私達の暮らしを支えるニュース集

今月は「暮らし」がテーマ。トロント、カナダの暮らしにまつわるモノ・コト・トコロを色々集めてみました。

世界経済、異常気象、外交・・・。私達の生活は、今やローカルの出来事だけでなく、世界情勢とも複雑に絡んでいます。海外の様々な要因が関与するものから、地元コミュニティに大きく関わるニュースまで、私達の暮らしに多分に影響するニュースを集めてみました。

■ ガソリン安値続く

news-supporting-our-life-01昨年から急激に安くなったガソリンの値段だが、今年も更に安値が続きそうだ。近年、需要と供給が釣り合わず、価格競争が激化している原油市場では原油産出大国であるサウジアラビアが破格的値下げを行ったことからガソリン価格も大幅に下落。2014年頃まで上昇し続けていた原油価格は当時1バレル(=およそ208L)米$105を超えるまでに至っていたが、今年1月の時点で1バレル米$30にまで暴落。米国政府によると今年は年間平均1バレル米$37.59ドルと昨年に比べて23%も割安の値段で取引が行われると予測されているが、残念ながらカナダではドル安の影響もあり米国ほどこの安値の恩恵を受けることができていないのが現状である。これはカナダ産の原油が精製のため米国に安値で買われる代わりに、カナダは米国から高値で石油を購入しなければならないことによる。


■ 弱まるカナダドル

news-supporting-our-life-02石油価格暴落の影響で、カナダドルにも多大な影響が及んでいる。北米屈指の原油産出国であるカナダは主に米国の石油精製所に原油を高く売ることで利益を得ていたが、サウジアラビアを筆頭とする他国による原油価格値下げにより、需要が減り利益も減少。その影響を受けカナダドルの価値も下がり、米1ドルに対しカナダドルは70セント代にまで下落している。この大幅なドル安は2013年以来過去最低。このドル安の影響で、ガソリン市場が安値に傾いたり、米国からの輸入に頼っていた食料品などが一時的に大きく値上げするなど、日常の暮らしにも多大な影響が出ている。しかし、このドル安の影響で米国の映画業界がカナダ国内で撮影をする機会が増えるなど、海外からの企業投資やカナダへの観光客が増加する兆しにあり、カナダの景気にとっては吉報ではないかとの見方も出ている。


■ カナダ失業率上昇

カナダ統計局によると、カナダは今年1月の時点で5,700もの職が失われ失業率が7.2%にまで上昇した。特に失業率の上昇が激しいのは、主にオイル産業に頼っているアルバータ州、マニトバ州、そしてニューファンドランド州で、特にアルバータ州では1月に1万もの職を失い、過去12か月間で3万5千もの職が失われる結果となった。これによりアルバータの失業率は7.4%までに上り、この約20年間において過去最高を記録している。各州が失業率に頭を抱える中、唯一雇用が向上したのがオンタリオ州で、過去12か月間では10万もの雇用が生まれる結果となっている。スコシアバンクの経済担当によると、オイル産業で打撃を受けている州の失業率をオンタリオなどの他産業で好調な州が補っているので、カナダ全土が大騒ぎするほどに雇用不足に陥っているわけではないと述べている。


■ 高くなる生鮮食品

news-supporting-our-life-03ドル安の被害は家庭の食卓にも及んでいる。カナダドル安の影響により主に輸入に頼っている生鮮食品の価格が昨年度より急激に上昇しているが、今年も下がる見込みはないとグエルフ大学食品研究所が発表した。同研究所によると、昨年カナダの各所帯は平均にして例年より$325多く食費に費やしており、今年は更に約$345増が見込まれると予測している。生鮮食品の中でも特に価格上昇が著しいのが肉類、野菜、果物とナッツ類でそれぞれ2%から4.5%の値上げが予想されており、主にこれらの影響で食料品全体で2%から4%の価格増と予想されている。この食料品のインフラには異常気象も深く関与しており、昨年の場合はカリフォルニアの干ばつが米国産の食品高に影響を及ぼした。この食品高対策として国産の食品を買い求めることの他に、タンパク質源の肉類の代替品としてより栄養価が高く安価な豆類を頻用すること、そして何より食品を無駄にしないことが大切だと家庭経済学者のゲッティ・スチュアート氏は提案している。


■ ブーム渦中の不動産市場に新住宅ローン制度導入

news-supporting-our-life-04留まるところを知らないカナダの住宅価格を抑えるため、カナダ政府は2月初旬より新しい住宅ローン制度を導入した。これまで一般的に住宅を購入する場合は、住宅ローンを組む際に5%の頭金を支払うことが原則であったが、この新制度施行後は倍の10%の頭金を支払うことが義務付けられる。この新制度は主に住宅購入者に現実的な予算計画を促し、無理な借金から免れる助けを施すことを意図としている。近年の不動産バブルの背景には歴史的に見る低金利が影響しており、今後市場がデフレに向かい住宅価格が20%下落した場合には、特に40歳未満の若い住宅所有者は破産する恐れがあることが危惧されている。今回の新制度導入により、不動産市場のブームもやや沈静化するかと思われたが、今年1月の平均住宅価格はおよそ47万ドルと昨年度の同月と比べて17%も上昇。国内でも最も市場競争が激しいバンクーバーとトロントの平均住宅価格はそれを上回り、バンクーバーでは実に27%もの上昇、GTAでは約62万ドルと昨年に比べ約10%も上昇する結果となっている。この新制度について不動産業界のシニアアナリストは、多くの人が一軒家の所有者を夢見ている風潮から、この頭金支払いの値上げも購入者にとって「普通」と認識されるようになってしまえば購入阻止の歯止めにはならないだろうと予測しており、未だしばらく不動産熱は収まるところを知らないと言えそうだ。


■ TTCまたも値上げ

news-supporting-our-life-05昨年11月に発表されたTTC料金の値上げが今年1月3日から施行された。値上げの対象となったのはメトロパスと学生、シニア料金を除く乗車賃全てで、大人の現金乗車賃は$3から$3.25、トークンは1つ当たり$2.80から$2.90、デイパスは$11.50から$12.00、ウィークリーパスは$40.75から$42.25へと値上げされた。今回の値上げについてTTCは、今後現金乗車を徐々に廃止し、PRESTOと呼ばれるキャッシュカード式の乗車券に切り替えることを狙いとしていると述べている。この背景にはTTCの赤字が関係しており、今回の値上げ実施後も尚、今年度予算約17億6千万ドルに対し4100万ドルの予算超過が指摘されている。

TTCは昨年よりサービス改善費用と題して毎年9500万ドルを費やすことを決定。このサービス改善として既に実施されているものの中には、日曜日の地下鉄の始発時間を8時に改定、エクスプレスバス本数の増加、12歳以下の乗車賃無料、2012年に削減されたサービスの復元などが含まれている。TTCに対し今年度トロント市より助成金があるかは現時点では未定。助成金がない場合には、乗車賃収入から算出を計るしかないとTTC代表は述べている。今年度値上げをしないことで可決された学生とシニア料金については、来年度再度検討される予定。今回値上げの対象とならなかったメトロパスについては近年売り上げが落ちており、ここ10年間で42%も値上がりしている。


■ ボンバルディア社 7000人の解雇を発表

news-supporting-our-life-06TTCをはじめ、世界中の交通機関を契約相手に車両や航空機などの製造を手掛けるボンバルディア社が7000人の解雇を発表した。モントリオールに本社を置くボンバルディア社では国内外を含め6万4千人が勤務しており、うちケベックでの2400人を含む2830人が国内で解雇される。この解雇はこの先2年以内に行われる予定。一方で、解雇発表と同時期にエアカナダ社がボンバルディア製CSeriesモデル航空機を購入する契約見込みを通知。経営危機の最中に訪れた吉報に起死回生のチャンスなるかと期待されている。近年、ボンバルディア社は経営難に陥っており、同社の株価は2000年当時26ドルであったのに対し、今年1月末時点では1ドルを切るまでに下落。過去25年間で最低を記録した。またCSeries機製造にあたりカナダ政府とケベック州政府の双方から助成金として総計で4億6700万ドルを既に受け取っているが、今回のエアカナダ社との契約によりカナダ政府からの助成金を更に期待していると見られている。この解雇通知に交通省のマーク・ガーヌー氏は遺憾だと述べ、ボンバルディア社への助成金については、カナダ国民にとっての関心事であるか、また経済的に良い投資となり得るかを合法的に見極め、細心の注意と共に確かめた上で検討したいと発表した。


■ NBAオールスター戦 トロントにて開催

news-supporting-our-life-072月12日から14日にかけて、アメリカ・ナショナル・バスケットボールリーグのオールスターゲームがトロントで開催された。米国外での開催は今回が初。今回のオールスター戦では、長年NBAの名選手として活躍したコービー・ブライアント選手の最後の参戦となり、ファンや観客から惜しみない歓声を受けての引退試合となった。一方、地元トロント・ラプターズからはカイル・ラウリ選手とデマール・デロザン選手が参加し、その存在感を魅せつけ観客を熱狂させた。今回のゲーム開幕にあたり米国歌手のNe-Yoが米国国歌「星条旗」を、ブリティッシュ・コロンビア出身の歌手ネリー・ファータドが国歌「オー・カナダ」をそれぞれ熱唱。ハーフタイムショーでは、英国歌手のスティングが往年のヒット曲を披露し、閉幕ではトロント出身のラッパー、ドレイクが出演するなど音楽ファンとしても大変盛り上がる週末となった。


■ Uberへの抗議 カナダのタクシー運転手らがデモ

近年、利用数が増加する一方で違法な運営などで物議を醸しているUber系列に対しカナダ中のタクシー運転手が抗議の声を上げている。トロントでは、他営のタクシー運転手らがNBAオールスター戦が開催される週末にダウンタウンの通りを封鎖しデモ及びストライキを起こすと豪語していたが、直前になってデモの予定を撤回。デモ企画者は記者会見にて感情的な判断だったことを反省した上で、UberXへの市の対応を批判。UberXには乗らないように広く呼びかけた。一方で、モントリオールのタクシー運転手らはダウンタウンの通りを封鎖するなどストライキを実行。ケベック州のUberXによる違法運営への対応に不満を募らせている。Uber はスマートフォン端末にてタクシーを利用できるアプリを運営する会社。利用者からは市営や他営のタクシーよりも早くタクシーに乗車でき金額が安いという理由から急激に成長しているが、その一方でタクシー運転手として正式に認可されていない者がタクシー運転を名乗っているとして違法な点が問題になっている。最近になってトロントでは正式に合法のビジネスとして認可されたUberだが、子会社であるUberXについてはまだ認可が下りていない。


■ 春の訪れやいかに?!

news-supporting-our-life-08エル・ニーニョの影響で暖冬だと見られているカナダの今年の冬だが、その終わりはいつ告げられるのか。北米で100年以上続く恒例行事となっているグラウンドホッグ・デーが今年も2月2日に行われ、各地でウッドチャック(グラウンドホッグ)がその冬の行く末を占った。この行事は北米の様々な地区で開催されており、ウッドチャックが穴から出た時に自分の影を見たか見ないかで、春の訪れを予測するというもの。今年カナダではオンタリオのワールトン地区のウッドチャック「ウィリー」とノバスコシア、シューベンナカディー地区の「サム」の2匹による予報が行われ、オンタリオのウィリーが例年より6週間も長い冬と予測したのに対し、ノバスコシアのサムは例年より早い春の訪れを告げ、相反する結果となった。一方、北米でも最も予報的中率が高いことで知られる米国ペンシルバニア州バンクストニー地区の「ウィリー」によると今年は例年より早く冬の終わりが来ると告げている。カナダでは例年、マニトバ州ウィニペグでもこの行事が開催されているが、1月末に「予報士」のウッドチャック、ウィロウが亡くなってしまったため、今年はキャンセルとなった。