『NAVITO WORLD』オーナー・Sidさんに訊く、カナダのアニメ・コミック、フィギュア業界事情

業界歴15年。北米で日本のアニメ・コミック、そしてフィギュアを広める トロント拠点のフィギュア正規販売事業者『NAVITO WORLD』オーナー・Sidさんに訊く、カナダのアニメ・コミック、フィギュア業界事情

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▲NAVITO WORLD店舗は所狭しとフィギュアが並ぶ。

オンラインでの卸売から始まり、2013年には実店舗も構えてのフィギュア卸売・一般販売を行っている『NAVITO WORLD』。同社はフィギュアの制作・販売を行っている『GOOD SMILE COMPANY』、バンダイの子会社でフィギュアを専門に取り扱っている『Mega House』の正規販売事業者で、『Mega House』ではカナダ独占販売権を所有。日本の会社と直接契約し、工場受け渡しを行っているため、日本と大差ない価格で正規製品を購入することができると、北米のファンの間で大きく支持を集めている。また同社は正規フィギュアの販売だけでなく、北米のコンベンションでの日本人ゲスト招致にも数多く携わっており、北米ファンと日本アニメのさらなる強い結びつきを作り出している。
同社オーナーの一人で、業界歴15年の生粋のトロントニアン・Sidさんにカナダのアニメ・コミック業界、フィギュア業界事情を語ってもらった。

まず、カナダのフィギュア業界について教えてください。

カナダにおけるアニメフィギュア産業は、日本で流通している製品がまだ少なかった頃の過去5年間と比べ、ここ2年の間に大きな成長を遂げました。リメイクよりもオリジナルのものに注目が集まるようになり、そのため最近は『進撃の巨人』や『キルラキル』といった新しいアイデアを持ったアニメ作品のフィギュアの売れ行きが好調です。トレンドとしては、ゲームでのリリースや日本語表記のみでの製品でない限り、一般的に日本とカナダは似ていると言えます。

次に、ナヴィトワールド設立の経緯を教えてください。

私は16歳の時に流通を学んで以来、様々な北米のコンベンションやトレードショーに携わり、北米のコミコンでの日本関連製品を扱う役割を長年担ってきましたが、その中で日本とカナダのマーケットでは製品の認知度、そして価格に大きな違いがあることに気づきました。インターネット普及以前はマンガやビデオしか手に入らず、それも多くのものがファンによって訳されたものでした。テクノロジーが発達し、インターネットが普及してよりインターネットの知識を多くの人が持つようになったことで、現在日本で放映されている作品の最新製品情報などをファン自身がリアルタイムで手に入れることができるようになりました。さらに、多くの企業が北米流通のための製品公式ライセンスを取得することができるようになり、著作権の面でも大きく進歩しました。そうして、さらに多くの北米のファンのみなさんが製品にアクセスできるようにと、2010年にカナダ最大のコンベンションである『Fan Expo Canada』のアニメ部門の責任者をしたことをきっかけに、パートナーのSakikoと一緒に、日本のアニメーション会社やフィギュア制作会社とパートナーシップを結んだ流通会社であるナヴィトワールドを設立したのです。

顧客にはどのような方が多いのですか?

当社には、新製品がリリースされる度に訪れる強力な顧客がいます。プレオーダーの受付を開始する前に、すでに彼らから多くの注文が入っており、彼らは自分の欲しい製品を必ず手に入れることができるのです。またスパダイナにある実店舗はショールームのような存在であり、小売業者の方に実際の製品を購入前に見ていただくことで、安心感を持っていただくことができています。店舗は一般の方にも開放しており、その場で製品を購入することも可能です。

Sidさんの考える日本のアニメの魅力とはなんでしょうか?

日本のアニメの魅力は様々なジャンルに富んでいることだと思います。子供向けに作られたアニメにも成熟した題材を扱ったものもあり、こういった多様性はすべての人を魅了する可能性を持っています。この多様性こそがマーケットの成功を呼んでいるのです。あとは単純に、アニメは“クール”で“カワイイ”といったことが人気の大きな理由の一つでしょう。


Sid
フィギュア正規販売事業者『NAVITO WORLD』オーナーの一人。16歳の頃に流通を学び、以降、長年に渡って北米のコミコンでの日本関連製品を扱う役割を担ってきた。2010年にカナダ最大のコンベンションである『Fan Expo Canada』のアニメ部門責任者を務め、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役の声優・緒方恵美、『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターデザインを手がけた天野喜孝を招致して大きな反響を呼ぶ。この『Fan Expo Canada』をきっかけに『NAVITO WORLD』をパートナーとともに設立して、日本企業と直接契約を結んでのフィギュア販売事業を行っている。
NAVITO WORLD ホームページ:navitoworld.com