ジャパンファウンデーションでホラー漫画家の伊藤潤二氏と 『加瀬さんシリーズ』の高嶋ひろみ氏を招いてトロント・コミック・アートフェスティバルの記念レセプションが開催

 日本の漫画を含めた世界各国のコミックと作家が集まるカナダ最大のコミックアートの祭典『Toronto Comic Art Festival(TCAF)』が今年も5月11・12日に開催された。その前日となる10日にはフェスティバルを共催しているジャパンファウンデーションが、日本から参加している伊藤潤二氏と高嶋ひろみ氏を招いて歓迎レセプションを開催した。

 『富江』『うずまき』などの代表作で知られる著名ホラー作家の伊藤氏は今年のポスターアートも手がけた。また高嶋氏は日本の百合漫画と呼ばれる女の子同士の恋愛を描いた『加瀬さんシリーズ』が今、カナダを含め北米で注目されている。

伊藤氏が手がけたポスター

「TCAF」と共に漫画文化を浸透させてきた

 ジャパンファウンデーション・トロントの清水優子所長は 「TCAF」と「ジャパンファウンデーション」は長く共に歩んできたとし、両者のカナダへの漫画文化浸透の取り組みについて言及した。
 また、日本文化に親しむことができる「JFT」の諸施設についても紹介。通年で開催されているギャラリーや、漫画・洋書含め1万2千冊にも及ぶ蔵書をそろえた図書館を無料で利用できるという。日本語を習得したい人向けには語学講座も開催していると会場に訪れた方に案内した。

今後も新作を書いていきたい

 伊藤氏の作品は世界で反響を呼び、アニメ化・英語翻訳されたものも半年ごとに発売されているという。冒頭、トロントに来られたこと、イベントのポスターデザインを担当したことに喜びをあらわにし、関係者に感謝を述べた。また、自身の作品がアニメ化・翻訳化されていることに関して、「北米の読者の皆さんに読んでいただいて光栄です」と語った。自身の年齢で作品作りに苦労し始めていると笑いを誘ったが、「頑張って新作を書いていきたい」と力強く今後の抱負を述べた。

『加瀬さんシリーズ』

『加瀬さんシリーズ』や『100 Years of Yuri」のパネルディスカッションについて語るYuricon創設者のエリカ・フリードマン氏

表現をしていくことが楽しい

ジャパンファウンデーションと友好な文化関係を築いてきたことへの感謝を述べるTCAF 芸術監督・取締役のクリストファー・ブッチャー氏

 「TCAF」サイドからも、百合漫画の漫画家の先生を迎えることができたことの歓待の言葉を受けた高嶋氏。まず最初に、トロントでファンと対面できたことの喜びを語った。アニメ化された『加瀬さんシリーズ』が好評であることについては、「女の子同士の漫画というジャンルで、好きに書いているものが受けれられて嬉しいです」とコメント。また、イベントの企画を通してイラストレーターや漫画に携わる方々と交流できたと明かし、「表現をしていくことが楽しい」と漫画家としてのやりがいについても述べた。