとこも日本酒認知に貢献していますね。

現在は日本酒というひとつのカテゴリーとして認知され、今後のトロント市場でも非常に大きな可能性を秘めていると思います。また日本酒は日本食だけではなく、チーズなど西洋の食べ物ともとても相性が良いですし、一本のお酒で冷と燗それぞれに合わせて違う食べ物を楽しめるところがワインと異なり、多彩で興味深いです。

Michael Tremblayさん (National Sake Sommelier、Ki Modern Japanese + Bar)

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過去3回とも審査員を務めましたが、良質な日本酒がどんどんトロントに入ってきているため、年々厳しく、手応えのある品評会になっています。最近は日本酒について知識がある人が増え、私自身とても影響を受けていますし、様々な場所でSakeセミナーが行われるなど日本酒について学べる場も増えてきており、トロントでの日本酒市場の成長が非常に楽しみです。

特にMarkhamにオープンしたProduct of the WorldのEast Asia店がトロントの日本酒市場拡充を一気に進めていくでしょう。

SIO代表小澤彰太郎さん (OZAWA Canada)

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日本酒が少しずつ理解され、認知度が上がり素直にうれしいです。LCBOでも日本酒のラインアップが増えており、特に今年の4月にはMarkhamで東アジアに特化した店がオープンし、複数あるエリア特化したLCBO店舗の中でも東アジア店が一番の売り上げを記録していることが日本酒の注目度の高さを物語っていますね。

是非今後はアジアというくくりから抜け出し、日本酒がより多くの人々に手に届くように更に進展してほしいです。

SIO VP Knowledge & Education 田尻真利子さん (That’s Life Gourmet)

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やはりバンクーバーの方がより日本酒が一般に浸透していると思いますが、トロントの方が日本酒に対してオープンマインドな印象を受けます。アジア人の多いバンクーバーではどうしても“アジア”一括りにされてしまいがちですが、LCBOでは日本酒を一つのカテゴリーとして捉え、仕入れてくれるのでトロントの方が品揃えが良いです。

1本の日本酒を様々な温度で楽しめ、多彩な表現ができる点をアピールしながら、より市場を開拓していきたいですね。

宮下真尚さん (Kado Enterprise)

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奥の松のようにひとつのブランドを確立したお酒もある一方、今は多くの種類の日本酒が市場に入ってきて、消費者の理解や認知が追いつかない少し飽和状態な印象も受けます。また人気のブランドに関しては入荷するとファンの方がリピートして購入してくれるので、すぐ売り切れになってしまい、なかなか新しい客層まで出回らないのが現状です。

ただ未だにワインのシェアが圧倒的に多いので、もっと日本酒が日常的に飲まれるようになることでトロント市場の拡大も十分に可能性があるでしょう。