2018年に起きた不動産に関するトピック|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第10回 】

 今年も早いものでもう師走。今回は2018年に起きた不動産に関するトピックスについてお話したいと思います。

1月:モルゲージにおけるストレステストの開始

 今年から連邦政府の規定により、トップ5のカナダ銀行において住宅ローン(モルゲージ)を組む場合、少額の頭金の場合にのみ必要とされたストレステストが、頭金を20%もしくはそれ以上支払ったとしても求められるようになりました。ストレステストにおいては、モルゲージレートにさらに2%が加えられることになり、これによって住宅購入を検討する人たちが以前と同じような金額や条件でモルゲージを組むことが難しくなったため、トロントの不動産売買マーケットにも影響がありました。

4月:「Residential Tenancy Agreement (Standard Form of Lease)」が始まる

スタンダードリース書面

 オンタリオ州の新たな規定により、4月30日以降に締結された新規住宅賃貸契約について、「Residential Tenancy Agreement (別称:Standard Form of Lease、以下「スタンダードリース」)をオーナー・テナント間で取り交わすことが必要になりました。これは、通常のお部屋探しで皆さんもサインされているオファー書類の一部である「Agreement of Lease」とは別途の書類で、スタンダードリースが正式な賃貸契約書といえます。スタンダードリースは、入居前後にオーナーが準備し、テナントがサインする必要があり、賃貸契約に関する基本的事項や特約事項がテナントにもわかりやすく記載されています。もしオーナーが賃貸契約開始後21日以内にスタンダードフォームを準備しない場合、テナントは最大1ヶ月の賃料を支払わなくてもよく、場合によっては賃貸契約を早期に解消することができます。

6月:ダグ・フォード新オンタリオ州首相誕生

 6月7日に州議会選挙が実施され、与党のオンタリオ自由党(Liberal)が議席減で惨敗し党首のウィン前首相が党辞任、代わりにオンタリオ進歩保守党(Progressive Conservative)が15年ぶりに政権を奪還しダグ・フォード氏が新首相となりました。一概には言えませんが、テナント擁護派である自由党の時代にはテナントに手厚い政策が出され(昨年のFair Housing Plan等)、進歩保守党の時代にはオーナー擁護よりの政策が出されるというこれまでの歴史背景があることから、フォード首相による外国人不動産取得税の撤廃やレントコントロール撤廃などの可能性もゼロではないと言え、今後の動向が注目されるところです。

7月:2019年のレントコントロール率発表

 2019年1月~12月における住宅に対するレントコントロール率(賃料の値上げ幅上限)が、今年同様の1.8%と発表されました。オーナーによる賃料の値上げは、テナントが入居した後12か月過ぎてから、もしくは最後の賃料値上げから12か月を過ぎてから、と決まっています。そのため、例えば年に2回賃料値上げを求められることはありません。またオーナーからテナントへの賃料値上げの要求は、最低90日以上前に書面による通知で行う必要があります(例えば、2018年4月1日から賃貸契約を開始した場合、オーナーが2019年4月1日から賃料を1.8%アップしたい場合には、90日前である2019年1月1日より以前に通知を行う必要があります)。ただし、オーナー・テナント間で双方合意があった場合には例外ケースとなります。

4月:マリファナ解禁

 10月17日のマリファナ解禁前に、トロントの多くのコンドミニアムの運営理事会では、マリファナ喫煙を禁止するようにコンドミニアムルール(マンション規約)を改正しようとする動きがありました。住環境を心配する居住者や購入者のみならず、マリファナOKのコンドミニアムだと借手も探しにくくなる、と懸念する投資家もいます。コンドミニアムルールにおいて室内でのマリファナ禁煙を定めていない場合、居住者はプライベートレジデンス(室内、バルコニー等を含む)においてマリファナを使用してもいいとされていますが、賃貸住宅の場合、コンドミニアムルール以外にオーナーがマリファナ使用を禁止している部屋もあります。現在の賃貸契約書において「NO SMOKING」とされている場合、マリファナも含む可能性が高いといえます。現在の賃貸契約書において喫煙を明記していない場合、当該契約期間中にオーナーが新たに禁止事項を加えることはできず、新たな賃貸契約を結ぶ際に初めて加えることが可能となります。先日お客様がオファーされた契約書類では、オーナーからの追記事項としてタバコもマリファナも使用を禁止する、と明記されていました。今後は賃貸住宅におけるマリファナ使用禁止とともにタバコの喫煙禁止も進む可能性も予想されます。

 今年も大変お世話になりました!来年も皆様のご希望に合う不動産探しのお手伝いができるようスタッフ一同全力で取り組んで参りたいと存じます。冬期休暇中はお家の冬支度、戸締りにお気をつけて楽しいバケーション、年末年始をお過ごしください!

※弊社では、ご不在時のハウスシッティング、各種物件管理のご依頼を承っております。お気軽にご相談ください。



本文: 増田利加
Starts Realty
Canada, Inc