タカラベルモント カナダ本社社長 織田康二氏 インタビュー|メイド・イン・ジャパンでカナダを攻めろ!

世界で評価されている高級椅子メーカーとして知られるタカラベルモントがカナダ本社の移転とともに理美容・医療機器のショールームを拡大。多くの業界関係者に足を運んでもらいたいと期待を寄せる。

 理美容・医療機器メーカーとして長い歴史を持ち、世界を代表する理美容サロンの高級椅子メーカーとして有名なタカラベルモント。カナダに事業を展開したのも早く、今年でなんと53年目となる。

 今回、カナダ本社が移転するのと同時に理美容サロンと医療機器のショールームが拡大。これにより、タカラベルモントが医療機器事業の高い成長とともに日本はもちろん世界でもハイエンド製品として認められている理美容関連の事業をカナダにおいてさらに展開する機会となる。そのショールームのお披露目式が6月に開催されるのを前に、カナダ本社の織田康二社長に同社の理美容業界における強みや製品の特徴、業界全体の発展をサポートする企業としての取り組み、そして今後のカナダにおける事業を展開していく際の課題や展望など、幅広い話を伺った。

業界トップクラスの理美容機器・サロン事業

 タカラベルモントは日本では理容師・美容師、そして理美容サロンのトータルサポートをもとに、機器や化粧品からサロンづくり、新規開業の相談まで理美容サロンに関する幅広い事業を展開し、業界シェア及び認知度ともにトップクラスだ。

 業界トップクラスの美容椅子をはじめとする機器はもちろん、店内で使用するシャンプー、コンディショナー、化粧品などの製品も製造。また、ウェブサイトではタカラベルモントがこれまで手がけた理美容サロンの施工事例も閲覧することが可能だ。
https://www.tb-net.jp

 さらに、タカラベルモントはサロンを経営するために必要なマネジメント力を培うためにも人材育成に力を入れている。具体的には、理美容サロンの経営セミナーなどを提供。織田社長曰く、「ゼロからオープン、そしてその後も継続的にサポートするためのフローが完全に出来上がっている」のがタカラベルモントの理美容事業の強みだそうだ。そして、「理美容サロンのトータルサポート」というフレーズにふさわしく、まさに理美容サロンの経営に関する全てに携わる事業を展開している。

 一方、カナダにおけるタカラベルモントは歯科医院をターゲットにした医療機器の事業を中心にこれまでビジネスを展開している。理美容機器同様、医療機器の種類も幅広く、様々な機能を兼ね備えたチェアユニットはもちろん、椅子やライト、さらにはX線装置まで、歯科医院を運営するために必要な機器が一式揃っている。

鋳物メーカーとしてのこだわりを引き継ぐ、見た目と質を両立させた最高級の椅子の数々

タカラベルモントホームページより

 スタイリングチェアやシャンプー機器、ローラーボールなど理美容サロンで必要とされる機器を幅広く展開しているタカラベルモント。その中でも特に強みとしているのがヘアサロンには欠かせない「チェア」だ。オンラインカタログでも見られるように、実に多くの種類のチェアを展開している。

タカラベルモントホームページより

 中でもタカラベルモントのチェアの強みはその「品質の高さ=丈夫さ」にあると織田社長は指摘。サロンで頻繁に、そして長年使用されるチェアは使えば使うほど劣化するのが当然である。特に差が出てくるのは理美容サロンの椅子の特徴である、椅子の上下を可能にする「ポンプ」の部分だそうだ。ここには鋳物が使われており、中に入っている鋳物が劣化すればその影響がすぐにチェア全体の質に出てくるという。かつては鋳物屋として事業をスタートさせたタカラベルモント。その鋳物へのこだわりは今も引き継がれており、チェアのポンプには10年の保証をしているというジャパンクオリティが世界で評価されている。

カナダでもジャパン・クオリティとして世界でも認められ、事業の中心となっている医療機器事業

 世界における医療機器の位置付けについて、かつて海外事業に携わってきた織田社長は「高級外国車に対する日本車」という例えを用いた。「高級外国車は値段が張るものが多いが、その一方で日本車は妥当な価格のものが多い。それでありながら性能やクオリティが高いという点では当社製品と似ている」と比較。「ドイツ製の医療機器は超高級と呼ばれるものが多いが、日本製のものは手が届きやすく、耐久性に優れ長年使えるものが多い」と述べ、現在北米やカナダの中で事業の柱となっている医療機器事業に関しては引き続き強みを活かしていくと意気込みを語った。

グッドデザイン賞を多数受賞した高品質な理美容機器

 チェアももちろんだが、それ以外の理美容機器においてもタカラベルモントの製品は世界から高い評価を受け続けている。中にはグッドデザイン賞を受賞したものも多数あり、その受賞歴はスタイリングチェアやシャンプー機器など、多岐に及ぶ。

さらなるビジネスの発展を検討している理美容業界の方に注目してもらいたいヘッドスパ機器

タカラベルモントホームページより

 今回、カナダにおける理美容事業の展開にあたり重要な役割を担うこととなるのがヘッドスパだ。ヘッドスパに特化し、「極上の寝心地」を追求した、その名も「YUME SPA」。織田社長曰く、タカラベルモントの製品の中でも特に注目してほしいのがこの「YUME SPA」だという。ヘッドスパはここ10年ほど日本で注目を集め、カナダでも2年ほど前から導入され始めた。今となってはタカラベルモントの代名詞になっているほどだ。

 YUME SPAと呼ばれるこのヘッドスパは、髪の毛はもちろん、頭皮、そして心まで、全てをケアすべく作られた。ヘッドスパの行程はクレンジング・ミスト・シャンプー・マッサージ・ヘアケアとなる。中でも注目して欲しいのはタカラベルモント独自の「オープンミスト」。「スパミストII」という機器から超音波振動子により発生させられる特殊なミスト。一定の温度に保たれたこのきめ細かいミストが頭皮の毛穴を広げ、汚れの除去やトリートメントの吸収を促進。ヘッドスパの効果をより高めるべく、四つの行程全てにおいて用いられ、「YUME SPA」の欠かせない一部となっている。

快適さを追求した「YUME SPA」による新たなヘアサロン体験

 YUME SPAの行程はまず、頭皮のクレンジングから始まる。蒸気により開かれた毛穴から汚れを取り除くと同時に、髪と頭皮を最適な温度にまで温める。次にシャンプー・コンディショナーが続くが、この行程においてもオープンミストを使用することによりシャンプーの泡立ちがよくなり、快適なヘッドスパ体験を可能にするそうだ。最後のヘアケアの部分では、髪のキューティクルよりトリートメントを吸収させる。ここでもまた、オープンミストで髪のキューティクルを開くことにより、トリートメントの吸収を早め、均等にするという。このように、最初から最後まで一貫してスパの効率と快適さを追い求めた「YUME SPA」は、理美容サロン経営者にとってこれまでの顧客に対して、新たな価値を提供できるのではないだろうか。

早くから海外に進出し日本の理美容機器メーカーとして築き上げてきた存在感

 日本の理美容機器メーカーとしては早くから海外に進出したタカラベルモント。初めて海外に進出した先はニューヨークで1956年のこと。カナダにおいても1966年にトロントに進出して以来、53年もの間、確固たる地位を築き上げてきた。しかし、今までは医療事業を主に展開してきたため、今回の本社移転とショールーム拡大に伴い、すでに多くの日系ヘアサロンが運営されているカナダにおいて美容事業をさらに拡大させるのが狙いだ。

日系ヘアサロンに求められる新たな付加価値

タカラベルモントホームページより

 アジア圏ではすでに広く認められている日本の美容師。その高いスキルは「日本の美容師」というブランドのようなものを確立させている。織田社長曰く、サービスはもちろん、シャンプーなどの製品一つ一つをとっても日本のものが高品質だ。カナダでもそれは変わらないと織田社長は加えた。もちろん、価格は現地のサロンより高いものの、「一度味わったら他のサロンに行けなくなる」という客が多いように、日本のヘアサロンの質は世界中の人々から認められている。

 しかし、そんな中でもこれからカナダにて理美容関係の事業を展開していくにあたり念頭に置かなければならないのは「カナダ人に求められているサロンがどのようなものなのか」という課題。常にトレンドの最先端を走るトロントにおいては尚更考えなければならないことではないだろうか。これに対して織田社長は、「コミュニケーション」と「スキル」の二つの部分に注目。スタイリストにとって重要なのは技術はもちろんだが、店の雰囲気や店を訪れた客が感じる居心地の良さだったり癒しなどの要素も同等に重要であり、そのためにはスキルと同時にコミュニケーション力を培うことも不可欠になると織田社長は指摘した。

 さらに、今までとは違うヘアサロン体験を求めている客に対しては先ほども紹介した「YUME SPA」が重要な役割を担うのではないかと織田社長は加えた。髪だけではなく、頭皮まで頭の全てをケアするヘッドスパは普通のヘアサロンでは味わうことができない。カットやスタイリングのほかに「ヘッドスパ」という新たな付加価値をヘアサロンに加えることにより、より幅広い客層を取り込むことが期待できるのではないかと織田社長は指摘。さらに、ヘッドスパを導入することにより、すでに日系のヘアサロンに通っている客にもさらに高頻度でヘアサロンを利用することに繋がるのではないかと織田社長は期待を寄せていた。

メイド・イン・ジャパンのハイエンド理美容・医療機器がさらなるカナダでの発展につながる

 今回、ショールームがリニューアルし拡大するにあたり、織田社長は「より多くのお客様に見学に来てもらいたい」と期待を寄せていた。直接足を運んでタカラベルモントの理美容・医療機器やサロンを体感できる施設でもあるショールーム。「情報発信」の場所としてメイド・イン・ジャパンの高品質な機器や同社が提供するビジネスノウハウをより幅広い客層に知ってもらうチャンスなのではないか。

 すでに多くの顧客を持つ医療機器はもちろん、ハイエンドの理美容サロンの椅子や「YUME SPA」をはじめとするタカラベルモント独自の技術や製品がこれからカナダにおける業界をリードする存在になることを期待したい。