【After 3.11 Interview】JCCC基金委員長 シャリ・ホサキさん

支援を止めることなく、続けていく。
子供たちに焦点を当てた支援活動をこれからも行っていく。

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JCCC基金委員長 シャリ・ホサキさん

日系文化会館の姉妹団体である日系文化会館基金(以下:JCCC基金)は、昨年3月2日に行われた春祭り会場にて東北大震災での地震、津波、原発事故の三重苦災害被害者に向け、150万ドルの支援プロジェクト(JERF)を行うことを発表。このプロジェクトは震災直後にカナダ赤十字を通して送られた義援金10万ドルに加え、「地方自治体への支援」「大学奨学金制度」「在日カナダ大使館の“Hope for Youth”プログラムへの協力」という3つを柱にして、被災地への、特に子供たちに焦点を当てた支援を行っている。JCCC基金委員長のシャリ・ホサキさんにプロジェクトの進捗状況や、本プロジェクトにかける思いを伺った。


掲げた3つの柱となる事業の進捗状況は良好

まず「地方自治体への支援」では、現在被災地3県それぞれの被災児童学生救援基金へ10万ドル寄付を行う最終調整をしています。
二つ目の「大学奨学金制度」では、今年度奨学生の選定が完了し、それぞれの学生に無事奨学金が授与されました。奨学金制度の調印は岩手県立大学、東北大学、福島県立医科大学、東日本国際大学の4大学と交わしましたが、東日本国際大学は今年度、残念ながら奨学候補生が見つからなかったため、同県である福島県立医科大学で二人に奨学金を授与しました。東日本国際大学は原子炉からとても近い位置にあり、他地域とはまた違った困難な状況が今なお続いているためです。来年は4つの大学それぞれに奨学金を授与できればと願っています。
3つ目の「在日カナダ大使館の“Hope for Youth”プログラムへの協力」ですが、 5万ドルを在日カナダ大使館に寄付。この寄付金は日本の学生たちがカナダを訪れ、英語や文化学習を行うために使われます。

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東北大学との奨学金制度調印場面

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岩手県立大学代表との面会


『KIZUNAプロジェクト』に参加したトロントの学生たちがチャリティイベントを開催、JCCC基金を通して寄付

また、上記3つの柱となる事業のほか、昨年には、外務省の『KIZUNAプロジェクト』(東日本大震災被災地と他国の高校生が互いの国を訪れ、文化や被災地の現状などを学ぶプロジェクト)に参加したトロントのMalvern Collegiate Instituteの学生たちが、6月19日にチャリティイベント『KIZUNA NIGHT』を開催して被災地への寄付を募った際、集まった寄付金をJCCC基金JERFプロジェクトを通して寄付してくれました。彼らは試験期間中にも関わらずこのチャリティイベントを開催し、日本で撮影した美しい風景写真や日本のハンドクラフトを販売、ダンスや太鼓のドラミングなどで、約4,000ドルという一人の奨学生への授与額とほぼ同額にもなる寄付金を集めてくれたのです。この素敵なイベントにJCCC基金が関わることができたことを、とても嬉しく思います。

昨年2月の日本訪問が、プロジェクトを継続させていかなければならないという使命感を抱かせる

在日カナダ大使館主催の『日加リーダーシッププログラム』に参加し、私は昨年2月に日本を訪れました。日本滞在中には、それぞれの道で地域復興に取り組んでいる大学関係者の方々から被災体験を伺う機会があり、その悲惨な状況下においても懸命に生きていこうという人間のとてつもない強さに私は強く心を打たれました。また、多賀城市を訪れ、仮設住宅を訪問した際には、多くの方が新しい住居に移ることができるようになるのには相当の時間がかかることを感じました。そういった現地で感じたことが、私にこのプロジェクトをもっと続けていきたい、続けて行かなければならないという気持ちに向かわせ、決してこの震災を忘れてはいけないと強く感じたのです。
さらに、旅の最後には、我々と奨学金制度を調印した4大学を訪れ、各代表の方々とも面会することもできました。自分たちが支援する先にいる方々と直接お会いできたというこの経験は、さらに支援への気持ちを後押ししています。震災から約3年が経ち、メディアの報道やチャリティイベントの開催なども少なくなっていますが、こうして海外からでも支援の手を休めることなく、続けていきたいと強く思っています。
我々JCCC基金では出来る限りこのプロジェクトを続けていくために、現在も寄付を受け付けています。継続した支援をしていくために、みなさんにご協力いただければ大変ありがたく思います。


シャリ・ホサキ
Canadian Instituteのマネジメント・ディレクター。ブリティッシュコロンビア大学・ウェスタンオンタリオ大学で学び、弁護士としてのキャリアは20年以上。国際的事案でも数多くの経験を積んでいる。JCCC理事、そしてJCCC基金委員長としても知られる。
JCCC HP:www.jccc.on.ca