サイエンスセンターの水質学者に質問!! オンタリオ湖の水質について、素朴な疑問を聞いてみました!

サイエンスセンターの水質学者に質問!!

今話題のカナダの水道水、オンタリオ湖の水質について、素朴な疑問を聞いてみました!

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水オルガン


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体内水分量と食べ物の水分量

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水の飲み比べ


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水の供給を分かりやすく説明している図


オンタリオの水は? —軟水vs硬水—

水の質はその土地の石によって変わってきます。硬水には炭酸カルシウムが含まれていて、それらは石灰岩から水に溶け出しています。要するに、もしそこに石灰岩がなければそこの土地の水は軟水になるのです。オンタリオ州一帯で見てみると、キングストンのあたりから北の方には花こう岩が、南の方は石灰岩が主な岩となっているため、オンタリオ州南部の方が北部に比べると硬水になる傾向にあります。

オンタリオ湖—水遊び編—

台風や大雨の時にしっかりとした雨水処理対策がされていないと、単純にたくさんの雨水がオンタリオ湖に流れ込むことになります。どんな水の中にも多少のバクテリアはいるのですが、嵐の間は水が動き数値が上がります。この数値と言うのは大腸菌を含めた沈殿物の値です。雨の後は水がかき混ぜられてビーチ付近まで沈殿物が拡散し、値が高くなります。その数値が元に戻るまで、水遊びはお勧め出来ません。また、嵐の雨水によって悪質なバクテリアがオンタリオ湖に侵入する可能性もあります。それを防ぐためには雨水がオンタリオ湖に流れ込むスピードをコントロールしなければなりません。例えば、舗装された地域だけに雨が降ればそれは土よりもすぐに流れていってしまうでしょう。
トロントでは水遊びに安全かどうか、大腸菌の数値などをいつも確認しています。大腸菌は人間の中にもいる菌なので一定の数値を越えなければ危険はありません。嵐の直後は数値が高くなる傾向にありますが、天気が続いている日は問題ありませんよ。

オンタリオ湖—飲み水編—

私たちがオンタリオ湖から水を得ている場所はトロントアイランドから奥に行ったところ、すごく深い場所なんです。その深さでは水質はほとんど均一で、それは飲み水として理想的な水質なんです。いつも同じなら、飲み水処理をする時の工程がいつも同じになりますからね。だから、オンタリオ湖の水質はとても良質と言えますし、トロント市内の水についても同じことが言えます。

水道水—原因と対策編—

水道水についてですが、問題となっているのは1950年以前に使われた水道管です。当時は鉛が主流だったので、1950年以前に建てられた家は鉛の水道管が使われています。カナダでは自分の家の敷地内の水道管はその家の住人の管轄になってきます。なので、決められた区域までは住んでる人の管轄、それ以外についてはトロント市の管轄となるのです。トロント市はここ数年にわたって水道管の取り換え工事を実施しています。市としてはすべての鉛製のパイプを取り除きたいのですが、各家庭の敷地内の水道管においては、その各家庭が自費で取り換えを行わなければならないため、中にはやりたくない家庭もある、というのが実際起こっているのです。

水道水—回避編—

もしあなたの家が1950年以降に建てられた家であれば水道管について何の問題もありません。しかし、もしあなたの家が1950年以前に建てられたもので、かつ水道管が鉛製のまま取り換えられていなかった場合、その鉛の成分が水道水に溶けだしているのです。鉛の含有量が一番多い時間帯は調べた結果、早朝だったんです。それは夜中のうちに鉛が水に溶けだして溜まったものを朝1番で使うからです。そういった場合は使う前に5分程度水を出し続けた後に使い始めることが一時的な対策としてあげられます。

未来の科学者たちへ

科学を「学んでいる」と思うのではなく、「楽しんでいる」と思うことが大事だと思います。やっていることが楽しいと思えれば、それが興味へとつながります。楽しんでいればやっていることが科学に関係してるとは気づかないこともあります。私の場合はハイキングや、水遊び、カヤックが好きなんです。外に出るたびに新しいことに触れる、たとえば、亀とかアライグマに遭遇したり。ちょっとしたことではあるけど毎回新しいことを学んだり見つけたりする。そういったことが人々を何かするときに内向的にならないように勇気づけるんだと思います。科学を難しいと思っている人に苦手意識を持つな、というのは難しいかもしれません。でも科学と言ってもたくさんの分野がありますから、自分の好きな分野を見つけたらいいのだと思います。

最後にコメントをもらった後に、サイエンスセンターの水の展示を体験してきた。3種類の違う水の飲み比べで、さまざまな角度から、飲み水を楽しく理解するとこが出来るようになっている。他にも多くの展示があるので一度科学の勉強ではなく不思議体験に来てみてはどうだろう。


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Dr. Mary Jane Conboy

Dr. Mary Jane Conboy
Director of Science Content and Design
地質学、水質学をトロント大学で専攻。政府で水質学者として働いた後、現在はさまざまな水質保護団体に在籍し、人々に水質変化に対する理解を広めている。また2010年からサイエンスセンターで展示の研究、デザインに携わっている。

Ontario Science Centre
770 Don Mills Road, Toronto, ON M3C 1T3
416-696-1000
ontariosciencecentre.ca