楓の森の歩き方 第11歩
ようやく暖かく春の陽気となってきましたね。朝、通学や通勤の途中に春の訪れを告げる鳥たちの鳴き声に気づき、耳を傾ける人も多いのではないでしょうか?
今回は春の鳥たちのお話です。
春を告げる鳥たちの中でもトロント周辺で最も多くみられる鳥は、朱色の胸を持つAmerican Robin(コマツグミ)ではないでしょうか?
渡り鳥で、毎年春先にロビンの鳴き声を聞くたびに、どれだけ遠くに渡り、どうやって巣のある場所を覚えて戻ってきたのかと、その素晴らしい能力に驚きます。
ロビンが庭先の芝生や花壇に大好きなミミズや昆虫をついばみにやってくるのも、春のお知らせのひとつですね。
渡り鳥の多くは5月に戻ってきます。
Ruby Throated Hummingbird(ノドアカハチドリ)も冬は暖かなメキシコや中央アメリカで過ごし、その小さな体で大陸を縦断し、戻ってきます。
Yellow-bellied Sapsuckers(シルスイキツツキ)たちが作った穴からにじみでてくる樹液を楽しみにしているのもノドアカハチドリたち。ですので、この鳥たちは同じ場所でよく見られます。
オスのハチドリはのどが赤いのが特徴で、花の蜜や人工的な砂糖水を好みます。メスのハチドリは雄に比べて色が控えめなのが特徴で、小さな豆粒ほどの卵を産み、小枝や葉っぱで作った巣で孵化させ、ヒナには口渡しで餌を与えて育てます。
この鳥だけ後ろに飛べるんですよ! ユニークでしょ。
厳しい冬をこちらで越冬するのに、春には陽気に楽しませてくれる鳥たちも紹介しましょう。
Gray Jay(カナダカケス)は私たちの親愛なるお友達です。厳しい北国を代表する鳥として別名カナダジェイとも呼ばれ、カナダを代表する鳥のひとつです。
彼らはトウヒなどの針葉樹林の森に巣を作り、長い冬を越すために、虫やベリー類、キノコ類などをいくつもの場所に貯蔵し蓄えます。粘着性の唾液で、木肌の下や葉の裏、草の茂みなどにしっかりと固定して隠すのです。
ハイキングコースでピクニックをしているとグレージェイが近づき、食べ物を持っていってしまうこともあります。「キャンプ泥棒」のあだ名もあるんですよ。厳しい冬に備えて貯蔵する彼らの習性です。憎めない森の住人です。
トロントでは野球が開幕しましたね!トロントで最も有名な鳥Blue Jay(アオカケス)も留鳥です。いたずら好きで知られていて、主に家族で行動し、適応力が強く、冬にも鳥の餌入れ付近で見られます。
青い羽毛とトサカ(冠毛)が特徴的で、市街地でも見ることができます。
がなり声のような独特でおかしな、「ジェイ ジェイ ジェイ」と聞こえる鳴き声がJAYの由来だとも言われています。
どこからか「ジェイ ジェイ ジェイ」と聞こえてきたら、ブルージェイが近くにいますよ〜。探してみてくださいね。
さぁ、花や鳥たちが春を謳歌している森や草原へ、ご一緒しませんか?
ロビンの巣の様子、覗いてみませんか?
OOA春のツアーも要チェック!☆
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Holly Blefgen (ホリ―・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
写真提供: Photos/artwork/layout 尾西 知樹 Translator: 瀬川 貴子