Takahito “Tak” Arikushiさん 特集インタビュー

バンクーバーからトロントへ。Toronto Jass Festival出演ギタリスト

Takahito “Tak” Arikushiさんの特集インタビュー

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学生の頃に軽い気持ちでギターを始めたTakahito “Tak” Arikushiさん。どんどん音楽とギターの魅力に引き込まれ、現在はギタリストとしてパフォーマンスを行い、若い世代に教えるなど精力的に活動している。今回はTD Jazz Festivalに先駆け、現在の目標やトロントへ移り住んだ理由などを伺った。

ギターを始めたきっかけやギタリストになろうと思ったきっかけについて教えてください。

音楽を聴くことが好きでメタルやロックなどギターが中心となる音楽を聴いていた影響も大きく、当時はただ単に格好良いからという軽い気持ちでした。高校生の間はメタルやジャズバンドに参加しました。ギタリストを目指そうと決意したのは、将来について考え、高校の卒業が近づいた頃、大学で音楽を専攻すると決めた時です。

様々なジャンルを演奏されていますがなぜジャズを選んだのでしょうか?

僕は難しいことに挑戦していくことが好きで非常に難しいコードやテクニックを求められるメタルや、セッションを通してより魅力的なハーモニーを奏でたり、即興で音楽を奏でる対応力が問われるジャズに惹かれ、それらをもっと深く勉強していきたいと思っていました。ですが、バンクーバーでは音楽を勉強できる大学が限られており、選択肢はほぼクラシックかジャズの2択でした。クラシック音楽も魅力的だと思いますが、ジャズの方がより自由に自分を表現できますし、演奏経験もあり、もともと興味があったのでジャズを専攻することにしました。

演奏するにあたって好きなジャンルは何ですか?

ファンクかジプシージャズです。全く違うスタイルだと感じる方もいるかもしれませんが、僕にとってはどちらもアップビートで踊りたくなるようなスタイルの音楽だからです。こういった観客との一体感を楽しめる音楽が好きですね。

主に活動を共にしているバンド“Les Petits Nouveaux”以外にもコラボレーションを行っていますが、どのようにその人達と出会い、セッションが実現するのでしょうか?

〝本当に信頼できる人〟を知ってるかどうかだと思います。僕の場合はDenis Changというカナダのジプシージャズ界で有名な知人がいて、トロントに来る前に誰か紹介してくれないかとお願いしました。今活動しているバンドに参加することになったのは、僕がちょうどトロントに来る時期にメンバーのギタリストが自国に帰らなければならず、新しいギタリストを探している所だったからです。他のコラボレーションは正しいネットワーキングと口コミを通してお互いの実力が広まりセッションの機会が増えていく、という感じですね。

バンクーバーからトロントへ移った理由はなんですか?

昔から他の都市に移り住むことを目標にしており、トロントを選んだのはやはりバンクーバーより大きな都市なのでチャンスも多いだろうと思ったからです。また、カナダのアート・音楽の中心であるモントリオールに近いこと、さらにまだ行ったことがないですが、トレンドの中心であるニューヨークから近いということも魅力でした。

トロントとバンクーバーの印象はどうですか?

トロントはカナダのニューヨークだと思います。住んでいる人は忙しい人が多く、みんな何かしらで成功したいと思っていると思います。その為に多くの人が努力を惜しみません。バンクーバーではトロントに比べてお金などの成功よりもライフスタイルを重視している人が多いような印象を受けます。海も山もあり、アウトドアアクティビティが盛んで、生活のペースもトロントに比べるとゆっくりです。僕にはトロントでの競争が必要だと思ってこっちに移り住みましたが、時折飲まれそうになった時はバンクーバーを思い出して一呼吸入れるようにしています。

音楽活動などを通してスランプなどの壁はどのように乗り越えるのでしょうか?

新しい挑戦や問題に取り組んでいる時に何度やっても上手くいかず、ストレスになっている時は時間を空けてから再挑戦します。そうすることで新しい視点で物事を捉えることができ、それが解決の糸口になるかもしれません。それでも行き詰まり、上手くいかない時はカントリーミュージックやエレキトリックなど普段聴かない音楽を聴いて新しい発想を得られるようにすることが多いです。

次に挑戦したいことはなんですか?

レコーディングです。これまでバンドとしてレコーディングを経験しましたが、今後は自分で自分の音楽をプロデュースしたいです。その方がよりクリエイティブでいられると思うし、100%自分の作品と言い切れるのが良いですね。

トロントで頑張る人へメッセージをお願いします。

諦めないで頑張ることが大切です。皆さんは既に言語も文化も全く違う国に来るという大きな挑戦をしているのでもちろん大変なこともあると思いますが、自分が挑戦したいと思っていることは迷わずに挑戦して下さい。ただ、頑固になり過ぎず、周りの状況に合わせて微調整できる柔軟さは持っていた方がいいですよ。


Takahito “Tak” Arikushi

バンクーバー生まれ。12歳でギターに出会い、学生時代はメタルやジャズなど様々なジャンルで演奏を続け、Capilano Universityでジャズ音楽を専攻。卒業後、さらに多くのジャンルで演奏を続け、経験を積み、2013年により多くのチャンスを求めてトロントに移住。現在は主にバンド“Les Petits Nouveaux”で活動を続け、他にもDenielle Bassels Quintet、Jesse Barksdale(Jeff Healey)、Roberto Rosenmanなどとコラボレーションを行っている。演奏以外の時間は学校の講師として若い世代にギターの魅力を教えている。