家を不在にする際に気をつけたいこと|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第9回 】

 今年もいよいよ長いトロントの冬のはじまりですね。気温が低くなると住宅にも影響が出てきます。今回は特に、戸建てにお住まいの方で、年末年始などの一時帰国やバケーションによってご不在にされる際に気をつけていただきたい点についてお話しします。

1.ファーネスをOFFにしない!

 ファーネス(Furnace)は家を暖めるためにガスで空気を温めてダクトを通じて家全体に温風を送る機械で、主に地下室に設置されています(写真1)。

写真1

 機械の中には種火があり、これがガスを燃焼しながら温かい空気を作っていますが、安全装置が2重3重に設置されていますので、火やガスが漏れることによって家が火事になったりガス漏れが起きる可能性はほとんどありません。

 しかし「火をつけたまま家を留守にするのは心配!」とファーネスの電源をOFFにして数日間家を空けてしまった場合、マイナス気温の気候により家全体が急に冷え、水道管に残った水が冷気によって水道管の中で凍結し、水道管の破裂を引き起こします。凍結状態のままでは気づきませんが、出先から帰ってきてファーネスの電源をONにして暖房をつけた際、凍結していた水道管の中の水が、亀裂からワァーッと噴出し、家の一部で水漏れを生じたり、ひどいケースでは家のあちこちが水浸しになることもあります。

 複数の箇所から水漏れが生じている場合、どの水道管に亀裂が生じていて修理が必要なのか?という問題点を見つけたり、壁やフローリングを修理するには時間もお金も非常にかかります。賃貸住宅において水漏れはテナントが一番気を付けるべき事項の1つですので、十分にご注意ください。ご不在にされる際には、電源はONにしたままで、温度設定を16度など低く設定しておでかけください。

 余談ですが、家の暖房設備として以前はガスや電気によるラジエーターを使った温水暖房システムを使っていましたが、現在では電気やガスによる温風暖房システムが増え、こちらが主流になっています(Forced Air Gas)。

2.庭やガレージの水道管の水抜き

 水道管凍結による水漏れを防ぐために気を付ける箇所として、庭やガレージに設置された水道の蛇口があります。これらの蛇口は家の中からの水道管から繋がって外に出ていますが、暖房がきかないと、外の冷気を受け、家の外と中をつないでいる水道管内の水が凍結し破裂してしまうおそれがあります。そのため、まずその水道管の元栓を閉め(通常、レバーが水道管に対して平行=開いている状態、水道管に対して直角=閉まっている状態)、蛇口を開けて残っている水を出してしっかりと水抜きをしてください。

3.温水器の温度を低めに設定

 温水器はガスや電気を燃料にしていますが(写真2)、不在時に温水器の温度設定を高いままにすると、常にその温度を保とうとして温水を作り続けている状態になり、ガス代や電気代が余計にかかります。そのため、温水器の温度を低く設定しておでかけになることをおすすめします。温度設定の機械は温水器の下の方に設置されています(写真3)。

写真2

写真3

 なお、ご家族が続けてシャワーを浴びたい、お風呂やシャワーで一度にお湯をたくさん使いたいという時には、温水器の温度設定を高くしておけば熱いお湯がたくさんできるので、これを水と混ぜて使うとお湯がすぐに無くなってしまったという状態を防ぐことができます。ただし、ガス湯沸かし器で水温を高く設定した場合、頻繁にガスが点火し燃費がかさむ点にもご留意ください。

4.ハウスシッターを利用する

 スノーバードと呼ばれ、冬に何か月も家を不在にする人も多いカナダ人にとって、自分が不在の際には、家の見回りと管理のために親族や隣人にハウスシッターを依頼することは当たり前のこと。頼める人が近くにいない場合にはプロに依頼します。雪かきをしていない、郵便物が溜まっている、家の街灯がついていないなど、家主が不在であるサインがあると泥棒に狙われやすくなります!

 フロリダに1ヶ月不在にしていたノースヨークの戸建て在住のオーナーが空き巣に入られ相当な被害額になったケースもありました。雪が降ると雪かきをするのが当たり前のため、夏よりも冬の方が不在であることを周囲に知られやすく、より注意が必要です。また、テナント保険の内容によっては、何日以上不在にする場合には家の点検を誰かに依頼すること、と定められていることもあります。その場合、これを怠って不在時に何か問題が生じた場合には、テナントが責任を問われることになります。

コンドミニアムにお住まいの方は?

 以下の点にご留意ください。

・エアコンの温度調節器(サーモメーター)の温度設定を最低温度にする(夏の場合は電源OFFにして問題ありません)
・水の元栓を閉める(洗濯機・乾燥機、洗面台、キッチンシンクなど)

 元栓の場所がわからなければSuperintendentと呼ばれるマンションの管理・修理を担当している人に頼みましょう。

 楽しく過ごした休暇の後に帰ってきたらタイヘンなことに!ということにならないよう、お出かけ時には十分ご注意ください。

※弊社では、ご不在時のハウスシッティング、各種物件管理のご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。



本文: 増田利加
Starts Realty
Canada, Inc