TORJA的日本酒おもしろ大辞典

日本酒は奥が深い!それは味だけでなく、日本酒にまつわる色々なことがとても神秘的。おもわず、へぇ〜そうなんだー!と唸りたくなるような日本酒知識を紹介します。

決まった食事と食事との間にちょっとした物を食べること、これを間食と言い、ダイエットの敵であります。ということは食事と食事の間に酒を飲むことを「間酒」と呼ぶのかと言えばさにあらず、間酒は「あいしゅ」又は「あいざけ」と読み、別名「あいづくり」とも言います。これはまだ本格的な酒造りの季節に入る前に、古酒(一年前の酒造季に造った酒)の蓄えが少なくなり、一部の蔵で“間をつなぐ”という意味で造られた酒のこと。新米の出来る前でもあり、“もと”や醪に古米が使われるケースもあるため、この頃の酒は薄っぺらな、しかも気候のせいもあって辛い酒になったようです。


「飲む」か「呑む」か。漢和大辞典(学習研究社)によると、「飲む」は水や汁物を口に入れて飲み込むこと、「呑む」はぐっと噛まずにのみ下すこと、ということになっております。酒の場合はどちらでも良さそうなものですが、楽しみながら“のむ”場合は「飲む」で、豪快に“のむ”時は「呑む」が気分に合うような気がします。また、酒の好きな人を表す時は「酒飲み」、というよりはやはり「酒呑み」でしょうか。


日本酒は冷凍庫で凍ります(といっても、カチンコチンにはなりません)。日本酒をロックで飲むと薄まってしまうのですが、凍った日本酒を氷のかわりに入れると薄まりません。凍った日本酒をシャーベットのようにスプーンですくって食べてもイケますよ!


sake-encyclopedia01酢と清酒は兄弟。というのも、米と酵母を発酵させて造るという点で、日本酒と酢の製造工程はほぼ同じ。いわば同じ家に生まれ、途中から違う道を歩み始めた兄弟のようなものなのです。ちなみにフランス語でも、酢を意味するvinaigre《ビネガー》は、vin《ぶどう酒》+aigre《酸っぱい》という所から名付けられています。


sake-encyclopedia02二日酔い対策の3か条!その①背筋を伸ばして酒を飲む。その②酔った後に長唄を歌う。その③甘いものを摂る。背中を伸ばして飲んだり、長唄を歌ったりするのは、体内に送り込まれる酸素の供給量を多くして、酒精の体内酸素分解を促進させるため。そして、甘いものを摂ることは、アルコールにより低下した血糖値を回復させるためであります。酒道が盛んだったこの時代には武士がハメをはずして飲むようになり、「武士の酒飲み法」という本までもが刊行されておりました。500年前も変わらぬ酒道なんですね。


昔は酒と言えばにごり酒でした。こうじと蒸した米と水でつくった醪(もろみ)を醸造した酒で、どろどろと白く濁っています。一説によると、1600年ごろ、摂津鴻池(こうのいけ)の酒造家、山中勝庵の酒蔵で、ある男がうっぷん晴らしのつもりで酒に灰をほうりこんだところ、澄んだ透明な酒になったそうです。それ以降、にごり酒に灰をいれてこした「清酒」が広まり、発明者は鴻池財閥を築いたそうです。


お銚子と徳利。お銚子と徳利は、普段同じようなものとして扱われることが多いのですが、実は全くの別モノなんです。徳利はその昔、人々が水筒代わりにひょうたんを使っていたことから、ひょうたんの形をモデルにして作られた陶器の器です。一方、銚子はその字面から見ても分かるように、金物の器のことを指します。もともとは長い柄と注ぎ口のついた鉄製の酒器で、分かりやすく言えば、おひなさまの三人官女の一人が持っているアレ。昔は銚子を使って直火でお燗をしていましたが、湯せんでのお燗のほうが風味が良いと徳利が普及するようになり、いつの間にか混同したようです。ちなみに、徳利の語源は、「『トクトク』と注ぐことから」、ではなく、「朝鮮語の容器=トックルが徳利になったから」とのこと。


sake-encyclopedia03梅と酒。「梅干し」と聞いただけで思わず口の中に唾液がこみ上げてきますが、あの独特の酸味は疲労回復に大変効果的。代謝機能を活発にしてアルコール処理を高める働きもあるので、悪酔いを防いでくれます。その上、クエン酸やリンゴ酸が呑んだ後の酒臭さを消してくれるので、正にお酒との相性も抜群なのです。この効能を知ってか知らずか、かの新潟の英雄であり、大の酒豪でもあった上杉謙信は、梅干しを酒の肴としてこよなく愛したそうです。


飲んだあと無性にラーメンが食べたくなる、時によっては昼に喰うよりウマイ、なんてことございませんか。これにもちゃんとした理由があるのです。 ラーメンのスープは普通、鶏ガラや豚骨から取ることが多い。そして鶏ガラからはグルタミン酸、豚骨からはイノシン酸がよく出るが、これらにはアルコールを中和する働きがあるのです。つまり、体内に大量のアルコールが入ると、体内を中和させるために身体がラーメンを欲しがるのであります。特にイノシン酸にはその働きが強いとのこと。でも飲酒後にヘビーなものを食べると胃腸に大きな負担がかかるので、ほどほどに。


日本酒醸造場では納豆を持ちこむことが禁止されています。これは日本酒業界での常識。非常に弱くデリケートな酵母を持つ日本酒とは逆に、納豆を発酵させている納豆菌は力が強く、例えば、米麹を造る菌や酒母を発酵させる酵母を抑制してしまいます。そのため、酒造で働いている人はもちろん、その家族までもが納豆を食べてはいけないそうです。万が一、納豆菌が醗酵途中の日本酒に混入してしまった場合は全てダメになってしまうのです。ちなみに一度日本酒が完成してしまえば、いくら納豆菌が混入しても全く問題はありません。


sake-encyclopedia04一般的にあまり知られていませんが、かつて酒蔵では毎年のように蔵人さんが体調を壊すことがありました。主な原因は炭酸ガスによる窒息。お酒の原型となる「もろみ」は、文字通りお酒のモトとなる「もと」(蒸し米、水、麹に酵母を混ぜたもの)に、「蒸し米、麹、水」を3回に分けて加えることでアルコール発酵したものを言います。このとき、もろみの入ったタンク内では「麹によるでんぶんの糖化」と、「酵母による糖分のアルコール化」が同時に起こっているワケですが、糖分がアルコールに分解されるとき、いっしょに発生するのが炭酸ガスなのです。炭酸ガスが発生するのは、3回の仕込みを終えた数日後。蔵内に、何とも言えない芳香が漂い、もろみの表面にぷくぷくと無数の泡が出始める頃です。実は、この泡こそが炭酸ガスで、鼻を近づけるとツーンとものすごい刺激が。まともに臭いを嗅ごうものなら、たちまち窒息してしまいます。今でこそ、口の狭い閉鎖型のタンクが普及しつつありますが、昔は、櫂でもろみをかき混ぜながらタンクの中に落下したり、タンクの清掃に入り、そのまま窒息死するケースがよくあったもの。酒造りのシビアな現実と炭酸ガスの恐ろしさをわきまえ、蔵元へ見学に行ったときなどは、くれぐれもお気をつけください。

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