トロントの冬に巻き起こる熱いスピーチバトル 第36回 オンタリオ州日本語弁論大会 開催

3月3日(土)トロント大学メディカル・サイエンスビルディングにてオンタリオ州日本語弁論大会実行委員会が主催し、在トロント日本国総領事館、国際交流基金が共催するオンタリオ州日本語弁論大会が開催された。

今年で36回目となるこの弁論大会は1983年から始まり、カナダの日本語弁論大会で最も歴史が深く、オタワ地区以外のオンタリオ州に住む日本語学習者が初級、中級、上級、オープンという4つのカテゴリーに分かれ、日本語でのスピーチを披露する。

大会はカナダ三井物産株式会社やToyota Canadaを始めとするオンタリオ州に拠点を置く日本企業や、トロントと姉妹都市提携を結んでいる神奈川県相模原市、そして新企会などの支援を受けて開催されている。今大会には各語学教育機関から選ばれた39名が出場し、それぞれが日本語で見事なスピーチを披露した。

審査員はカナダ三井物産株式会社の宮本史昭社長、国際交流基金トロント日本文化センター清水優子所長、弁護士のスティーブン・ケネディー氏、ブロック大学の成島美弥准教授、そしてふれいざー・トロントの森田編集長が務めた。

出場者たちの努力が光るスピーチ

スピーチの内容は基本的に自由であるものの、内容にはなんらかの形でカナダと日本を織り込むことが望ましいとされている。また、出場者たちは基本的に日本語学習者向けの大会であるため、家庭内での日本語話者の有無や日本語学習機関、日本滞在期間も出場要件に含まれてくる。

出場者たちは体全体を使って自分たちの想いを表現したりする人や、スマートフォンとイヤホン等の道具を使ってより分かりやすくスピーチを伝えようとしたりする出場者もいた。出場者たちは日本人でも簡単には思いつかないようなきれいな表現を使い、その想いを懸命に伝えようとしている熱意がひしひしと感じられ、思わず目頭が熱くなってしまう素晴らしいスピーチばかりだった。

左:最優秀賞に輝いたエリー・リーさん 中:上級で1位になったギャビー・リッカーさん 右:初級で1位になったアンドリュー・クリステンセンさん


今大会の初級、中級、上級の3部門で第一位に輝いた出場者は3月24日(土)にアルバータ大学にて開催されるカナダ日本語弁論大会という全国大会への出場が決定している。二位、三位に入賞した出場者たちには企業がスポンサーとなっている奨学金が贈られ、残念ながら一位にはなれなかったものの、特別賞や努力賞、ユーモア賞等も各部門で贈られた。また、今大会で賞を受賞した出場者たちの原稿が載った文集はOJSCのウェブサイトにも今後掲載されるため、是非ともチェックしていただきたい。
OJSCホームページ:buna.yorku.ca/ojsc/

出場者の緊張をほぐすイベントやパフォーマンス

弁論大会当日はNihongo Circleによるブックフェアも開催され、出場者も含めた来場者たちが日本語の参考書や観光に関する本、そしてアニメグッズを手に取って楽しそうに選ぶ姿も見受けられた。

また、大会の途中にはハーフタイムショーも用意されており、柳谷東三楼氏による落語公演や発心会による杖道のパフォーマンス、そしてChuraによる歌と三味線の演奏が行われた。緊張した面持ちだった出場者たちも日本に関連したパフォーマンスを見たことで少し緊張がほぐれたような面持ちになっていたことが印象的だった。

今年も大きな盛り上がりを見せたオンタリオ州日本語弁論大会。出場者たちの今後の活躍を祈るだけでなく、今後も日本語教育を広めるのに大きな役割を果たしている大会が来年もカナダの寒さに負けない熱いものになることに期待したい。