Dr.真美より人生のデリシャス処方箋

1人ひとりの輝く美しい健康を応援する認定自然医師、Dr.真美より人生のデリシャス処方箋
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認定自然医師として日本と北米で多くの経験を培ってきた石井真美さん

酸いも甘いもある、そんな人生を生きていくうえで悩みは常につきまとうもの。学生、社会人、リタイア生活と、立場は違えど、それぞれがそれぞれに悩みを抱えながら日々暮らしている。

ここではDr.真美こと、ナチュロパシック・ドクター、石井真美さんからの人生をより良く、過ごしやすく生きていくためのアドバイスをご紹介していこう


Dr.真美の提唱する「デリシャス・モーメント♪」
カウンセリングルームにはハーブティーや緑などが置かれた癒しの空間が広がっている

カウンセリングルームにはハーブティーや緑などが置かれた癒しの空間が広がっている

人は大人になっていく過程でだんだんと自分の本質から遠ざかっていくような思いをすることがあります。それは現代社会において生きていくうちに「こうしなくてはいけない」とか、「こうあるべきだ」とか、知らず知らずのうちに自分の本質とは別のもの、例えば世間一般で言われている常識だったり、親の期待など、そのときの状況や反応によって自分を順応させ作りあげていくからです。その過程を重ねていく様子を私たちはたまねぎに例えたりします。
本当の答えや生まれ持ってきた使命や夢などの情熱はずっと私たちの中にあり続けます。でも、まるでなくなっていくように、またはまるで喪失したかのように感じていると、生きていることが辛くなったり、心身を病んでしまったりすることがあります。そんな時、心理療法やカウンセリングや、自分にあった生活習慣の改善や病気の治療を試みたりすることが、そのたまねぎの様な仮面の皮を剥いでいくことにつながります。心と体とつながっていますから心の症状がからだの症状として出ることはよくあることです。
「出る杭は打たれる」という言葉があるように、とくに日本の社会生活では自分のユニークな輝きが抑えられてしまうこと、またはそうしなくてはいけないという状況も多くあります。けれども、時折自分らしい輝きと共鳴した部分がでてきます。それはもしかしたら好きな音楽かもしれないし、食べ物かもしれません。私は、それを「デリシャス・モーメント」(美味しい瞬間)と呼んでいて、癒しのプロセスにおいて鍵となるウェルネス・コンセプトとして構築しています。「美味しい」という字は、美を味わうと書きますよね。人の真の美しさ、というのは、その一人ひとりの独特の感性や経験、才能、価値観、築き上げてきた絆など、からだ、こころ、たましい、人とのつながりにおいて包括的に調和の取れた「あるがままの自分」である状態だと考えています。例えば、自分の食べ物の大好きなもの味わっている様子を想像してください。それを食べているときの五感で感じる心地よさ、それを食べたときのこころにあふれる嬉しさ、自然のめぐみでもあり人々の苦労や愛が込められて目の前にある食物への感謝、誰かと一緒に分かち合う喜び。自分だけの、そして自分だからこそ味わえる素晴らしい瞬間です。また、その味わう事柄は良いことだけではなく、例えば家族だったら喧嘩をしても今日は仲良く一緒の食卓についている、というように絆を強めることにつながる一緒に乗り越えてきた苦い経験なども含まれているからこそ感慨深いものであることでしょう。それは日本独特の洗練された美的感覚である「わびさび」にも通じているかと思います。すべてはいつか移り変わり、壊れてしまうもの。そして限りあるものなのです。だからこそ、今あるこの瞬間、そして自分が今、ここに存在していることが素晴らしい、といった概念を愛でる事は美しいことであり、その人にとって本当の意味での幸せに繋がるのではないかと考えています。

究極の理想は「自分を愛し、包み込んであげること」

悩みを解消する究極的理想の生き方は「自分は自分で良いのだ」と思うことでしょう。私達人間を一番大きく動かすものは「愛」です。「自分はこれで良いのだ」と思える時には、懐の大きい絶対的な愛があります。それは自己の利益だけに陶酔しているエゴ的な愛ではなくて、自分にとっても相手や社会にとっても最善のことを選んでいく包括的な愛です。そして人は自分をこころから認め肯定できたとき、本当の意味で優しくなることができるのです。優しいという字は憂れた人と書きます。自分が悩んだことがあるからこそ、他人の痛みや乗り越えることの意義に共感できるのです。ですから、本当に優しい人とは弱い人、甘い人なのではなく、愛がある人なのだと思います。

人生には甘さも辛さも必要

人間ですから、もちろん楽しい思いもあるし辛い思いもあるし、どちらとも一生付き合っていかなければいけません。自分のこころの中で発生する自分に対する辛口の思いや嫌な気分は、ある意味赤ちゃんのようなものです。ましてや子供時代のささやかな思い込みによって生じているならなおさらそうです。当然、赤ちゃんには大人の理屈は通じませんから、母性本能のまま優しく抱きしめてあげられるといいですね。そうすれば、泣き出した赤ちゃんもいつかは泣きやみます。自分の弱さも見方によっては才能です。悩みながら過ごした日々もとても尊いもので、いつか優しく笑って話せるようになるでしょう。甘い、辛いの両方がバランスよくあるからこそ、人生もみたらし団子みたいに美味しく楽しめることにつながるのではないでしょうか。


石井 真美(いしい まみ)
認定自然医師、音楽療法士、鍼灸士、催眠療法士、霊気マスター・指導者。 音楽療法と心理学の名誉学士号取得後、セラピストや病院での精神医学研究助手などを経てCanadian College of Naturopathic Medicine卒業。Integrative Mental Health Centre of Toronto を仲間と立ち上げ、こころの健康に焦点を当てながら身体、霊性および社会的絆を大切にした統合ホリスティック医療を実践。輝く美しい健康とデリシャス・ライフを推進し臨床、教育、および地域貢献に情熱を注ぎながら国内外で活躍中。

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