ウイスキーマスター Davin de Kergommeaux氏

心ゆくまで酔いしれたい
カナディアン・ウイスキーであたたまる
世界で活躍するウイスキーマスター
Davin de Kergommeaux氏
インタビュー

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Whisky MagazineやWhisky Advocate Magazineをはじめ、様々な雑誌、専門誌で活躍しているDavin氏。歴史や成り立ち、100種類以上のカナディアン・ウイスキーの紹介が載っているCanadian Whisky: The Portable Expert 著者でもあるDavin氏に、 カナディアン・ウイスキーの魅力を語ってもらった。

■ Davin氏はワインのソムリエでいらっしゃいますが、カナディアン・ウイスキーに魅了されたきっかけは何ですか。

davin-de-kergommeaux-03実は以前からワインよりウイスキーの方が好きだったのです。ソムリエの勉強を始めたのも当時ウイスキーのテイスティングのコースがなかったからという理由です。その頃のクラスの仲間達の多くも、ウイスキー好きが多く、クラスの終わった後によくみんなでウイスキーを飲んだものです。

原料や作る場所、作り方など、カナディアン・ウイスキーとその他のウイスキーとの違いを教えて下さい。またカナディアン・ウイスキーの定義とは何でしょうか。

カナダでは、醗酵、蒸留、そして、穀類を熟成させる工程を、各原料ごとに分けて行います。そこが、他国のウイスキーと違う点でしょう。つまりトウモロコシや大麦、ライ麦や小麦のウイスキーなど、原料となるそれらの穀類に最も適した製法をとっているのです。そして、熟成が済んだ後、それらをブレンドし、最終工程に入ります。ほとんどの国では、たとえ違う種類の穀物でも、分けずにMash Billと呼ばれ全て一緒に混ぜ入れ、今お話ししたような工程を進めていくわけです。

そしてもちろん、カナディアン・ウイスキーとはカナダで作られた、メイドインカナダであること、そして最低でも3年か多くはそれ以上、樽の中で熟成させたものを指します。

■ カクテルの場合、どのようにウイスキーを使い分けますか。

それはカナディアン・ウイスキーについて、知識のあるバーテンダーであるかどうかによって変わってくるでしょう。今までは、木や穀物、果物などマイルドなウイスキーの味わいを加えるためにカクテルに使用されてきました。

davin-de-kergommeaux-04今までのカクテルでは、あまりウイスキーの味が強調されていませんでしたが、最近ではバーテンダーにより「一歩先行く」ウイスキーの風味を最大限に活かしたカクテルをカナディアン・ウイスキーを使って考案されています。

通常のウイスキーとスパイスウイスキーではもちろん味に違いはあるかと思いますが、よく使用されるスパイスやその味の違いを教えてください。

スパイスウイスキーは、通常ウイスキーが初めから持っていない香りや味を足すものですが、カナダではウイスキー自体が初めから持っている風味や香りをより強くするために、スパイス等のフレーバーを足していますね。多いのはほのかな甘みや、ピリッとしたスパイス、例えばクローブやシナモンの等です。または、果実の風味を足してよりフルーティーな味わいにすることもあります。

■ ロックやストレート、カクテル等、カナディアン・ウイスキーのオススメの飲み方はありますか。

カナディアン・ウイスキーはどんな飲み方でも美味しく飲めます。どんな時に、どのようにウイスキーを楽しむかはあなた次第。だから、カナディアン・ウイスキーの「正しい飲み方」というのはないのですよ。

例えば夏の暑い日、氷や冷えたジンジャーエールを加えてみては?最高に美味しいカクテルになりますよ。キャンプファイヤーを囲んでブリキのカップで飲むもよし。もちろん、そのままストレートで、テイスティンググラスを使って飲むのもまたよし。とにかくどんな飲み方でも楽しめるでしょう。

■ カナディアン・ウイスキーを使ったカクテルのレシピを幾つか教えていただけますか。

マンハッタン
材料:ベルモット 1oz
ビターズ 少々
カナディアン・
ウイスキー 2oz
氷 2、3個
チェリー 1個(缶詰のもの)
ツイストさせた
オレンジの皮 1

  1. ミキシンググラスに、ウイスキー、ベルモット、ビターズ、氷を入れ。静かにかき混ぜる。
  2. 冷やしたカクテルグラスにチェリーを入れ、1を注ぐ。
  3. グラスの縁にオレンジの皮をこすりつけ、グラスの上で皮を絞り風味を足す。

ウイスキーサワー
材料:カナディアン・
ウイスキー 1 oz
レモンジュース 3/4oz
シロップ 3/4oz
氷 2、3個
チェリー 1個(缶詰のもの)

  1. シェイカーの中にウイスキー、レモンジュース、シロップ、氷を入れる。
  2. よくシェイクし、氷を入れたカクテルグラスに注ぐ。
  3. チェリーを入れる。
■ TORJA読者に、カナディアン・ウイスキーの楽しみ方等、何かアドバイスをお願いします。また、Davinさんが今1番お気に入りのウイスキーと、その飲み方も教えてください。

あまり深く考えず、とにかく楽しんで飲んでください。ストレートでも、カクテルでもロックでもどんな飲み方でも大丈夫です。大切なことは、一緒に飲む仲間たちと楽しく過ごすこと。そう力まずにね。きっと飲んでいるうちに、自然と楽しい気分になるでしょう。

沢山のお気に入りのウイスキーがありますが、そうですね、今はGooderham & Wortsをナンバー1としておきましょうか。それに続いてGibson’s Venerable, Forty Creek Three Grain Harmony, Crown Royal Northern Harvest Rye and Crown royal Limited Edition. それから Wiser’s 18 year old, Ninety 20 year old, Canadian Club 20 year old, Lot No.40, Pike Creek, Collingwood Rye, Canadian Club100% Rye, Masterson’s, Forty Creek Double Barrel, Confederation Oak, Alberta Premium Dark Horse. まだまだ続きますよ…


Davin de Kergommeaux 
canadianwhisky.org

オタワ在住。ウイスキーエキスパート。Whisky MagazineやWhisky Advocate Magazineなどでレビューやコラムを執筆している。カナダ国内のみならず、アメリカ、ヨーロッパと世界中で活躍している。またウイスキーのテイスティングレッスンを開催するなど実践的な講習も行っている。


davin-de-kergommeaux-02Canadian Whisky: The Portable Expert

2012年に出版されたカナディアン・ウイスキーの全てが詰まった一冊。カナダの歴史と合わせてカナダウイスキーの歴史、作り方、地域による味や作り方の違い、そして100種類以上のテイスティングノートが収録されている。パリで行われる170カ国以上の美食本コンテストでアルコール部門3位に入るほどの内容は一見の価値あり。